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ダンジョン攻略の章

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 「でかいスライムやった時みたいなことできないかな」

「漏斗で薬液流すのか。やってみてもいいかもだな」

「いいえ、それより先に解呪しましょう。デヴィッドも光属性の力を貸して。MPポーションもあるでしょ?」

マリナの言葉に皆耳を傾ける。

「解呪しながら、デヴィッドと私は他人の熱を冷ましてるイメージを解呪の呪文に混ぜ込みましょう」

「誰か紙とペンもってないか?」

「俺を見ながらいうな。持ってるけど」

ヨアヒムはそういいながらデヴィッドにスケッチブックと鉛筆を渡す。

「えーと。おれはオールみたいな天才じゃないからあんな風にすらすらとは書けないんだけどもさ」

と言いながらぶつぶつ考えながら書き込んでいる。半時間ほどの時間の後

「これでいけるはず」

と魔法陣を見せる。

「熱さましと解呪を組み合わせたんだけど、やってみる」

と立ち上がった。

「やっぱ体動かしてる方がしょうに合うわ」

と呟きながらデヴィッドは無造作に丁度赤の玉があるあたりの裏側に手を当てる。ゆるっと魔力を送り込みだす。

「よくわからんな」

「大丈夫作動してる」

マリナはそう言ってデヴィッドと同じ高さでもう少し右側に手を置き魔力を込めた。

 そして半日もそうやって魔力を送り続けた結果そのあたりだけ他の場所よりも色が薄く、そう赤味が減っている。

「潮時かな」

とアキラがいい、ぐったりしてるデヴィッドとマリナを後目に赤身が薄れた辺りに両手を置きゆっくりとなぞりつつ、力を込める。そこがぼこっという音とともに外れる。

「コア、入れ替える。出来るだけ早くダンジョンを掌握してほしい」

「わかった。暫く無防備になるからアキラは僕を守って」

「おう。ヨアヒム、錬金の鍋にエリクサー入り聖水たっぷり入れて」

「わかった」

アキラが難しい顔になる。

「こっちもコアを手伝うから無防備になる。聖水で冷やしまくったら多分なにか出てくるから例の蔦つかったやつで捕縛な。それと話すから」

 アキラはその中に手をいれた。鉱物ならば耐えられるが人の手なら焼けそうな、そんな熱をまだ帯びている。アキラはその奥に手を入れて赤の玉を取り出し、素早く聖水をなみなみと満たした錬金釜の中に落とす。一瞬見えたアキラの手は竜の手になっている。が、その手でコアの水晶玉を中に設置する。それとともにすごい勢いで内部から冷気を送り込んでいる。コアは暫くするとアキラに念話を送ってきた。

『全部掌握した。この柱の解呪もアキラの力で済んでるから大丈夫』

『どうやったんだ?』

『柱に残っていた魔法陣から解呪の所だけ読み取ってこの中の呪いを解いたの。アキラの魔力つかってね。前ここにあった玉はかなり不安定になってきてるよ、気を付けて』

『ありがとう、ちょっと元の玉に注力する』

『おっけー』

アキラが赤の玉に意識を戻した途端に何かがずるりと鍋の縁からこぼれてきていた。
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