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旅の章
04
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「もうちょっと奥だ」
レッドが本体の場所まで案内している。洞窟の中は苔がうっすらと発光しているので歩きやすい。
「次の扉開けるのは前のやつより魔力食うとおもう」
「そうか。じゃ、ま、扉の前で飯休憩くれ」
「わかった」
レッドはそういいつつ、自分もエネルギー取らないとな、と思っている。今までつながりが弱かった分、今この端末体で吸収したエネルギーは今まで以上に本体に持っていかれている感じがある。ヨアヒムからそっと飴が渡された。
「砂糖と水だけで出来てるからすぐエネルギーになる。アキラも口に入れてるだろ」
「ああ、ありがとう。錬金術師は飴まで作るのか」
「いんや、作ったのは俺じゃない」
レッドはべっこう飴を口にほおりこむ。
「優しい味の飴だな」
「だろ。宗介、拠点で料理作ってくれてる男、が作ったんだ」
「へぇ、手作り。すごいね」
「こないだはせんべいとかいう米の菓子作ってたな」
「なんだそれ?」
アキラが実物をアイテムボックスから出してレッドの手に乗せる。
「こういうの」
「クッキー?」
「ちゃう。せんべい」
「ふーん」
レッドは白っぽい方を口に入れた。
「ん?!」
甘いと決めてかかって食べたら塩味だったのでレッドは頭が追いついていないようだった。
「ああ、びっくりした」
ヨアヒムとアキラはにやにやしている。もう一つの方を口にいれる。それは醤油味でザラメ糖が付いているものだった。
「…ーーーんっ」
「びっくり箱かよ、せんべいってば」
「どっちもせんべいのスタンダードだと思う」
「違和感ある」
そんな風に与太話をしながらレッドの先導でレッドの本体が眠る場所に着いた。
「じゃ、お互いゆっくり座るか」
とアキラがアイテムボックスから折り畳み式のディレクターズチェアを出した。これは異世界からの転移者で結局ウルリッヒ商会に就職した男が企画し、最近できたものだった。素材はこの世界の鋼材と帆布製である。しかしゆっくり座れるのでアキラはかなり気に入っている。
「とりあえず、食事にしようか」
と簡易テーブルをだしアイテムボックスから暖かいスープや総菜パンや、ただ芋を焼いただけの状態でアイテムボックスに入れておいたものや焼いた肉などをテーブル一杯に出す。
レッドは無言でもくもくと食べている。その健啖家ぶりはアキラとそう変わらない。
「これだけ本体が近いとかなり吸い取られる」
「今まで殆ど取れなかった分取られるだろうな」
これは予測できたのでかなりの量の食料をブラッド製のマジックボックス二つにいれてある。アキラはこの様子だとここにいる間に1箱は空になるな、と思った。
その頃のマルク達
「しかし、魔剣いると便利だね。狩りの獲物、血抜きがいらないね」
「綺麗に吸ってくれるからな」
「ウサギの血じゃ物足りないな。ま、不味くはないんだが。ボアか鹿あたりがいねぇ…な。この辺りは平たいし草ばっかだしな。…お、こっから東に歩いて45分くらい行ったところに上級と最上級のポーション草生えてるぞ」
「ふむ。ヴァイキーは休んどいて。ここからまっすぐ東か?」
「もう7歩、右によって。そっからまっすぐ歩いたらある」
「わかった。まっすぐだな」
そういうとマルクはずかずか歩き出した。
「あの男もちょっと変だよな。目印もなしに本当にまっすぐ歩いて行ってる」
暫くしたら、マルクは上級と最上級のポーション草を積んで帰ってきていたし、ヴァイキーはウサギの肉を全部さばき、一部を串にさして既に炙っていた。
レッドが本体の場所まで案内している。洞窟の中は苔がうっすらと発光しているので歩きやすい。
「次の扉開けるのは前のやつより魔力食うとおもう」
「そうか。じゃ、ま、扉の前で飯休憩くれ」
「わかった」
レッドはそういいつつ、自分もエネルギー取らないとな、と思っている。今までつながりが弱かった分、今この端末体で吸収したエネルギーは今まで以上に本体に持っていかれている感じがある。ヨアヒムからそっと飴が渡された。
「砂糖と水だけで出来てるからすぐエネルギーになる。アキラも口に入れてるだろ」
「ああ、ありがとう。錬金術師は飴まで作るのか」
「いんや、作ったのは俺じゃない」
レッドはべっこう飴を口にほおりこむ。
「優しい味の飴だな」
「だろ。宗介、拠点で料理作ってくれてる男、が作ったんだ」
「へぇ、手作り。すごいね」
「こないだはせんべいとかいう米の菓子作ってたな」
「なんだそれ?」
アキラが実物をアイテムボックスから出してレッドの手に乗せる。
「こういうの」
「クッキー?」
「ちゃう。せんべい」
「ふーん」
レッドは白っぽい方を口に入れた。
「ん?!」
甘いと決めてかかって食べたら塩味だったのでレッドは頭が追いついていないようだった。
「ああ、びっくりした」
ヨアヒムとアキラはにやにやしている。もう一つの方を口にいれる。それは醤油味でザラメ糖が付いているものだった。
「…ーーーんっ」
「びっくり箱かよ、せんべいってば」
「どっちもせんべいのスタンダードだと思う」
「違和感ある」
そんな風に与太話をしながらレッドの先導でレッドの本体が眠る場所に着いた。
「じゃ、お互いゆっくり座るか」
とアキラがアイテムボックスから折り畳み式のディレクターズチェアを出した。これは異世界からの転移者で結局ウルリッヒ商会に就職した男が企画し、最近できたものだった。素材はこの世界の鋼材と帆布製である。しかしゆっくり座れるのでアキラはかなり気に入っている。
「とりあえず、食事にしようか」
と簡易テーブルをだしアイテムボックスから暖かいスープや総菜パンや、ただ芋を焼いただけの状態でアイテムボックスに入れておいたものや焼いた肉などをテーブル一杯に出す。
レッドは無言でもくもくと食べている。その健啖家ぶりはアキラとそう変わらない。
「これだけ本体が近いとかなり吸い取られる」
「今まで殆ど取れなかった分取られるだろうな」
これは予測できたのでかなりの量の食料をブラッド製のマジックボックス二つにいれてある。アキラはこの様子だとここにいる間に1箱は空になるな、と思った。
その頃のマルク達
「しかし、魔剣いると便利だね。狩りの獲物、血抜きがいらないね」
「綺麗に吸ってくれるからな」
「ウサギの血じゃ物足りないな。ま、不味くはないんだが。ボアか鹿あたりがいねぇ…な。この辺りは平たいし草ばっかだしな。…お、こっから東に歩いて45分くらい行ったところに上級と最上級のポーション草生えてるぞ」
「ふむ。ヴァイキーは休んどいて。ここからまっすぐ東か?」
「もう7歩、右によって。そっからまっすぐ歩いたらある」
「わかった。まっすぐだな」
そういうとマルクはずかずか歩き出した。
「あの男もちょっと変だよな。目印もなしに本当にまっすぐ歩いて行ってる」
暫くしたら、マルクは上級と最上級のポーション草を積んで帰ってきていたし、ヴァイキーはウサギの肉を全部さばき、一部を串にさして既に炙っていた。
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