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ダンジョン攻略の章
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レッドがアキラの部屋のベッドに寝ている。ヨアヒムがくれた普段着、木綿製品でひもでウエストを調節する形のパンツと、同じ生地のチュニックだった。
「ま、悪くないか」
「明日、エドモンドが街に帰るから街に一緒に行って一式買おうか。サイズがわかれば取り寄せたりも出来る。靴もな。今はサンダルだしな」
「頼むわ」
などと話してる間にざくっと落ちたので黒のじーさんに呼ばれたな、とアキラはその様子を見て思っていた。
「黒のじじいにしこたま殴られた」
とレッドはいきなり起きた。
「色々あるが、青よ。吸血鬼退治の前に俺とお前で俺の本体にエリクサーを飲ませに行けってさ。今、俺と本体はかろうじてつながってる状態でそれの修復もあるから本体の所に行けって」
「どのあたりさ」
「デアードとの国境の山のなか。あそこの洞窟を偽装してる。問題は俺単体だと偽装を解くだけの魔力はないし、今の身体能力も人類と変わらん。ので、アキラ、お前の力を借りろとさ」
アキラはにやっとした。
「ガキの力借りるのは腹が立つ?」
「あたりまえだろ。お前は生まれて20年もたってないんだから俺ら大人が護らないといかんのに手を借りるなんて…」
アキラはようやく、この赤い竜の揶揄かいは少し行き過ぎた『弄り』なのだと認識した。
「ま、身体能力はかなり上がってるからな、俺。それとレッド、ちょこちょこエネルギー補給しておくといい。俺、本体分と思って腹が減ったら食べてるし」
「すげぇ量いるぞ、俺が本気で食べたら」
そう言ってレッドは笑う。
「うん、だから回数分けて食べてるし、自分でも料理するよ。転移してた世界の料理だけど」
「転移?ああ、モンスター津波の時見かけなかったのはそのせいか。でっかいリュウモドキが瘴気まとって出てきてな。と、こういう奴」
レッドはアキラの手をとり手のひらを合わせる。レッドの手のひらから脳内のイメージが送られてきた。互いに接触すると出来ることであった。アキラはその映像を見てひーひー笑い出した。
「これ、『ゴジラ』じゃん」
とレッドに日本にいた時みたゴジラの映画のイメージを送る。
「…似てる、似てるけど。そうだ、こういうサイズで出てきたからあのダンジョン周りの街は潰れて…、王都周りも焼かれて」
とレッドは話す。
「だから俺と金が出張ったんだよ。あんまりだって。逃げられる人は逃げられるように時間を稼いだんだよ。下にいた小物たちは冒険者が処理してくれてたんだが…こいつが色々踏みつぶして移動してな。王宮や神殿辺りは完全にこいつの足でやられた。神殿は折伏しようとして、全部の神職を集めてたりな…。で、この国の聖女もつぶされて…こっちがわの結界は無くなったわけだ。あのでっかいトカゲモドキは海の中に消えて、死んでるのかどうかはわからん」
アキラはベッドサイドのテーブルにアイテムボックスから総菜パンと菓子パンを取り出して置く。ついてに木のコップといつも持っている飲料水も置く。
「食うぞ?」
「いいよ。そのために出したんだし」
レッドは菓子パンや総菜パンをぱくぱくと5つほど食べる。
「ふぅ。一旦は落ち着いたな」
「そういや、レッドのアイテムボックスは服とかいれてないの?」
「…それな」
レッドは眉を顰める。
「俺をあそこに閉じ込めたのは吸血鬼の男でな。あいつ俺のアイテムボックスの中を探りやがって…。何をどうされたのか。預かってた銀の竜の玉と俺の玉を取り出しやがったんだよ」
「なにそれ」
「ま、悪くないか」
「明日、エドモンドが街に帰るから街に一緒に行って一式買おうか。サイズがわかれば取り寄せたりも出来る。靴もな。今はサンダルだしな」
「頼むわ」
などと話してる間にざくっと落ちたので黒のじーさんに呼ばれたな、とアキラはその様子を見て思っていた。
「黒のじじいにしこたま殴られた」
とレッドはいきなり起きた。
「色々あるが、青よ。吸血鬼退治の前に俺とお前で俺の本体にエリクサーを飲ませに行けってさ。今、俺と本体はかろうじてつながってる状態でそれの修復もあるから本体の所に行けって」
「どのあたりさ」
「デアードとの国境の山のなか。あそこの洞窟を偽装してる。問題は俺単体だと偽装を解くだけの魔力はないし、今の身体能力も人類と変わらん。ので、アキラ、お前の力を借りろとさ」
アキラはにやっとした。
「ガキの力借りるのは腹が立つ?」
「あたりまえだろ。お前は生まれて20年もたってないんだから俺ら大人が護らないといかんのに手を借りるなんて…」
アキラはようやく、この赤い竜の揶揄かいは少し行き過ぎた『弄り』なのだと認識した。
「ま、身体能力はかなり上がってるからな、俺。それとレッド、ちょこちょこエネルギー補給しておくといい。俺、本体分と思って腹が減ったら食べてるし」
「すげぇ量いるぞ、俺が本気で食べたら」
そう言ってレッドは笑う。
「うん、だから回数分けて食べてるし、自分でも料理するよ。転移してた世界の料理だけど」
「転移?ああ、モンスター津波の時見かけなかったのはそのせいか。でっかいリュウモドキが瘴気まとって出てきてな。と、こういう奴」
レッドはアキラの手をとり手のひらを合わせる。レッドの手のひらから脳内のイメージが送られてきた。互いに接触すると出来ることであった。アキラはその映像を見てひーひー笑い出した。
「これ、『ゴジラ』じゃん」
とレッドに日本にいた時みたゴジラの映画のイメージを送る。
「…似てる、似てるけど。そうだ、こういうサイズで出てきたからあのダンジョン周りの街は潰れて…、王都周りも焼かれて」
とレッドは話す。
「だから俺と金が出張ったんだよ。あんまりだって。逃げられる人は逃げられるように時間を稼いだんだよ。下にいた小物たちは冒険者が処理してくれてたんだが…こいつが色々踏みつぶして移動してな。王宮や神殿辺りは完全にこいつの足でやられた。神殿は折伏しようとして、全部の神職を集めてたりな…。で、この国の聖女もつぶされて…こっちがわの結界は無くなったわけだ。あのでっかいトカゲモドキは海の中に消えて、死んでるのかどうかはわからん」
アキラはベッドサイドのテーブルにアイテムボックスから総菜パンと菓子パンを取り出して置く。ついてに木のコップといつも持っている飲料水も置く。
「食うぞ?」
「いいよ。そのために出したんだし」
レッドは菓子パンや総菜パンをぱくぱくと5つほど食べる。
「ふぅ。一旦は落ち着いたな」
「そういや、レッドのアイテムボックスは服とかいれてないの?」
「…それな」
レッドは眉を顰める。
「俺をあそこに閉じ込めたのは吸血鬼の男でな。あいつ俺のアイテムボックスの中を探りやがって…。何をどうされたのか。預かってた銀の竜の玉と俺の玉を取り出しやがったんだよ」
「なにそれ」
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