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金と銀の玉の章
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「え?」
デヴィッドが驚いている。
「竜神信仰に輪廻転生が合わさってかなりややこしいことになってるぞ」
と言うとクロは出口へ向かった。
「そろそろ処理を始めないと書類が溜まる。残業は勘弁だ」
とクロは言って事務室の自分の机へと帰っていった。ちゃっかりアキラが食べていた照り焼きチキンパンを二つばかり持って行った。
「ちゃっかりしてるな」
アキラが笑いデヴィッドも笑うしかなかった。
「やっぱクロも食わないとだめなのか?」
デヴィッドが疑問を口にする。
「そら必要だろ。その上端末の数も多いみたいだから。ただ、毎日食べる担当決めてローテーションで食べてるとは聞いてる」
「お前らも大変だなぁ」
アキラは笑っている。
「俺は成長中だから余計に食べる量多いんだよ。本当に生まれて20年程度だからね。人間
の年齢でいうと…まだ5~6歳ってところ。体作ってる最中」
とアキラは言う。
「レッドは青年期で金と銀はもう少し上だけど中年ってとこまでは行かない感じ」
「クロは?」
デヴィッドが尋ねるとアキラはずいぶん考えてから答える。
「多分、老齢。そろそろ体作りなおさないといけないから次の黒の竜選ぶんだけどね。もう少しかかるかなぁ。黒の龍選抜っていうけどクロが体を作り変える100年ちょっとの間の代理の選抜なんだよね。俺ら青、赤、金、銀はグリーンドラゴンからの変異種で黒の下位種だからね。黒以外は長い命があるって言っても、黒みたいに体作り変えて一つの…人格みたいなのを保てるってことはないんだ。俺の前の青が居なくなって俺が出てくるまでも50年くらい間空いてる」
デヴィッドはアキラが出してくれた珈琲を飲んでいる。
「アキラのそういう知識はクロから貰ったのか?」
「クロから直接、貰ったのもあるし、レッドが教えてくれたのもある。金には一、二度会った事あるけど俺が出来上がった時は既に銀は行方不明だったからあった事ないんだけど、レッドとクロにどんな竜かは教えてもらった」
「竜内部の関係も色々ややこしいのな」
デヴィッドの感想にアキラも頷いた。
「それこそ学校行ってた時にも人間関係めんどくせーって思ったよ」
「学生はまだ未熟だから余計にな」
アキラも頷いた。
アキラはよく熟れたみかんを一つもぐ。今日は大きな袋を3つ分購入し二つ分はブラッドの為にみかんを入れ、残りの一袋にはニーアが時々やくアップルパイの為の酸味がすこし強いリンゴやデザートの使えそうな甘いリンゴ、香りの高いオレンジなどをもいでいく。色々楽しんで見て出入り口に戻るとデヴィッドが迎えに来ていた。
「たんまり手に入れたな」
「グリーナーに感謝だね。手入れのいい果樹園だ」
受付のエルフ女性がにっこりと笑う。
「グリーナーさん、最近あんまりいらっしゃらないので」
「ああ、もう少ししたらまた来ると思う。最近良く寝てるんだよ」
「そうなんですか」
デヴィッドはこの女性とも顔見知りのようだった。
「でもオールさんがたまに手入れに来てくださってます」
デヴィッドの説明によるとここにかけてある魔術のメンテナンスだろう、と。グリーンマジックが使えなくても魔術のメンテナンスというレベルならオールに不可能はないはずだと弟自慢のデヴィッドは言う。
「それに、ここ作った後のメンテナンスとか改良はオールも一緒にやってたんじゃないかな。一応弟子だしな」
アキラが尋ねる。
「一応、なんだ?」
デヴィッドが頷く。
「ああ。姉弟子、弟弟子なんだけどな。本来の師匠が引退してな。オールの魔法習得の途中からグリーナーがオールに教える事になったんだ。グリーナーはオールが易々と己の魔術を越えても喜ぶだけで妬まなかったし」
