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金と銀の玉の章
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アキラ達が起きると、身支度用にお湯が沸かされている。ヨアヒムと暗躍君は手早く髭の処理をしている。エドガーも処理をしているが二人ほどは手早くない。
「師匠、なんでそんな早いの」
「そら、慣れだよ慣れ。ここ一、二年で始めたやつよりは手際よくて当たり前だろう?」
エドガーはヨアヒムにそういわれて口をとがらせる。
「アキラとレッドが髭の処理ないのはわかるけど、ヴァイキーがうらやましい」
「俺が髭伸ばしたくて頑張っても…今なんにもせずに一月立ったところでこんなんだぞ」
ヴァイキーの顔にある髭は…髭とは呼べない状態だった。
「オールはどうなのさ」
「私もあんまり…でもヴァイキーよりはましかな。はやしたかったらはやせるから」
「ちぇっ」
ヴァイキーが詰まらなさそうに舌打ちをする。
「じゃ、先にアキラが森を均していくから、出てきた魔物や動物でも危険なやつは俺達で処理な。マリナと暗躍君の守護には今はとりあえず錬金術師弟、エドガーとヨアヒムがついてくれ。これは途中で入れ替わるから。一応大丈夫とは思うけど一応、な。マリナは大丈夫だけど…、暗躍君はわからんからな」
レッドが指示する。暗躍君は
「モンスター程度ならなんとでも」
と言うが、一応、ということでレッドは押し切った。
小一時間アキラが森を均すと
「ごめーん、ちょっと休む、腹に食べ物入れる」
「了解」
「じゃこのあとヴァイキーとオール、マリナたちについて」
レッドはそういいながら自分もアイテムボックスからパンを手に取る。
「みんなも水分と軽食とってくれよ」
レッドが言うより先にヨアヒムが言う。ヨアヒムは炭酸入りの水をマジックバッグから出している。皆水分とおやつ、を食べる。アキラはそのあと2回、同じような休憩を取った。3回目の休憩で昼ごはんにする。マリナ効果でモンスターも近寄ってこないので皆することが殆どなかった。
午後からレッドが均しを担当する。アキラはレッドの後ろからついていきながら森の中にずっとついてくる若鹿がいるのに気が付いていた。レッドもアキラに言われ目の隅にその鹿を認めていた。
『こっちに敵意はないようだな』
『というか…用があるんじゃないか?ちょっと休憩してみないか?』
アキラとレッドは念話でやり取りをし、その場所で止まる。
「ちょっと長めに休憩しよう」
少し離れてアキラが立っているとつんつんと袖を引かれる。鹿が寄ってきたのだ。アキラは鹿の方を見る。鹿がついてきてほし気にアキラを見ている。
アキラは念話でレッドに送る。
『こいつについて行ってみる。他のメンバーにそう言っておいて』
『わかった。危険ならすぐに呼べよ』
『ああ』
アキラが鹿についていったのでレッドは皆に言う。
「鹿が着いてきてるからアキラは鹿を他所に連れて行った」
ヨアヒムが慣れたように言う。
「十中八、九、怪我した鹿がいると思う。以前も森の冒険してる時にあったからな。動物に呼ばれるの」
「あいつら、俺達が人じゃないのわかるのかね」
レッドはちょっと呆れている。皆ゆっくり珈琲を飲んだりしてアキラを待っている。
「ねぇ、師匠。グリーナーがやったことと、今、アキラがやっている事何が違うの?」
エドガーがヨアヒムに疑問をぶつけた。
「師匠、なんでそんな早いの」
「そら、慣れだよ慣れ。ここ一、二年で始めたやつよりは手際よくて当たり前だろう?」
エドガーはヨアヒムにそういわれて口をとがらせる。
「アキラとレッドが髭の処理ないのはわかるけど、ヴァイキーがうらやましい」
「俺が髭伸ばしたくて頑張っても…今なんにもせずに一月立ったところでこんなんだぞ」
ヴァイキーの顔にある髭は…髭とは呼べない状態だった。
「オールはどうなのさ」
「私もあんまり…でもヴァイキーよりはましかな。はやしたかったらはやせるから」
「ちぇっ」
ヴァイキーが詰まらなさそうに舌打ちをする。
「じゃ、先にアキラが森を均していくから、出てきた魔物や動物でも危険なやつは俺達で処理な。マリナと暗躍君の守護には今はとりあえず錬金術師弟、エドガーとヨアヒムがついてくれ。これは途中で入れ替わるから。一応大丈夫とは思うけど一応、な。マリナは大丈夫だけど…、暗躍君はわからんからな」
レッドが指示する。暗躍君は
「モンスター程度ならなんとでも」
と言うが、一応、ということでレッドは押し切った。
小一時間アキラが森を均すと
「ごめーん、ちょっと休む、腹に食べ物入れる」
「了解」
「じゃこのあとヴァイキーとオール、マリナたちについて」
レッドはそういいながら自分もアイテムボックスからパンを手に取る。
「みんなも水分と軽食とってくれよ」
レッドが言うより先にヨアヒムが言う。ヨアヒムは炭酸入りの水をマジックバッグから出している。皆水分とおやつ、を食べる。アキラはそのあと2回、同じような休憩を取った。3回目の休憩で昼ごはんにする。マリナ効果でモンスターも近寄ってこないので皆することが殆どなかった。
午後からレッドが均しを担当する。アキラはレッドの後ろからついていきながら森の中にずっとついてくる若鹿がいるのに気が付いていた。レッドもアキラに言われ目の隅にその鹿を認めていた。
『こっちに敵意はないようだな』
『というか…用があるんじゃないか?ちょっと休憩してみないか?』
アキラとレッドは念話でやり取りをし、その場所で止まる。
「ちょっと長めに休憩しよう」
少し離れてアキラが立っているとつんつんと袖を引かれる。鹿が寄ってきたのだ。アキラは鹿の方を見る。鹿がついてきてほし気にアキラを見ている。
アキラは念話でレッドに送る。
『こいつについて行ってみる。他のメンバーにそう言っておいて』
『わかった。危険ならすぐに呼べよ』
『ああ』
アキラが鹿についていったのでレッドは皆に言う。
「鹿が着いてきてるからアキラは鹿を他所に連れて行った」
ヨアヒムが慣れたように言う。
「十中八、九、怪我した鹿がいると思う。以前も森の冒険してる時にあったからな。動物に呼ばれるの」
「あいつら、俺達が人じゃないのわかるのかね」
レッドはちょっと呆れている。皆ゆっくり珈琲を飲んだりしてアキラを待っている。
「ねぇ、師匠。グリーナーがやったことと、今、アキラがやっている事何が違うの?」
エドガーがヨアヒムに疑問をぶつけた。
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