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ルトガーの章
22 ガールズトーク
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「そうそう、私ならアキラがいいなぁ」
「私はルトガー。兄だけどさ」
ブランカが笑いながら言う。
「キャー、ブラコン」
幌馬車の中で女子3人は笑う。女子達は偶然同じ年でそのうち1人はブランカとルトガーと同じ学年の子で学校での顔見知りだった。その子はクララと言い、1/16のハイエルフの血を持っていた。この王都巡礼は1/32のハイエルフの血族までが義務付けられている。
ブランカともう一人、ミューと名乗った子は1/8エルフであった。夜な夜な、3人はガールズトークを繰り返していた。ミューは南方の国の子でこの巡礼団の中にいる親戚に呼ばれて巡礼団に加わったのだとか。少しなまりはきついけど、こちらの言葉も過不足なく話せている。聴けば9才から12才までその親戚の家で暮らしていたのだとか。
「だからその親戚の子の婚約者扱いになってるんだ」
「あの遅れてきた半竜人と一緒にいた子?」
「そう。あの子は半分がハイエルフであとは人ととエルフ。かなりややこしい血の混じりよね。竜人の子とは小学校時代からの友達みたい。私がいた頃は竜人の子、もっと細くて背は高かったけど、女の子みたいな顔してたのに」
ミューは既に男性を知っているらしく、ほかの二人と違う事、ようは下半身関係の事をするり、と話に混ぜてくる。クララもブランカもこの国の価値観で育っているのでそのあからさまさに話が止まってしまう。そうするとミューは多少の優越感を含ませた声で
「おこちゃまだねぇ。このくらいたいしたことないのに」
と笑う。今日はそんなミューの興がのってしまって、下ネタを連発されている。
「いい、男のあれって」
そこまで話した時に外から馬車が蹴られた。
「ミュー、全部外に漏れてる。全員聞いてるぞ?」
ランディが大声で言う。
「聞いてんじゃないわよ」
ミューが応戦するとアキラの声が聞こえる。
「聞かせるな。外に漏れるくらい大声で興奮して話すな。男性側は気を使って夜の酒盛りも控えてる。お前だけだ、他人と一緒にいるのにうるさいのは。ダヴィドの親戚だからって容赦しねーぞ。なんならお前、外で寝るか?女性と一緒にしとくと変な話しかしねーしな」
「ただのカールズトークじゃん」
ミューが憮然と言う。アキラはきっぱりと
「降りてこい。お前うるさい」
「なによ、女性を手荒に扱う気?」
「降りてこい」
アキラの声には抗いがたいものがあった。ミューはぶつぶつ言いながら多少扇情的な寝間着のまま降りてきた。ノースリーブの木綿のベビードールに太ももを全部だす長さのフレアパンツでその生足を見て生唾を飲み込むものもいた。
「お前は今日から一人で寝ろ」
アキラは他の荷物が詰まった馬車を指さした。
「この馬車内の荷物に手を付けたらその場所で巡礼団から出す。そうなったら一人でどうにかしろ。それとちょっとした魔法をかけておく」
「客をとってもいいなら外であんたたちと寝てあげてもいいわよ?」
ミューの小声にアキラは軽蔑のまなざしで答える。
「なんなら今から巡礼団からでるか?ダヴィドも連帯責任かな」
ダヴィドが抗議の声をあげる。
「こいつと連帯責任?やめてくれよ。巡礼の金を出すことでやっとうちとは縁が切れるのに。おい、ミュー、これ以上迷惑をかけるなら俺も考えがある。お前はどうするべきかわかってるな?」
ミューは悔しそうな顔でそのまま、指示された狭い幌馬車に乗り込んだ。
「私はルトガー。兄だけどさ」
ブランカが笑いながら言う。
「キャー、ブラコン」
幌馬車の中で女子3人は笑う。女子達は偶然同じ年でそのうち1人はブランカとルトガーと同じ学年の子で学校での顔見知りだった。その子はクララと言い、1/16のハイエルフの血を持っていた。この王都巡礼は1/32のハイエルフの血族までが義務付けられている。
ブランカともう一人、ミューと名乗った子は1/8エルフであった。夜な夜な、3人はガールズトークを繰り返していた。ミューは南方の国の子でこの巡礼団の中にいる親戚に呼ばれて巡礼団に加わったのだとか。少しなまりはきついけど、こちらの言葉も過不足なく話せている。聴けば9才から12才までその親戚の家で暮らしていたのだとか。
「だからその親戚の子の婚約者扱いになってるんだ」
「あの遅れてきた半竜人と一緒にいた子?」
「そう。あの子は半分がハイエルフであとは人ととエルフ。かなりややこしい血の混じりよね。竜人の子とは小学校時代からの友達みたい。私がいた頃は竜人の子、もっと細くて背は高かったけど、女の子みたいな顔してたのに」
ミューは既に男性を知っているらしく、ほかの二人と違う事、ようは下半身関係の事をするり、と話に混ぜてくる。クララもブランカもこの国の価値観で育っているのでそのあからさまさに話が止まってしまう。そうするとミューは多少の優越感を含ませた声で
「おこちゃまだねぇ。このくらいたいしたことないのに」
と笑う。今日はそんなミューの興がのってしまって、下ネタを連発されている。
「いい、男のあれって」
そこまで話した時に外から馬車が蹴られた。
「ミュー、全部外に漏れてる。全員聞いてるぞ?」
ランディが大声で言う。
「聞いてんじゃないわよ」
ミューが応戦するとアキラの声が聞こえる。
「聞かせるな。外に漏れるくらい大声で興奮して話すな。男性側は気を使って夜の酒盛りも控えてる。お前だけだ、他人と一緒にいるのにうるさいのは。ダヴィドの親戚だからって容赦しねーぞ。なんならお前、外で寝るか?女性と一緒にしとくと変な話しかしねーしな」
「ただのカールズトークじゃん」
ミューが憮然と言う。アキラはきっぱりと
「降りてこい。お前うるさい」
「なによ、女性を手荒に扱う気?」
「降りてこい」
アキラの声には抗いがたいものがあった。ミューはぶつぶつ言いながら多少扇情的な寝間着のまま降りてきた。ノースリーブの木綿のベビードールに太ももを全部だす長さのフレアパンツでその生足を見て生唾を飲み込むものもいた。
「お前は今日から一人で寝ろ」
アキラは他の荷物が詰まった馬車を指さした。
「この馬車内の荷物に手を付けたらその場所で巡礼団から出す。そうなったら一人でどうにかしろ。それとちょっとした魔法をかけておく」
「客をとってもいいなら外であんたたちと寝てあげてもいいわよ?」
ミューの小声にアキラは軽蔑のまなざしで答える。
「なんなら今から巡礼団からでるか?ダヴィドも連帯責任かな」
ダヴィドが抗議の声をあげる。
「こいつと連帯責任?やめてくれよ。巡礼の金を出すことでやっとうちとは縁が切れるのに。おい、ミュー、これ以上迷惑をかけるなら俺も考えがある。お前はどうするべきかわかってるな?」
ミューは悔しそうな顔でそのまま、指示された狭い幌馬車に乗り込んだ。
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