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アキラの章
13
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「明日は一日米炊いたりパン焼いたりするか」
アキラが言うとマルクが
「居酒屋のおっさんにもカラアゲとか頼んでおくよ」
と言い、ニーアが
「私は玉ねぎのピクルスとか作っておきますね」
と楽し気である。
「ふむ、俺はあのBBQコンロで串焼きを焼いておこうか」
とブラッドも言った。
マルクの影響でか、仕事の前にはしっかりマジックバッグに食料と水を持っていくことを忘れないように皆なっていた。マルクは
『冒険するったって、ちゃんとしたもの食って寝た方が回復も早いし効率もいい』
が持論だったのだ。ヨアヒムもそれに賛同していた。
ヨアヒムが溜息とともに帰ったきた。
「ギルドから変な依頼があったぞ。通常の毒薬をどれだけ突っ込んだら大型種に影響あるか、まったく影響ないかを調べてほしいのと…それ、お偉いさんの論文の実証に使うからそのお偉いさんも一緒に行く、と。お偉い三の護衛にはA級のパーティが着くらしい」
「げぇ」
アキラが心底嫌な顔になった。
「つまり、ヨアヒムは戦力にならない、と」
アキラは上を向いた。ヨアヒムは頭を抱えていた。
「何を悩んでる?」
「毒薬の効果を数量計りながら調べるの、問題があると思って」
ブラッドが口を挟む。
「ルトガーの魔法杖で氷魔法で足を凍らせて地面に止めて、エドガーに毒矢で射ってもらえばいい。毒矢は俺が作る。100本で大瓶1つになるようにすればいいな?」
ブラッドは矢の仕組みを説明する。矢が射られて目標に着き去ると中で鏃の鏃身部がはじけてそのなかに仕込んであった毒が体内に流れるように作るらしい。
「時間もないから早速作る。毒薬をくれ。何本分くらいつくればいい?」
「大瓶5本もっているが…」
「そのくらいなら3つ時もくれればつくるぞ」
アキラは何も言わず己がアイテムボックスから毒薬の大瓶を5本出して渡す。
「余ったら、他につかえばいいしな」
アキラの言葉にエドガーも頷いた。
皆それぞれ忙しく立ち働き出立当日の朝には用意はちゃんと出来上がっていた。オールは庭にゲートを開けるように魔道具を設置したらしい。グリーナーは
「ブラッド、こいつを甘やかしてもいいことないぞ」
とぶちぶち言っている。今日もグリーナーは女性の姿だ。
「女のままでいくのか?変な冒険者が一緒なら危ないぞ?」
グリーナーはブラッドに向かってにたっと笑う。
「いいねぇ。久しぶりにからかうとするか」
「…悪趣味」
オールの小さな声はしっかりグリーナーに届いている。
「ま、お前を弟子に取る程度にはな」
そういいながらグリーナーは両手を拳に握り中指の第二関節をオールのこめかみにあてる。そのまま力をいれるとオールが声を上げる。
「痛い、痛いですよ、お師匠」
「愛の鞭だ」
「それ拳」
「あ?本当に鞭が欲しいのか?変態」
エドガーがぽかんとした顔で聞く。
「なんで鞭で打たれたいの?それおかしくない?」
グリーナーが愛らしい少女の顔で言う。
「そう、そういうやつは変態って言っていいんだぞ、エドガー」
アキラが言うとマルクが
「居酒屋のおっさんにもカラアゲとか頼んでおくよ」
と言い、ニーアが
「私は玉ねぎのピクルスとか作っておきますね」
と楽し気である。
「ふむ、俺はあのBBQコンロで串焼きを焼いておこうか」
とブラッドも言った。
マルクの影響でか、仕事の前にはしっかりマジックバッグに食料と水を持っていくことを忘れないように皆なっていた。マルクは
『冒険するったって、ちゃんとしたもの食って寝た方が回復も早いし効率もいい』
が持論だったのだ。ヨアヒムもそれに賛同していた。
ヨアヒムが溜息とともに帰ったきた。
「ギルドから変な依頼があったぞ。通常の毒薬をどれだけ突っ込んだら大型種に影響あるか、まったく影響ないかを調べてほしいのと…それ、お偉いさんの論文の実証に使うからそのお偉いさんも一緒に行く、と。お偉い三の護衛にはA級のパーティが着くらしい」
「げぇ」
アキラが心底嫌な顔になった。
「つまり、ヨアヒムは戦力にならない、と」
アキラは上を向いた。ヨアヒムは頭を抱えていた。
「何を悩んでる?」
「毒薬の効果を数量計りながら調べるの、問題があると思って」
ブラッドが口を挟む。
「ルトガーの魔法杖で氷魔法で足を凍らせて地面に止めて、エドガーに毒矢で射ってもらえばいい。毒矢は俺が作る。100本で大瓶1つになるようにすればいいな?」
ブラッドは矢の仕組みを説明する。矢が射られて目標に着き去ると中で鏃の鏃身部がはじけてそのなかに仕込んであった毒が体内に流れるように作るらしい。
「時間もないから早速作る。毒薬をくれ。何本分くらいつくればいい?」
「大瓶5本もっているが…」
「そのくらいなら3つ時もくれればつくるぞ」
アキラは何も言わず己がアイテムボックスから毒薬の大瓶を5本出して渡す。
「余ったら、他につかえばいいしな」
アキラの言葉にエドガーも頷いた。
皆それぞれ忙しく立ち働き出立当日の朝には用意はちゃんと出来上がっていた。オールは庭にゲートを開けるように魔道具を設置したらしい。グリーナーは
「ブラッド、こいつを甘やかしてもいいことないぞ」
とぶちぶち言っている。今日もグリーナーは女性の姿だ。
「女のままでいくのか?変な冒険者が一緒なら危ないぞ?」
グリーナーはブラッドに向かってにたっと笑う。
「いいねぇ。久しぶりにからかうとするか」
「…悪趣味」
オールの小さな声はしっかりグリーナーに届いている。
「ま、お前を弟子に取る程度にはな」
そういいながらグリーナーは両手を拳に握り中指の第二関節をオールのこめかみにあてる。そのまま力をいれるとオールが声を上げる。
「痛い、痛いですよ、お師匠」
「愛の鞭だ」
「それ拳」
「あ?本当に鞭が欲しいのか?変態」
エドガーがぽかんとした顔で聞く。
「なんで鞭で打たれたいの?それおかしくない?」
グリーナーが愛らしい少女の顔で言う。
「そう、そういうやつは変態って言っていいんだぞ、エドガー」
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