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ダンジョン攻略の章

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 「みんな行っちゃったね」

アイリスがグリーナーに声をかける。

「かなりマジ案件ぽい。そうじゃなきゃデヴィッドあんなに怒らないからな」

「デヴィッドに怒られるのは怖い?」

アイリスの声はやさしかった。

「少しね。いつも加減間違えちゃって傷つけるし、怒らせるし」

グリーナーは溜息をつく。

「自分が悪いし考えなしだし子供なのもわかってるんだけど、ね。調子にのっちゃって」

「わかってるならそれでいいんじゃない?気を付けてたら変わる事もあるしね」

アイリスはグリーナーの頭をちょっと撫でた。

「でもブラッドにあたっちゃだめよ?」

「…はい」

グリーナーは素直に頷いた。




 「さて、と。聖女様の足にあわせるか、俺達の誰かが抱いていくか」

「身長的に俺が抱えるしかないよね」

アキラの言葉にオールが答える。デヴィッドもアキラもまだ少年の身長で女性にしては背
の高いマリナを抱くには小さく見える。

「俺もデヴィッドも力的にはいけるんだけど」

「抱かれる方の安定がね」

「俺らは直進するからオールは上からついてきて。空の魔物があんまり多いなら下に来てもらうけど」

「上の魔物は大丈夫じゃないかな。私の周りは結界が常時あるから。魔物もよってこない」

「伊達に聖女、って言われてるわけじゃないんだね」

アキラが無邪気に言う。

「ただのおばちゃんにしかみえないのにね」

と本人がいい笑っている。

「聖女台無しじゃん」

アキラも笑う。

「気持ち的にはまだ冒険者なんだけどね。今回は久しぶりに吸血鬼狩りのマリナに戻るよ」



 「いやぁ、すごいねあの二人」

「…森に道ができてる」

「丁度いいんじゃないか?あのダンジョン復活したらこの道使って拠点と行ったり来たりできるだろ?」

「復活するのかな」

「させるよ。ダンジョンコアが死んでる気配はないし吸血鬼ども以外にやばいのいなければ」

「それ、問題だよねぇ…」

「あの瘴気をまとったやつがどこにいるのか…。あのダンジョンの最深部ならどうするかな」

「…あの二人、床ぶち抜いて吸血鬼のボスがいる所まで降りるらしい。で俺が探索係」

「ボスの気配の追跡は私に任せて。吸血鬼狩りの名前は伊達じゃない。あいつとは因縁もあるしね。だからオールも床破壊に混じっていいよ」

「…あの二人譲ってくれるかな」

「それはちょっと私じゃなんとも」

アキラは愛用していた大剣を振り回しデヴィッドは己が気と拳で、ガンガンと森の木を切り倒しそこにいた魔物を巻き込んで進んでいった。

「ここがそうだ」

一国を滅ぼすモンスター津波を引き起こしたダンジョンへ一行は着いた。






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