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金と銀の玉の章
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「王都に来てるんだ。アキラは宮廷服を仕立てにいかないとな」
デヴィッドに言われアキラはかなり嫌な顔になった。
「学生服じゃだめなのか?」
デヴィッドとクロはきっぱり言い切った。
「ダメ」
「S級冒険者はいつ王宮に呼ばれるかわからないから今のうちに作っておけばいい」
「ヨアヒムとかも」
アキラの抵抗をさっくりデヴィッドは封じた。
「ヨアヒムは持ってる、ヴァイキーは結婚式の時作ったそうだ。ランディもエルフの王都に行ったから持ってるはずだ。エドガーとルトガーはまだ冒険者としては級が低いからいいし、エヴァとユリアーナは女性だから既製服でも店が多い。宮廷服なんかの礼装は男の方が地味だし体にあってないと目につきやすい。目立たない為にも自分にあった服を作るといい」
「うー」
嫌がるアキラにクロが助け船を出す。
「伯爵の方の端末の御用達の店で作ってもらおう。できるだけ手早く楽に出来るように手紙も書いておく」
とクロが手紙を書き始める。
「あの…拒否権ないの?」
デヴィッドとクロが声を揃える。
「ないよ」
「ない」
アキラが最後の抵抗をする。
「あ、あれだ。ウルリッヒ商会、あそこで作ってもらう」
「…王都にも店はあるぞ」
「ほら、本店が街にあるから、さ」
「…わかった。明日にでも本店に連れて行くから覚悟しろよ?」
デヴィッドが折れる。
「それと王宮に呼ばれたから。来週の金曜日。私的な呼び出しの形にしてもらった」
クロがにやにやしている。
「どっかの伯爵がうごいてくれたのかな?」
デヴィッドが片眉を上げて尋ねる。
「謁見の間を使うと手続きがな。あと、ちょっと陛下を『なにからなにまで神殿の言う通りというのは神殿に対して弱みでもあるようにも見るものは見てしまいます』って炊きつけて私的な会見にしてもらった。謁見となったら他の貴族にも色々漏れるしな」
とクロが説明してくれた。
「にしても礼装はいるから作れよ、今回だけじゃなくてな。クランとして受けられる仕事が増えるぞ。アイリスがやってるように貴族の間を泳げなんて言わないから」
デヴィッドが言う。
「あれはアマゾネスにギルドから出してる依頼でもある。損のない範囲でそうやってつかんだ情報をギルドに売ってくれってな。今のクラン 竜の探索者にそういう依頼はださない、とおもったけど…ヨアヒム個人になら出せるな、どうしてもなら」
アキラも、ヨアヒムならやってのけそうだなぁと思った。
「あとルトガー鍛えると出来るな。エドガーは正直すぎて向かない」
「ランディは?」
「あ、あいつもいけるか。あいつ一応、竜人の貴族だぞ。下位だけど」
デヴィッドはそう言いながらアキラを見る。
「…お前ら、竜の中では王族みたいなもんだろう?クロよ、アキラになんか言うことないか?」
デヴィッドはクロに言うがクロは笑っている。
「わかったよ、一応の知識はアキラと共有しておく。レッドともな」
デヴィッドが思い出したように言い出す。
「アキラ、レッドは昇級避けてぐだぐだしてるんだけど近日中に昇級させるから。昇級試験のお題、あとで渡すわ。CからBに上げるんだけどエドガーとルトガーはもう少しポイント必要だったんで依頼をこなしてもらわないとな」
アキラは衣装の話と違い真面目に聞いている。クロが立ちあがった。
「取り合えず船の件頼む。『銀の竜の説得』の件も周知してかまわないけど…クラン内で止めた方がいいな。最近冒険者にも妙な新興宗教が信仰されてるようだしな」
デヴィッドが眉を顰める。
「何の事だ?」
クロに尋ねると、
「竜神信仰だよ。俺も誘われた」
デヴィッドに言われアキラはかなり嫌な顔になった。
「学生服じゃだめなのか?」
デヴィッドとクロはきっぱり言い切った。
「ダメ」
「S級冒険者はいつ王宮に呼ばれるかわからないから今のうちに作っておけばいい」
「ヨアヒムとかも」
アキラの抵抗をさっくりデヴィッドは封じた。
「ヨアヒムは持ってる、ヴァイキーは結婚式の時作ったそうだ。ランディもエルフの王都に行ったから持ってるはずだ。エドガーとルトガーはまだ冒険者としては級が低いからいいし、エヴァとユリアーナは女性だから既製服でも店が多い。宮廷服なんかの礼装は男の方が地味だし体にあってないと目につきやすい。目立たない為にも自分にあった服を作るといい」
「うー」
嫌がるアキラにクロが助け船を出す。
「伯爵の方の端末の御用達の店で作ってもらおう。できるだけ手早く楽に出来るように手紙も書いておく」
とクロが手紙を書き始める。
「あの…拒否権ないの?」
デヴィッドとクロが声を揃える。
「ないよ」
「ない」
アキラが最後の抵抗をする。
「あ、あれだ。ウルリッヒ商会、あそこで作ってもらう」
「…王都にも店はあるぞ」
「ほら、本店が街にあるから、さ」
「…わかった。明日にでも本店に連れて行くから覚悟しろよ?」
デヴィッドが折れる。
「それと王宮に呼ばれたから。来週の金曜日。私的な呼び出しの形にしてもらった」
クロがにやにやしている。
「どっかの伯爵がうごいてくれたのかな?」
デヴィッドが片眉を上げて尋ねる。
「謁見の間を使うと手続きがな。あと、ちょっと陛下を『なにからなにまで神殿の言う通りというのは神殿に対して弱みでもあるようにも見るものは見てしまいます』って炊きつけて私的な会見にしてもらった。謁見となったら他の貴族にも色々漏れるしな」
とクロが説明してくれた。
「にしても礼装はいるから作れよ、今回だけじゃなくてな。クランとして受けられる仕事が増えるぞ。アイリスがやってるように貴族の間を泳げなんて言わないから」
デヴィッドが言う。
「あれはアマゾネスにギルドから出してる依頼でもある。損のない範囲でそうやってつかんだ情報をギルドに売ってくれってな。今のクラン 竜の探索者にそういう依頼はださない、とおもったけど…ヨアヒム個人になら出せるな、どうしてもなら」
アキラも、ヨアヒムならやってのけそうだなぁと思った。
「あとルトガー鍛えると出来るな。エドガーは正直すぎて向かない」
「ランディは?」
「あ、あいつもいけるか。あいつ一応、竜人の貴族だぞ。下位だけど」
デヴィッドはそう言いながらアキラを見る。
「…お前ら、竜の中では王族みたいなもんだろう?クロよ、アキラになんか言うことないか?」
デヴィッドはクロに言うがクロは笑っている。
「わかったよ、一応の知識はアキラと共有しておく。レッドともな」
デヴィッドが思い出したように言い出す。
「アキラ、レッドは昇級避けてぐだぐだしてるんだけど近日中に昇級させるから。昇級試験のお題、あとで渡すわ。CからBに上げるんだけどエドガーとルトガーはもう少しポイント必要だったんで依頼をこなしてもらわないとな」
アキラは衣装の話と違い真面目に聞いている。クロが立ちあがった。
「取り合えず船の件頼む。『銀の竜の説得』の件も周知してかまわないけど…クラン内で止めた方がいいな。最近冒険者にも妙な新興宗教が信仰されてるようだしな」
デヴィッドが眉を顰める。
「何の事だ?」
クロに尋ねると、
「竜神信仰だよ。俺も誘われた」
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