デヴィッドが驚いている。
「竜神信仰に輪廻転生が合わさってかなりややこしいことになってるぞ」
と言うとクロは出口へ向かった。
「そろそろ処理を始めないと書類が溜まる。残業は勘弁だ」
とクロは言って事務室の自分の机へと帰っていった。ちゃっかりアキラが食べていた照り焼きチキンパンを二つばかり持って行った。
「ちゃっかりしてるな」
アキラが笑いデヴィッドも笑うしかなかった。
「やっぱクロも食わないとだめなのか?」
デヴィッドが疑問を口にする。
「そら必要だろ。その上端末の数も多いみたいだから。ただ、毎日食べる担当決めてローテーションで食べてるとは聞いてる」
「お前らも大変だなぁ」
アキラは笑っている。
「俺は成長中だから余計に食べる量多いんだよ。本当に生まれて20年程度だからね。人間
の年齢でいうと…まだ5~6歳ってところ。体作ってる最中」
とアキラは言う。
「レッドは青年期で金と銀はもう少し上だけど中年ってとこまでは行かない感じ」
「クロは?」
デヴィッドが尋ねるとアキラはずいぶん考えてから答える。
「多分、老齢。そろそろ体作りなおさないといけないから次の黒の竜選ぶんだけどね。もう少しかかるかなぁ。黒の龍選抜っていうけどクロが体を作り変える100年ちょっとの間の代理の選抜なんだよね。俺ら青、赤、金、銀はグリーンドラゴンからの変異種で黒の下位種だからね。黒以外は長い命があるって言っても、黒みたいに体作り変えて一つの…人格みたいなのを保てるってことはないんだ。俺の前の青が居なくなって俺が出てくるまでも50年くらい間空いてる」
デヴィッドはアキラが出してくれた珈琲を飲んでいる。
「アキラのそういう知識はクロから貰ったのか?」
「クロから直接、貰ったのもあるし、レッドが教えてくれたのもある。金には一、二度会った事あるけど俺が出来上がった時は既に銀は行方不明だったからあった事ないんだけど、レッドとクロにどんな竜かは教えてもらった」
「竜内部の関係も色々ややこしいのな」
デヴィッドの感想にアキラも頷いた。
「それこそ学校行ってた時にも人間関係めんどくせーって思ったよ」
「学生はまだ未熟だから余計にな」
アキラも頷いた。
アキラはよく熟れたみかんを一つもぐ。今日は大きな袋を3つ分購入し二つ分はブラッドの為にみかんを入れ、残りの一袋にはニーアが時々やくアップルパイの為の酸味がすこし強いリンゴやデザートの使えそうな甘いリンゴ、香りの高いオレンジなどをもいでいく。色々楽しんで見て出入り口に戻るとデヴィッドが迎えに来ていた。
「たんまり手に入れたな」
「グリーナーに感謝だね。手入れのいい果樹園だ」
受付のエルフ女性がにっこりと笑う。
「グリーナーさん、最近あんまりいらっしゃらないので」
「ああ、もう少ししたらまた来ると思う。最近良く寝てるんだよ」
「そうなんですか」
デヴィッドはこの女性とも顔見知りのようだった。
「でもオールさんがたまに手入れに来てくださってます」
デヴィッドの説明によるとここにかけてある魔術のメンテナンスだろう、と。グリーンマジックが使えなくても魔術のメンテナンスというレベルならオールに不可能はないはずだと弟自慢のデヴィッドは言う。
「それに、ここ作った後のメンテナンスとか改良はオールも一緒にやってたんじゃないかな。一応弟子だしな」
アキラが尋ねる。
「一応、なんだ?」
デヴィッドが頷く。
「ああ。姉弟子、弟弟子なんだけどな。本来の師匠が引退してな。オールの魔法習得の途中からグリーナーがオールに教える事になったんだ。グリーナーはオールが易々と己の魔術を越えても喜ぶだけで妬まなかったし」
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