199 / 585
ダンジョン攻略の章
63
しおりを挟む
「蔦、貸して」
出てきた上半身から人の形をしているのがわかる。アキラはそれの手をとると後ろ手に蔦で作った拘束具を嵌める。ワンタッチで嵌められるようにブラッドが作ってくれたものだった。
ずるり、と全身が現れる。聖水で濡れた赤い髪の男が全裸で現れた、
「…赤の端末、じゃないか」
「おう、くそ吸血鬼にあの玉の中に入れられるし、柱の中で焼かれ続けるし、散々だ」
「…なんでそんなことに」
意外に元気な男にヨアヒム達は呆然としている。細身で筋肉質、直毛の赤毛でなかなか秀麗な顔立ちの男だった。少しランディとも似ていた。なのになにか薄く曇った感じがする。
「くそガキに助けられるたぁ思わなんだ。お前暫く消えてただろうが」
「戻ってきたんだよ。黒のじーさんに色々頼まれててな。赤も手伝え」
「俺は病み上がりみたいなもんだぞ」
「…ヨアヒム、上級のエリクサー1本くれ」
ヨアヒムは何も言わずにアキラにエリクサーを渡した。
「それを飲め」
「なんつーもんを…」
「ヨアヒムが作った」
「は?」
「そこの髭の男、ヨアヒムが作ったんだよ」
「…俺が見たのはダンジョンのドロップ品だけだぞ」
「とりあえず、飲め」
アキラが明らかにイライラしている。
「おう」
赤い髪の男はあくまでマイペースだ。
その時、アキラの元にはコアからの念話が届いていた。
『その人、本体とのリンクが殆ど切れかかってる。だから…エリクサー飲んでも直るのはその人だけ。本体に届けたかったら本体の元にいかないと』
『ありがとう。なんとかこいつを本体に近づけるか』
『多分、貴方達の長がやってくれる。赤い竜とその人つながないと赤い竜は治らないから』
『わかった』
「しかし、お前こんなことやってたのか」
全裸のままの赤い竜の端末、レッドを徒歩で連れ帰るのも万が一、人がいたら面倒なのでダンジョンを出たところでデヴィッドが皆を直接拠点のアキラの部屋に転移させた。
「俺はお前を知ってる気がする」
とレッドがデヴィッドに言うのでデヴィッドは姿替えの魔法で普段のギルド長の姿に変わった。
「お前、王都のギルドの食堂にいたな?その赤い髪はよく覚えてる。…というか、何百年も同じ顔で来るからなんとなく、長命種絡みの人員だとは思ってたが…」
「ち、エルフは『人間』に興味ないんじゃないのか?」
デヴィッドは余裕でほほ笑む。
「『人類』には興味はないが、冒険者には興味があるんでな」
マリナは呆れて二人のやり取りを眺めている。
「なにこの殺伐和気藹々」
アキラは苦笑している。
「ヨアヒム、適当に見繕ってレッドに食うもんと飲むもん、持ってきてやって」
「わかったよ」
と言いながらヨアヒムはアキラに特製レモネードを渡す。
「とりあえずはそれ飲ませといて」
アキラは頷きレッドにその瓶を渡す。
「お、つめてぇ」
そういいながらレッドは喉を鳴らしてあっという間に飲み干した。
出てきた上半身から人の形をしているのがわかる。アキラはそれの手をとると後ろ手に蔦で作った拘束具を嵌める。ワンタッチで嵌められるようにブラッドが作ってくれたものだった。
ずるり、と全身が現れる。聖水で濡れた赤い髪の男が全裸で現れた、
「…赤の端末、じゃないか」
「おう、くそ吸血鬼にあの玉の中に入れられるし、柱の中で焼かれ続けるし、散々だ」
「…なんでそんなことに」
意外に元気な男にヨアヒム達は呆然としている。細身で筋肉質、直毛の赤毛でなかなか秀麗な顔立ちの男だった。少しランディとも似ていた。なのになにか薄く曇った感じがする。
「くそガキに助けられるたぁ思わなんだ。お前暫く消えてただろうが」
「戻ってきたんだよ。黒のじーさんに色々頼まれててな。赤も手伝え」
「俺は病み上がりみたいなもんだぞ」
「…ヨアヒム、上級のエリクサー1本くれ」
ヨアヒムは何も言わずにアキラにエリクサーを渡した。
「それを飲め」
「なんつーもんを…」
「ヨアヒムが作った」
「は?」
「そこの髭の男、ヨアヒムが作ったんだよ」
「…俺が見たのはダンジョンのドロップ品だけだぞ」
「とりあえず、飲め」
アキラが明らかにイライラしている。
「おう」
赤い髪の男はあくまでマイペースだ。
その時、アキラの元にはコアからの念話が届いていた。
『その人、本体とのリンクが殆ど切れかかってる。だから…エリクサー飲んでも直るのはその人だけ。本体に届けたかったら本体の元にいかないと』
『ありがとう。なんとかこいつを本体に近づけるか』
『多分、貴方達の長がやってくれる。赤い竜とその人つながないと赤い竜は治らないから』
『わかった』
「しかし、お前こんなことやってたのか」
全裸のままの赤い竜の端末、レッドを徒歩で連れ帰るのも万が一、人がいたら面倒なのでダンジョンを出たところでデヴィッドが皆を直接拠点のアキラの部屋に転移させた。
「俺はお前を知ってる気がする」
とレッドがデヴィッドに言うのでデヴィッドは姿替えの魔法で普段のギルド長の姿に変わった。
「お前、王都のギルドの食堂にいたな?その赤い髪はよく覚えてる。…というか、何百年も同じ顔で来るからなんとなく、長命種絡みの人員だとは思ってたが…」
「ち、エルフは『人間』に興味ないんじゃないのか?」
デヴィッドは余裕でほほ笑む。
「『人類』には興味はないが、冒険者には興味があるんでな」
マリナは呆れて二人のやり取りを眺めている。
「なにこの殺伐和気藹々」
アキラは苦笑している。
「ヨアヒム、適当に見繕ってレッドに食うもんと飲むもん、持ってきてやって」
「わかったよ」
と言いながらヨアヒムはアキラに特製レモネードを渡す。
「とりあえずはそれ飲ませといて」
アキラは頷きレッドにその瓶を渡す。
「お、つめてぇ」
そういいながらレッドは喉を鳴らしてあっという間に飲み干した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
64
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる