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第五章
兄と妹
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フロランとアルはグランジエの館の庭に株わけされている守護者の樹の所へ行く。今は精霊とアルだけが守護者と会話が交わせる。まだ守護者の樹のサイズが小さいのでこちらに現れる守護者もミニチュアである。フロランがおもむろに訊ねる。
「殿下はマドレーヌをその……妃にお望みですか?」
「……わからんから知りたい」
アルが言うとフロランはちょっと考え込む。
「殿下はマドレーヌ以前に恋愛は?」
「王族であるし、他国に本当に根を下ろす覚悟がなかったからあまり人間関係を深めたくなくてね。その上で異性と関わるのは……正直面倒くさそうで」
アルは苦笑していた。フロランは溜息をつく。
「妹と関わるだけでどれだけ女って面倒だと思ったか。……マドレーヌは妹って感じじゃなくて楽でしたけどね」
アルは複雑な表情になった。その妹、が誰かわかったしフロランの複雑な感情を慮る事はできたからだ。
「うちのレアも弟とかわらんな」
「そうなんですか?」
一度我が家に来たアルの妹姫、レアはわがままで女の子らしい印象であった。
「ああ。要求はストレートでわかりやすい。裏をつくらないようにしているのでこちらが息がしやすい感じだな」
「ああ、それはいい。周りに察して動いてもらいたがる人は面倒ですから」
フロランの口調が冷たくなっている。
「フロラン、感情が出てるぞ」
フロランは苦笑いをする。その笑い方はは父親そっくりでフロランもウジェ殿と似てるところがあるな、とアルは思った。こkで接してるうちに思ったのはクロードは奥方のジョアンに外見も、中身も似ている。外見で言えば下に行くほどジョアンの要素が薄れマドレーヌに至ってはウージェーヌのコピーだ。兄妹と言っても面白いなとアルは思う。
「君たちは4人並ぶ十グラデーションみたいだね」
アルの言葉にフロランは笑う。やはり笑顔がウージェーヌと似ている。
「そうですね。……うちは長兄がしっかりしてるから俺とマドレーヌは自由でいられる。クロードもそろそろ結婚だろうに」
「そうだな。あんまり俺と年齢かわらない、よな?」
「クロードが22、俺が19、マリアンヌが18、マドレーヌがもうすぐ17ですかね」
「マドレーヌはまだ16?」
「誕生日はまだなんですがあいつ、新年を迎えたらその年になる予定の年齢を名のるから」
マドレーヌは年の末の生まれなのでまだ16なのに、17を迎える年に入ったら17と名のるので周りは混乱する事が多い。ロクサーヌはちゃんと把握してるかそれを指摘しない。フロランが理由を聞いたら
『別に。今いくつでもマドレーヌはマドレーヌだし』
と笑うだけであった。ロクサーヌにはマドレーヌの少しでも大人でありたいという気持ちが判らなくはなかったからだ。ロクサーヌも晩秋の生まれで同じ事をしているというのもある。ネイサンは初夏の生まれで『僕の方が年上だから言う事を聞け』と子供の頃にアレンと3人で遊んだ時に言われた事も影響していた。
アレンとロクサーヌはずっと仲が良かったのだが、アルノー伯夫人が思っていたような心の交流はなかった。アランにとってロクサーヌは美人で気さくで会話をするのも楽しかったが恋心はちらりとも動かなかった。また、ロクサーヌも一応自分がネイサンの婚約者であるという意識はあったし、アレンをネイサンの側近候補と考えていたからだ。ロクサーヌから見たらアランは側近や政治向きの頭をもった人間ではないと思っていたのでネイサンに着けるならアランの方で、側近に子供のどちらかをとアルノー伯が考えているのだろうと思っていたのだ。そんな中で自分の色々な仕事を任せる側近をつくるならマドレーヌが一番いいとロクサーヌは考えていた。
「殿下はマドレーヌをその……妃にお望みですか?」
「……わからんから知りたい」
アルが言うとフロランはちょっと考え込む。
「殿下はマドレーヌ以前に恋愛は?」
「王族であるし、他国に本当に根を下ろす覚悟がなかったからあまり人間関係を深めたくなくてね。その上で異性と関わるのは……正直面倒くさそうで」
アルは苦笑していた。フロランは溜息をつく。
「妹と関わるだけでどれだけ女って面倒だと思ったか。……マドレーヌは妹って感じじゃなくて楽でしたけどね」
アルは複雑な表情になった。その妹、が誰かわかったしフロランの複雑な感情を慮る事はできたからだ。
「うちのレアも弟とかわらんな」
「そうなんですか?」
一度我が家に来たアルの妹姫、レアはわがままで女の子らしい印象であった。
「ああ。要求はストレートでわかりやすい。裏をつくらないようにしているのでこちらが息がしやすい感じだな」
「ああ、それはいい。周りに察して動いてもらいたがる人は面倒ですから」
フロランの口調が冷たくなっている。
「フロラン、感情が出てるぞ」
フロランは苦笑いをする。その笑い方はは父親そっくりでフロランもウジェ殿と似てるところがあるな、とアルは思った。こkで接してるうちに思ったのはクロードは奥方のジョアンに外見も、中身も似ている。外見で言えば下に行くほどジョアンの要素が薄れマドレーヌに至ってはウージェーヌのコピーだ。兄妹と言っても面白いなとアルは思う。
「君たちは4人並ぶ十グラデーションみたいだね」
アルの言葉にフロランは笑う。やはり笑顔がウージェーヌと似ている。
「そうですね。……うちは長兄がしっかりしてるから俺とマドレーヌは自由でいられる。クロードもそろそろ結婚だろうに」
「そうだな。あんまり俺と年齢かわらない、よな?」
「クロードが22、俺が19、マリアンヌが18、マドレーヌがもうすぐ17ですかね」
「マドレーヌはまだ16?」
「誕生日はまだなんですがあいつ、新年を迎えたらその年になる予定の年齢を名のるから」
マドレーヌは年の末の生まれなのでまだ16なのに、17を迎える年に入ったら17と名のるので周りは混乱する事が多い。ロクサーヌはちゃんと把握してるかそれを指摘しない。フロランが理由を聞いたら
『別に。今いくつでもマドレーヌはマドレーヌだし』
と笑うだけであった。ロクサーヌにはマドレーヌの少しでも大人でありたいという気持ちが判らなくはなかったからだ。ロクサーヌも晩秋の生まれで同じ事をしているというのもある。ネイサンは初夏の生まれで『僕の方が年上だから言う事を聞け』と子供の頃にアレンと3人で遊んだ時に言われた事も影響していた。
アレンとロクサーヌはずっと仲が良かったのだが、アルノー伯夫人が思っていたような心の交流はなかった。アランにとってロクサーヌは美人で気さくで会話をするのも楽しかったが恋心はちらりとも動かなかった。また、ロクサーヌも一応自分がネイサンの婚約者であるという意識はあったし、アレンをネイサンの側近候補と考えていたからだ。ロクサーヌから見たらアランは側近や政治向きの頭をもった人間ではないと思っていたのでネイサンに着けるならアランの方で、側近に子供のどちらかをとアルノー伯が考えているのだろうと思っていたのだ。そんな中で自分の色々な仕事を任せる側近をつくるならマドレーヌが一番いいとロクサーヌは考えていた。
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