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ダンジョン攻略の章

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 上級ポーションが注がれるとそのたびに光が大きくなる。

「あ」

固唾をのんで見守っていた妖精王が声をだした時、ダンジョンコアのもやのボールが生まれたての妖精、闇の妖精の姿に変わった。オールもその声で目覚めた。

「おびえなくていい、僕だよ」

ダンジョンコアに妖精王は語りかける。

「マ、リナ」

闇の妖精、ダンジョンコアはそういうとマリナの胸にぴったりと張り付く。

「マリナ、ぁりがとぉ」

おぼつかない声をダンジョンコアが出す。

「成功したのかな?」

「吸血鬼の影響は抜いたけど…正直どこまで抜けてるかはわからん」

マリナの声が疲労をにじませる。

「ちなみにこのダンジョンに入ってから今までで三日、かかってる。知ってた?」

妖精王がおどけながら教えてくれる。

 デヴィッドが暫く考えていた事を口にした。

「なぁ、この部屋に吸血鬼だけ動けなくできる罠とか陣をはれる?」

オールとマリナが同時に

「できる」

と答えた。




 マリナが描く陣をオールは真剣に見つめている。マリナが描きあげた陣にオールがなにか付け加えている。そして陣の上に無造作に魔力無効の蔦で作った縄と落とした。

「陣の発動とともに対象を捕縛するようにした」

とオール。

「今、コアへの影響力が消えてたら確認にくるだろう?きっとこの部屋に直行すると思う」

デヴィッドが言う。妖精王が

「ならば29階でそいつらが来るまで休むのはどうかな。比較的安全だと思うし。われらが
警戒してるから本気で休んでもらって構わない」




 「一応、警報アラートの魔法もかけておくよ。」

29階のこの塔の裏にあたる所でオールが言う。今いるもの以外が入ってきたら反応する、という条件付けをして魔法を発動させた。この魔法は一度発動させると発動者が魔法を解くか侵入者があるか、でないと終わらない魔法らしい。
アキラは大きなシートをひとつと簡易ベッドを三つ出した。あとは適当にかけるものを出す。そして適当にご飯をアイテムボックスから出して

「食べる?」

と妖精王に尋ねる。

「いいのかい?」

「いいぞ。人の嗜むものに興味がるだろう?」

「ああ。この形態をとれたということは擬態ができるようになるっていうことで。今までコアがやっていた各階層のチェックも暫く私がすることになるだろうし」

闇の精霊=ダンジョンコアはアキラの従魔になったソウときゃっきゃと遊んでいる。このあたりに咲いているピンクの花の蜜を吸ったり他の精霊たちと遊んだりしている。

 皆が食事をとって、横になる。どのくらい眠ったのか何かが弾ける感覚と塔に突っ込んでいく赤い髪の女が見えた。しばらくして妖精王が

「そろそろかな」

と呟くと名伏し難い呪詛にまみれた音波が塔から漏れてきた。妖精王が慌てて塔の周りを保護膜で覆った。

「この子達にこんなけがれたものを聞かせたくなくてね」

と妖精王は言った。
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