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ダンジョン攻略の章

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 数日後、ニーアの父と名乗るエルフの男性がやってきた。娘に会いに来た、と。そしてひ孫もここにいるのだろう、と。さわやかに見えるのに薄ら寒い空気をまとっている。ここでエヴァがぼそっと小さな声でニーアに

「大丈夫?」

「…え、ええ。…父と同じ顔なんですけど…父じゃない感じがして」

アキラはデヴィッドとオール、グリーナーはここに来るのかなと考えていた。ブラッドが

「お前、ヒースじゃないな、ヒースの従兄とかいうやつだろう」

と言った。と同時に網が落ちてきてその男を包み込んだ。

「お。俺はひー、ヒースだ」

「ちがうな。お前パールの方だな」

デヴィッドが細い目になっている。

「ニーアの母親の名前を言ってみろ」

「う、…エリカ、エリカだっ」

「違う」

「マヌエラ」

ブラッドは首を横に振る。

「ナターリエ」

「マリー」

ブラッドは首を横に振りっぱなしだった。

 「苦労して編んだかいがあった」

オールが笑いながら出てきた。

「それ魔力を奪う蔦でできてるからな」

ルトガーは何かを察知していたらしくこの数日その入口を通るのを嫌がって外で野営をしていたのだが理由が分かった気がするとエドガーは思っていた。この数日ユリアーナとブランカはオールに何か言い含められてこの家のデヴィッドとグリーナーの横の部屋に食事時以外は閉じこもっていた。



 「さて、人妻が妊娠してるんだが知っているか?」

「…ヒースが遊んだ女だろ?ちょっと年増の。ヒースがちょっと遊んだ後顔をだすと大抵間違ってくれるから俺は女を口説いたりしたことはない。あの年増も自分から俺にまたがってきたんだよ」

品のない口調でパールは嘯く。

「じゃ、彼女の娘に手をだしたのは?」

「若い方がいいじゃないか。出す前に逃げられたけどな」

問答無用でエドガーの拳が飛んだ。

「手を出してないのに殴られるなんて」

その男がわめきかけたらルトガーがヒールを飛ばす。

「エドガー、殴るな」

「お兄ちゃんは優しいねぇ」

パールが嫌な口調でからかうとルトガーが続ける。

「あんなの触ったら手が腐る。…それ以上軽口叩くなら血液を全部凍らせてやろうか?」

ルトガーが睨みつける。

 ブラッドが考え込んでいたが、口を開いた。

「こいつか、エルフのお尋ね者。パブリックエネミーNo.3とかいうやつ」

デヴィッドが頷く。

「吸精鬼とエルフの闇の司祭の子供とかいうやつ」

「そうだ。異性の精力で命を維持してるやつだ。魔力の高い異性を狙う事が多いので聖女候補者が何人犠牲になったか。ヒト社会でも手配されている、そんな男だ。ヒースは今どこへいる?」

「さぁ、な」

パールがにたりと笑う。

「あんまり手荒な事すると忘れるかもな」

「薬使うよ?」

オールが平然と言う。

「君はこれからエルフの領域に戻る事になるからどちらにしても一緒だけどね。ヒースの事は神殿に任せる」

縛ったままのパールを持ち上げデヴィッドが庭に出る。庭の一角がエルフの国の入口につながる『門』になっていた。

「ちょっと送りつけてくる。もうグリーナーが向こうへ行って手配を終わらせてるからな。宗介、昼には帰るからなんかつくっといて、旨いの」

そう言ってデヴィッドは門に消えた。皆が見てる前で門はその空間から無くなっていた。
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