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アキラの章

27 ※ほんのり大人の話もあるような気がします

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 「あの調子なんで…ロジェと引き離したいんだ」

侯爵は事情を話し始める。侯爵とアグネスの母親は『契約』婚だった、と、跡継ぎの欲しかったアグネスの母親とその父親は何か昔の話で侯爵の父親との話で侯爵がまだ家を継いでいないただの「長男」の時期に、現侯爵とアグネスの母の事を決めた事。それを受けることで嫡子と決定すると言われ受けた事。普通にかわいらしい女性だったのでそのまま婚姻関係でいてもいいか、と思った事。双子の長女と長男を妊娠してそれから5年後にアグネスが出来た事。アグネスが生まれた日にアグネスの母親から契約を終了して、愛する人を見つけてください、と引導をわたされてそのまま契約解消となったこと。

 「ありていに言えばふられたんだね。彼女は今、子供の頃からの恋人と一緒に旅してるよ。この恋人と彼女は子供を作れない相手同士でね。その恋人との『結婚』の条件が他の男と子供を作る事、だったんだ。3人とも、この侯爵家とは完全に縁がない状態にしてある。のだが…」

 長男が後を継いだ時にアグネスは叩きだされた、らしい。12歳の頃だった。新婚の侯爵の家に飛び込んできて結果居候としてこの家に居着いた、と。侯爵の妻は自分と年齢の近い少女を放置できなくて渋る侯爵を説き伏せてまで家に置くことにした、と。

 その後の問い合わせでわかったのは、アグネスが叩きだされたのは部屋にロジェを引き入れて全裸で真っ最中を見つかって叩きだされた事、そしてこっちに来ても、…庭の四阿で毎晩逢瀬を繰り返していた事、あげくの妊娠だった。

 「子供を産むことになった時に色々わかったのがロジェは30歳、私に近い年齢の男だってこととか、11~12の子供に手を出して最長18で女を捨てる事や常にそういう相手が複数いて…親が甘やかしてそれをフォローしていたり、祖父母がかなり金をだしてたり。アグネスもその中の一人、って事だ。で、私に睨まれてロジェの父親はロジェを跡取りから外し、次男、こいつは至極全うで固い男でね、を跡取りにしたらしい。今はロジェは祖父母の家に蟄居しててな。正直領都ここから離れた場所なのでもっと引き離したい。ロジェ自身はアグネスを性交相手とは認識してるが、婚約者とは思ってないし結婚も考えていない」

オールは暫く考えていたが侯爵に尋ねる。

「冒険者にするつもりで我々に任せたかった?」

「…あれだけセックスのことしか考えられない状態になってる子供に最適なのはどこだろうと思って。娼婦になるのもここら辺りだと…結局ロジェの近所でなってに稼ぎを貢ぐ事になりそうで」

「娘さんが娼婦になる事に抵抗はない、と?」

「正直、私の娘だとおもわれないなら何をしようと構わないと思っててね」

「でも自分の手は汚したくない、と」

侯爵は溜息をついて苦笑いをする。

「私に屈辱を味合わせた女の娘、だと思うとね。ただこちらの家名に傷がつくと今年生まれた長男の傷にもなるからな」

 アキラがぼそっという。

「アマゾネスに預ければ?あの頭目に侯爵おっさんから話せばいい。そしたらあいつらが対処してくれるだろう。…見返りに俺らの踏破が終わったダンジョンを1番に捜索してもらおう」

「乗るかね」

オールの呟きにアキラは

「あの女ならのる。あいつは冒険者だからな」

「気に入ってるのか、アキラ」

「すごい使い手だからな」

アキラは本気で答えた。

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