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ダンジョン攻略の章

閑話 昼食の話

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 「うまいもんかぁ」

宗介が考え込んでいる。

「パンの生地はできてますよ?」

ニーアが声をかける。

「なんかたべたいもんある?」

考え込んでるアキラに宗介は尋ねる。

「あーソーセージのパン」

「お、それええな」

広いテーブルの上にエドモンドが買ってきていたソーセージを出す。宗介がソーセージの周りにパンを巻きつけてるとアキラが

「えーと、パンの上に乗せないの?」

といいだし、宗介はアキラに

「好きに作ってみ」

とパン生地とソーセージを渡す。

「えーと」

そう言いながら楕円形のパン生地にマヨネーズをのせ、ソーセージを乗せる。

「この上にケチャップが付く」

「この形やと焼けてから、ケチャップとマスタード乗せよう」

ブラッドか提案する。

「アキラ、パン生地に捏ねるの手伝ってあげて」

ニーアが追加のパン生地を仕込んでいるので、宗介はアキラに声をかける。アキラが手伝いに行くとルトガーもそちらに行った。

 エドガーとヨアヒムはジャムを煮ていた。魔道コンロの使い方を教えるのに丁度良いからだ。エドガーは魔力ないしーと魔道コンロの使用を渋っていたがヨアヒムに

「俺は魔力はほぼゼロだ」

の言葉に驚きヨアヒムの言うことを聞いている。

「魔道コンロは魔力で火がつくがそこに流れる魔力の多寡は関係ない。魔力がある、存在している。それだけが必要だ」

「俺、アイテムボックスあるけど魔力ゼロよ?魔道コンロ使えねぇのよ」

宗介が言う。

「ここの生まれだと本気のゼロ魔力は生まれないって聞いたことあるぞ」

とも。エドガーはこくり、と頷き魔力を魔石に込める。ぽっとコンロに火がつきエドガーは嬉しそうだ。

「まずはこの砂糖をまぶした果物がじわっと汁気が出てるだろ」

ヨアヒムは説明する。

「これは浸透圧というらしい」

「せやで。肉とか魚に塩振って臭みとるのとおんなじ理屈やな」

 宗介がつぶやく。ヨアヒム達には聞こえていない。が、アキラは聞いていた。

「浸透圧、理科の授業でやったなぁ」

アキラは捏ねたパン生地を一次発酵させにきたのだ。

「昼飯前にサバも焼いとこか。普通のパンも焼くからサバサンドつくれるやろ?」

宗介がアキラにそう話しかけた時にはブラッドが外のBBQコンロに炭を入れ始めた。
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