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第四章
アルはとりあえず動く
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「……なんでまだいるんですか」
「エマ様が北の守護者の樹をケアしておられるから、俺はこっちの樹をケアしてるんだ。北が落ち着いたら東と南、どうするかな」
アルは王太子として表に出る前にマドレーヌとの事を見極めたいと思っていた。守護者にもそうしろと勧められる。『お前みたいな朴念仁ならマドレーヌみたいな子が丁度いい。ただしミシェル妃やソフィア妃みたいな存在を持てと言われるだろうな』と守護者に言われる。『彼女はロクサーヌ嬢とも仲が良いしジュストにもレアにも協力してもらいますよ。そして従兄弟や従姉妹達とも協力しますしね。ちょっと縁は遠くなるけど再従兄弟達にもね。そうしたら国内の派閥にも『媚』が売れる』と返す。父親の従弟や曾祖父までさかのぼった親戚で王宮で王族を気取ってる人間もいるのでそういう人間を洗い出して使える者は使うという心持であった。
『自分が王太子であるという認識はできたかな』
『守護者様と話してなんとか……』
『今代はレアかお主だからな。他の子どもは二人ほどは意思の疎通ができん。意外かもしれんが二人がダメとなるとネイサンになる。まぁ、ロクサーヌの補助が必要だが。ベルティエの血には王族の血が結構入ってるからな。あの子とネイサンの二人でならなんとかなる。ただ、アランと一緒に居た頃のネイサンに対してはロクサーヌの心が寄り添ってなかったから無理だったんだがな』
アルはその言葉を聞いて訊ねた。
『ネイサンに任せるって言えるって事?』
『そう。ただ、ロクサーヌはマドレーヌを己の補佐にするからマドレーヌは王都詰めになるしそうすればアルも王都にいる、のでアルの希望するような生活は無理だな』
『ううむ』
アルは出来る限りグランジエの領地に居たいと思っていた。アルのわがまま、神殿方式でも冒険者ギルド方式でもいいので王宮と各辺境を繋ぐ転送ゲートを王宮につくって欲しいと願ったのだ。この話は前陛下を味方に北の侯爵の領地で話し合われ、受け入れられた。陛下はなにか考えがあるらしく冒険者ギルドとディアーヌ王国に問い合わせをすると確約した。
『若い時にディアーヌ王国で使ったやつがあってな。それに対する情報収集をしてからはっきり返事をする』
陛下はそういった。ディアーヌ王国のどこかのクランが使っていたものでゲートと簡易的な装置をつかい転送位置を決めるものらしい。ドワーフの技術で作られているのと全属性の魔術師、という有名人がかかわっているという噂だったが確証はないらしい。
えらく「らしい」が多い話ではある、とアルは考えていた。ただ、前陛下もその噂というかそのゲートを使ったことがあるという。
『東の国の商会が使ってるやつですかね?』
アルの言葉に前陛下と陛下が驚く。
『東の……商会?あんな小さなところが?』
『我が国では小さいですがあの商会は数多の国に支店展開してるようです。その上で冒険者ギルドとも懇意な国もあるようですよ。ディアーヌ王国とその周辺、ギルド自治区あたりだとかなり懇意で協力体制を敷いているようです』
アルの報告を聞くまで陛下も前陛下も知らなかったらしい。二人で顔を見合わせている。アルはウージェーヌの紹介で知ったとは言わなかったが、陛下が
『同級生の子爵の三男かな、この国の支店長だったはず』
と言い出した。側妃宮の為に東の国の香木や香油を頼むことがあり覚えていたようだ。アルは自分はあくまで利用者だった顔で過ごしたが近々ウージェーヌも巻き込まれるだろうなと予想している。
「エマ様が北の守護者の樹をケアしておられるから、俺はこっちの樹をケアしてるんだ。北が落ち着いたら東と南、どうするかな」
アルは王太子として表に出る前にマドレーヌとの事を見極めたいと思っていた。守護者にもそうしろと勧められる。『お前みたいな朴念仁ならマドレーヌみたいな子が丁度いい。ただしミシェル妃やソフィア妃みたいな存在を持てと言われるだろうな』と守護者に言われる。『彼女はロクサーヌ嬢とも仲が良いしジュストにもレアにも協力してもらいますよ。そして従兄弟や従姉妹達とも協力しますしね。ちょっと縁は遠くなるけど再従兄弟達にもね。そうしたら国内の派閥にも『媚』が売れる』と返す。父親の従弟や曾祖父までさかのぼった親戚で王宮で王族を気取ってる人間もいるのでそういう人間を洗い出して使える者は使うという心持であった。
『自分が王太子であるという認識はできたかな』
『守護者様と話してなんとか……』
『今代はレアかお主だからな。他の子どもは二人ほどは意思の疎通ができん。意外かもしれんが二人がダメとなるとネイサンになる。まぁ、ロクサーