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ダンジョン攻略の章

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 「あ、あの吸血鬼にモンスター津波の事聞けばよかった!」

アキラが思い出したように言う。

「どこまで人為的なものかはわかんないけど…」

「ここで起きる兆候があって利用したのかもしれんしな」

と少年姿のデヴィッドは胡坐をかいている。

「とりあえずはダンジョンコアの調査かな。あれがどうなってるか。…多分聖女の浄化の力は借りると思う、マリナ」

「あいよ。まかせて」

アキラとデヴィッドの速度についていくためオールはアキラ達の少し上をマリナを抱えて飛んでいる。マリナは時々オールに魔力を分け与えているようだった。アキラとデヴィッドは無言で進んでいる。何時間たったのか、マリナがオールの腕の中で眠ってしまった後も男達はもくもくと先に進んでいる。

「なぁ、アキラ。このまま戻ったら元の場所に着くと思うか?」

「思わないな」

アキラとデヴィッドは目を合わせてにやり、と笑う。

「そもそもここはあの場所から遠いのか近いのか」

「少し止まろうか」

デヴィッドとアキラは上に合図をだしその場に止まる。

「さて、塔はずっと同じ大きさに見えるわけだが。俺達は進んでいると思うか?」

アキラの問にオールも肩をすくめる。

「ちょっと休憩しようか」

アキラはまたシートを出した。

「じゃ、俺は少し食って寝る」

「俺もだ」

アキラとデヴィッドがいう。

「はいはい。後で交代してくれるよね?」

オールの言葉に二人とも頷いた。二人が横になり目をつぶる。低い柔らかい声でマリナが歌いはじめるとマリナの周りに『なりたて』の精霊が集まってくる。聖女の歌で眠りについた二人は起きた時にはかなり回復していた。

「マリナとオールが寝てくれ、ここの抜け方がわかったから」

目が覚めたアキラがいう。

「どういうことだ」

「さっきマリナが歌った時に集まった中に『なりたて』の竜種の子がいたんだよ。で、俺とつながった。俺達5竜はいわゆる、『竜を統べるもの』だからな」

アキラの肩あたりにふわっふわと小さな光がまとわりついている。

「マリナとオールが休んだら案内してくれるってさ」



 「歩いていけるって」

アキラの肩のふわふわとアキラは先頭にたつ。

「マリナの側にいるとここの天敵はよってこないって。大きな黒い霧が時々このなりたて達を食べてしまうらしい。なりたてから大きくなった奴らは塔に向かってるって。塔の中はこの子は知らないらしいけど気を付けないと。罠とか言ってたちいさいのもたくさんいたよな、あのあたり」

オールが頷く。

「この階は力ずくでは無理だろうな。なりたてと話せる妖精眼持ちがいないと」

デヴィッドが言う。

「俺は見えるけど相手が人間の言葉を知らないと話せないからな」

塔まで歩いてる間、マリナは寄ってくる『なりたて』達のために小さな声で唄を続けていた。



 そんなこんなで1時間ほど歩くと今度は上がどこまであるかわからない塔に着いた。

「目的は塔の上かね?」

デヴィッドが答えをわかりながら尋ねる。

「気配は下、だな。ただ塔を上る事が本当に上っているのかはわからんな」

「ここまで位置把握が出来ない場所は始めてただな。エルフの王都の前の仕掛けよりひどい。王都の前のあの迷う仕掛けは竜の目でみたら大丈夫だったけどここではそれすらかなわんな」

オールとアキラは頷きあってる。


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