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ルトガーの章
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ある日、エドガーがかなり悩んでいるのを見た。
「どうしたんだ?」
「兄ちゃんが行ってた学校かどっかに進学しないかって父さんに持ち掛けられて」
「へぇ、学歴はあった方がいいけどな」
とアキラが意外なことを言い出した。
「アキラは?」
「ん?俺のかつていた所で俺は高校は卒業してるぞ。高校の部活では調理クラブに入ってて、カレーの作り方もそこで覚えた。不思議なことに調理部は男子ばっかだったな。女子は家庭科部ってところにいてそっちでお菓子作ったり手芸したりしてた。こっちと違って女性に手芸が必須な世界じゃなかったからのんびりしたもんだよ」
「へぇ。国が違えば価値観も違うな」
ルトガーが感心する。
「エドガーはなにかやりたい事あるのか?」
エドガーは暫く考えてたが答える。
「えっどね、もう少し腕っぷしが欲しい。今、冒険者としては下っ端で。鍛えるなら今のうちに鍛えないといけないし。ここでの鍛錬でもいいんだけど。ブラッドもいるし」
「父さんはそれこそいけるんならアカデミーまで行ってほしいみたいだな」
「それは………、父さんも高卒で働いて色々苦労したって言ってたね」
「どこも学歴社会だな。俺が前いた国もまずは大学って風潮だったな。統計みるとそれでも高卒で働いてる人間も多いんだけどさ。こっちも多少そういう風潮あるんだな」
ルトガーはアキラの以前いたところに少し興味があった。
「前のところっでどんな風だったの?」
「こことは全くちがってたな。車、馬じゃなくて『石油』や『電気』で動く馬車、みたいなのとか、電話っていう遠隔地とも電気と電線を伝って話せる道具とか、そもそも、冒険者って職もないし、ダンジョンもない。魔物もいないんだよ」
アキラの言葉はルトガーの想像を越えていた。
「そうだな、こっちで魔力で操作するような物を『石油』や『電気』で操作してるんだ」
エドガーの目が丸い。
「想像もつかねぇ」
「居酒屋のおっさんが似たような事言ってたな。手軽にみじん切りをする機械とか肉を細切れにする機械とか」
マルクの言葉にアキラの方が目を丸くする番だった。
「だからつれてけって言ってるじゃん」
「今、海辺に魚仕入れに行ってんだよ」
「腐らないの?」
エドガーが尋ねる。マルクは
「居酒屋のおっさん、アイテムボックス持ちだそうな。『いやぁ、これ便利でな。同じ種類の魚が99匹貯められるし、腐らんしな』って言ってた」
小さな声でアキラが
「確定だな」
と言ったのはルトガーにしか聞こえていなかった。
「わーったよ」
アキラがあらっぽく返事をする。
ルトガーは学校の高等部を卒業した。正直に言うとこの学校からアカデミーに上がれる人間はほどんどいない。そういうレベルの学校ではないからだ。『王立学園』か『騎士団付属学校』あたりを出ていないと学力的にはアカデミー入学、というのは難しい。父親は高校を母親が選んだ時に反対しなかったし、そういう学力格差を知らないのだろうな、とルトガーは思った。エドガーは色々決めかねているようだったけど、アキラに
『3年で高校卒業っていう一応のラインは取れるなら行っておくの、悪くないと思うよ。冒険者辞めた後にも出来る事増えるかもだし』
と言われて少しずつは考えが固まってきてるようだった。今日はエドモンドも来ていてエドガーの悩みを聞いているようだった。暫く部屋に籠っていたが二人が出てきたときにエドガーはアキラとルトガーに
「俺、士官学校に行ってくる。入試ないし、腕っぷし磨けるし。学費を払う形の入学だと卒業後の兵役も短縮できるし」
エドモンドから知恵をもらったらしく、エドガーはすっきりした顔になっていた。ルトガーも
