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ダンジョン攻略の章

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 ブラッドの甥、ジュニアが帰ってきた翌日から、ルトガー、エヴァ、ジュニア、ユリアーナはランディ、ヴァイキーと共にコアのダンジョンに潜りに行った。
 ジュニアとユリアーナの練度を上げる為であった。二人ともほぼ初心者なのでコアのダンジョンの第1層からゆっくり初めて第2層で数日過ごす、というスケジュールを組んでいた。ルトガーとエヴァは交代でランディとヴァイキーの補佐に着くことにしたようだった。



 帰ってくるとユリアーナとジュニアは仲良くなっていた。二人で朝食に卵を取って来たらヴァイキーがオムレツ作ってくれた、とかを楽しそうに話している。

「まぶしいねぇ」

マリナが朝から白ワインを飲みながら初心者を見ている。

「若いときを思い出したか」

宗介はつまみにカルツォーネのようなものの小さいものを出した。宗介が若いときに出張先で覚えた料理のひとつだ。生地の中にトマトソースとチーズとなにか、という感じで作ってある。これは習った人の家でよく出される『家のごはん』であった。今回は簡易版なので作っておいたミートソースと適当にチーズを入れている。

「つまみもなしに朝飲みは感心せんな」

宗介に言われてマリナはにやっとする。

「せっかくお目付け役がかえったんだからさ」

「明日には新しいお目付け役がくるんだろ?」

アキラがテーブルの上にあるカルツォーネに手を出す。

「あふぅ」

思ったより熱かったようだ。

「来るらしいね。面倒だわ」

「マリナ、神殿はあんまり好きじゃない?」

「神殿もお勤めも別に嫌いじゃないよ。…ちょっと人間関係が頭痛いくらいで」

「…そういうのは俺よくわからん」

アキラのつぶやきに宗介は

「俺もわからんな」

というとマリナも

「私もわかんない」

と答えて三人で笑う。デヴィッドが

「俺はそういうの副ギルド長に任せてる。政治的駆け引きに俺が巻き込まれると冒険者ギルドの独立性が失われるからな」

「そういえば」

アキラが尋ねる。

「デヴィッドは総ギルド長だよね。なんでギルド本部はこの国なんだ?」

「いいところに気が付いたな。俺達も一つの国を作りたいって所で冒険者の為の自治区を作る計画はずっとあるんだ。どこかの国に縛られるのもなってのがあって。これはずっとギルドの抱えてる問題、課題でもあるんだ」

とデヴィッドは真面目に答える。

「で、だ。この吸血鬼退治を成功させて、コアのダンジョンの辺りを冒険者ギルドの本拠地にしたいな、と。ただダンジョンの管理はするけどダンジョン運営はこの国で運営費も上がりの殆ども国に治めるしかないだろうなぁ」

「やっぱり早めにダンジョンの色々とか片付けたいな」

アキラはそういいながら赤を起こしてこの国を竜の自治区にするのもいいな、と一瞬夢想したが、自分たち、竜の性格だとそういう自治区ですら煩わしい物だな、とも考える。とりあえずはデヴィッドに協力しようとアキラは思った。その方がコアの為にもなるな、とも考えた。
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