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ダンジョン攻略の章

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 ぴきぃぃぃとボスの声で他の蝙蝠も活性化するもルトガーとランディで8割は既に倒されている。ユリアーナに向かうボス蝙蝠は思ったより大きくてユリアーナの腰は引けている。ランディから指示が飛ぶ。

「まず逃げられないように翼を傷つけろ」

「はいっ」

ユリアーナは指示の通りにボス蝙蝠と格闘し、時間がかかったものの一人でなんとかボス蝙蝠を倒せた。ユリアーナが傷つけられるとルトガーのヒールが飛んできてユリアーナの傷は癒える。ランディはそれを見ながら、高レベルが目の前にいるというのはすごいことだな、とルトガーの事を考える。ルトガーが自然としている事は一般のマジックヒーラーにはなかなかできない事でB級レベルのヒーラーの4割がこの『飛ばす』事ができない。ヒーラーとして雇われているものの中には完全後方型の戦線離脱したものの傷を癒すタイプが多い。ルトガーのように戦闘しながらのヒールは上級者のすることであったが、このクランの魔術師オールにしても錬金術師ヨアヒムにしても総ギルド長にしても当たり前に戦闘中にヒールを傷を負った人間に飛ばしている。アキラのようにおおざっぱに範囲ヒールをばらまくという強硬手段に出るやつもいる。そんな環境にいるのでルトガーにしてもヒールは対象者に飛ばすもの、と最初から思っているのだ。

 「さてと、2階層目におりるかね」

ランディとルトガーは実はボス部屋を回避して階段で降りられる事は知っていたのだが、ボス部屋の敵の強さも見ておきたかったのでユリアーナの訓練も兼ねてのボス部屋、次の階層へと通常の手順を踏んだのだ。

「…ここは初心者~初級者のお金稼ぎエリアだそうだ」

へたくそなアキラの地図を見ながらランディが読み上げる。

「…うーんと、小型のワイルドボアとワイルドヘンがいる」

「ここダンジョンだからダンジョンボアとダンジョンヘンになるのかな」

ランディの言葉にルトガーがつっこむ。

「かねぇ…?」

ランディもちょっと考えている。

「ま、ここは何体かやってからボス部屋やって、依頼は終了だな」

ユリアーナが質問をする。

「気になってるんだけど…あの階段はなに?」

「このダンジョン、5階層、中級者向けの階層までそのまま降りられるようになっているらしい。中級者以上がダンジョンを荒らさないようにって」

「じゃなんで…」

ユリアーナにルトガーが言う。

「ボス部屋からの移動っていう最初のステップは経験しておいた方がいいからね。普通のダンジョンだとそれが当たり前の手段だから」

「わかった」

ユリアーナは納得したようだった。

 ダンジョンボアとダンジョンヘンを何体か倒す。ドロップ品は肉で、それを拾い上げるとルトガーは用意していた袋に入れてマジックバッグに入れる。

「ユリアーナとしてはどうだい?」

「鳥はいけるけどボアは一人じゃ辛いかな。あと卵ちょこちょこ落ちてるけど、拾っていく?」

「そうだな。少し持って帰ろう」

端にある休憩スペースのようなサイズの部屋へ3人は入った。ボス部屋まですぐの位置だった。

「ここのボス部屋クリアしたら戻って夕飯かな」

「時間的にはちょっと遅くなるけどな。晩酌組もいるし大丈夫だろ」

2階層目のボス部屋はボアがいた。普通のサイズのボアですぐにこちらの突進してきた。

「ユリアーナじゃちょっと無理かな?」

「サイズ的に無理だね」

「じゃさっくり片付けますか」

ランディが戦斧一閃でボアを倒してしまった。ボスのドロップは魔石と大量のボアの肉であった。


 「ただいま」

「おかえり」

門から帰った三人を皆迎えてくれた。

「ユリアーナ、初ダンジョンはどうだった?」

アキラにそう聞かれ、ユリアーナはいい笑顔で答えた。

「楽しかった」
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