「じゃ、俺はエドガーが卒業するまでにC級冒険者になっておくか」
と方向を決めたようだった。
「どうしたんだ?」
「兄ちゃんが行ってた学校かどっかに進学しないかって父さんに持ち掛けられて」
「へぇ、学歴はあった方がいいけどな」
とアキラが意外なことを言い出した。
「アキラは?」
「ん?俺のかつていた所で俺は高校は卒業してるぞ。高校の部活では調理クラブに入ってて、カレーの作り方もそこで覚えた。不思議なことに調理部は男子ばっかだったな。女子は家庭科部ってところにいてそっちでお菓子作ったり手芸したりしてた。こっちと違って女性に手芸が必須な世界じゃなかったからのんびりしたもんだよ」
「へぇ。国が違えば価値観も違うな」
ルトガーが感心する。
「エドガーはなにかやりたい事あるのか?」
エドガーは暫く考えてたが答える。
「えっどね、もう少し腕っぷしが欲しい。今、冒険者としては下っ端で。鍛えるなら今のうちに鍛えないといけないし。ここでの鍛錬でもいいんだけど。ブラッドもいるし」
「父さんはそれこそいけるんならアカデミーまで行ってほしいみたいだな」
「それは………、父さんも高卒で働いて色々苦労したって言ってたね」
「どこも学歴社会だな。俺が前いた国もまずは大学って風潮だったな。統計みるとそれでも高卒で働いてる人間も多いんだけどさ。こっちも多少そういう風潮あるんだな」
ルトガーはアキラの以前いたところに少し興味があった。
「前のところっでどんな風だったの?」
「こことは全くちがってたな。車、馬じゃなくて『石油』や『電気』で動く馬車、みたいなのとか、電話っていう遠隔地とも電気と電線を伝って話せる道具とか、そもそも、冒険者って職もないし、ダンジョンもない。魔物もいないんだよ」
アキラの言葉はルトガーの想像を越えていた。
「そうだな、こっちで魔力で操作するような物を『石油』や『電気』で操作してるんだ」
エドガーの目が丸い。
「想像もつかねぇ」
「居酒屋のおっさんが似たような事言ってたな。手軽にみじん切りをする機械とか肉を細切れにする機械とか」
マルクの言葉にアキラの方が目を丸くする番だった。
「だからつれてけって言ってるじゃん」
「今、海辺に魚仕入れに行ってんだよ」
「腐らないの?」
エドガーが尋ねる。マルクは
「居酒屋のおっさん、アイテムボックス持ちだそうな。『いやぁ、これ便利でな。同じ種類の魚が99匹貯められるし、腐らんしな』って言ってた」
小さな声でアキラが
「確定だな」
と言ったのはルトガーにしか聞こえていなかった。
「わーったよ」
アキラがあらっぽく返事をする。
ルトガーは学校の高等部を卒業した。正直に言うとこの学校からアカデミーに上がれる人間はほどんどいない。そういうレベルの学校ではないからだ。『王立学園』か『騎士団付属学校』あたりを出ていないと学力的にはアカデミー入学、というのは難しい。父親は高校を母親が選んだ時に反対しなかったし、そういう学力格差を知らないのだろうな、とルトガーは思った。エドガーは色々決めかねているようだったけど、アキラに
『3年で高校卒業っていう一応のラインは取れるなら行っておくの、悪くないと思うよ。冒険者辞めた後にも出来る事増えるかもだし』
と言われて少しずつは考えが固まってきてるようだった。今日はエドモンドも来ていてエドガーの悩みを聞いているようだった。暫く部屋に籠っていたが二人が出てきたときにエドガーはアキラとルトガーに
「俺、士官学校に行ってくる。入試ないし、腕っぷし磨けるし。学費を払う形の入学だと卒業後の兵役も短縮できるし」
エドモンドから知恵をもらったらしく、エドガーはすっきりした顔になっていた。ルトガーも
「じゃ、俺はエドガーが卒業するまでにC級冒険者になっておくか」
と方向を決めたようだった。
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