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ダンジョン攻略の章
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他人のアイテムボックスは基本的に使用したり覗いたりできない。吸血鬼はそのルールを破れたらしい。
「で、だ。おれは自分の玉に封入されたんだよ、あの場所で。あの場所まで吸血鬼の男を追ったつもりだったんだが…嵌められてた感じ?」
「何でそんなことに?」
「うん、瘴気トカゲモドキが海に行ってからあの国を探索してたんだよ。冒険者ギルドは人を何人か出したけど全員帰ってこなかったみたいなんでな。で、大本のダンジョン探ってたら吸血鬼が小物から大物まで出入りしてるからさ。その中でも異質なオーラの男を追っかけてたら…、相手も気が付いててな。あの部屋でつかまって『そんなにダンジョンが好きか』って竜の玉をダンジョンコア代わりにされたんだよ。その時に俺が預かってた銀の竜の玉をアイテムボックスから抜き取られた挙句『お前はダンジョンコアになるんだからアイテムなんかいらないよな』ってアイテムボックスの中身を全部焼かれて、そのままコアの隠し場所も焼かれた。でそのままなすすべもなくあの中で焼かれ続けてたんだよ」
「なんで玉に封印されてたのさ」
「わからん。あいつにつかまってアイテムボックス探られて。気が付いたら封印されてた」
夕方に夕食に下りる。
「こいつはレッド。俺の兄弟分」
「俺がアニキな」
レッドの事はアキラの事情を知っているルトガー達は『竜の端末なんだな』と思い、知らないユリアーナ達は『ああ、そうなのね』と思っていた。
「吸血鬼退治の前に俺とレッドとヨアヒムとマルクとヴァイキーはちょっと旅に出る。その間マリナはどうする?一度神殿に戻る?お目付けさんは戻るみたいだけど」
「私はこの機会を逃したくないからねぇ。…お目付けくんには色々する事があるらしくて」
「貴方達の旅はどのくらいかかりますか?」
「予定としては3週間」
お目付けとして来ているのは内部査察の部署にいる神官で今の神官長の調査もしつつ、という人員だった。割合とざっくばらんでオープンな人柄で自分の役目を隠そうとしていないのでマリナも受け入れたのだろう。その上で協力を求めるのでイエス・ノーが言いやすいところも気に入ったようだった。
「では3週間後にもどります」
とお目付け役はいい、ちゃっかり街に戻るエドモンドの馬車に乗って行った。
「…あいつうっかりさんか?」
とデヴィッド。
「俺と一緒に王都まで行きゃいいのに」
マリナが笑う。する事の為に街の神殿に寄りたいんだと思うよ、とデヴィッドに告げる。
「あとね、冒険者ギルドと仲良しだと思われると面倒事が増えるからだと思う。神官長は冒険者下に見てるから」
とマリナは苦々し気な表情だ。
「じゃ行ってくる。グリーナーは行ったり来たりで大変だけど頼むな」
アキラはグリーナーをねぎらう。今はエドガー達の母親の様子を見に王都のアマゾネスの館にちょくちょく行っている。こちらにも、アマゾネス達にもグリーナーの移動果樹園の果物の土産は好評で、特に『みかん』は宗介がすごく喜んでいる。
「まかせて。アキラ達も気を付けて」
「ああ、ありがとう」
レッドは街に行ったときに購入した冒険者用の衣類が気に入っているようだった。そしてこれからの旅にわくわくしている模様で5人の中で一番浮ついている。宗介は
「ま、旅行気分で食べるといい」
と5人にお弁当を用意してくれた。
「行ってきます」
そう言って5人は馬車に乗り込み元気に旅立っていった。
**************************************
次から章が変わります。
「で、だ。おれは自分の玉に封入されたんだよ、あの場所で。あの場所まで吸血鬼の男を追ったつもりだったんだが…嵌められてた感じ?」
「何でそんなことに?」
「うん、瘴気トカゲモドキが海に行ってからあの国を探索してたんだよ。冒険者ギルドは人を何人か出したけど全員帰ってこなかったみたいなんでな。で、大本のダンジョン探ってたら吸血鬼が小物から大物まで出入りしてるからさ。その中でも異質なオーラの男を追っかけてたら…、相手も気が付いててな。あの部屋でつかまって『そんなにダンジョンが好きか』って竜の玉をダンジョンコア代わりにされたんだよ。その時に俺が預かってた銀の竜の玉をアイテムボックスから抜き取られた挙句『お前はダンジョンコアになるんだからアイテムなんかいらないよな』ってアイテムボックスの中身を全部焼かれて、そのままコアの隠し場所も焼かれた。でそのままなすすべもなくあの中で焼かれ続けてたんだよ」
「なんで玉に封印されてたのさ」
「わからん。あいつにつかまってアイテムボックス探られて。気が付いたら封印されてた」
夕方に夕食に下りる。
「こいつはレッド。俺の兄弟分」
「俺がアニキな」
レッドの事はアキラの事情を知っているルトガー達は『竜の端末なんだな』と思い、知らないユリアーナ達は『ああ、そうなのね』と思っていた。
「吸血鬼退治の前に俺とレッドとヨアヒムとマルクとヴァイキーはちょっと旅に出る。その間マリナはどうする?一度神殿に戻る?お目付けさんは戻るみたいだけど」
「私はこの機会を逃したくないからねぇ。…お目付けくんには色々する事があるらしくて」
「貴方達の旅はどのくらいかかりますか?」
「予定としては3週間」
お目付けとして来ているのは内部査察の部署にいる神官で今の神官長の調査もしつつ、という人員だった。割合とざっくばらんでオープンな人柄で自分の役目を隠そうとしていないのでマリナも受け入れたのだろう。その上で協力を求めるのでイエス・ノーが言いやすいところも気に入ったようだった。
「では3週間後にもどります」
とお目付け役はいい、ちゃっかり街に戻るエドモンドの馬車に乗って行った。
「…あいつうっかりさんか?」
とデヴィッド。
「俺と一緒に王都まで行きゃいいのに」
マリナが笑う。する事の為に街の神殿に寄りたいんだと思うよ、とデヴィッドに告げる。
「あとね、冒険者ギルドと仲良しだと思われると面倒事が増えるからだと思う。神官長は冒険者下に見てるから」
とマリナは苦々し気な表情だ。
「じゃ行ってくる。グリーナーは行ったり来たりで大変だけど頼むな」
アキラはグリーナーをねぎらう。今はエドガー達の母親の様子を見に王都のアマゾネスの館にちょくちょく行っている。こちらにも、アマゾネス達にもグリーナーの移動果樹園の果物の土産は好評で、特に『みかん』は宗介がすごく喜んでいる。
「まかせて。アキラ達も気を付けて」
「ああ、ありがとう」
レッドは街に行ったときに購入した冒険者用の衣類が気に入っているようだった。そしてこれからの旅にわくわくしている模様で5人の中で一番浮ついている。宗介は
「ま、旅行気分で食べるといい」
と5人にお弁当を用意してくれた。
「行ってきます」
そう言って5人は馬車に乗り込み元気に旅立っていった。
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次から章が変わります。
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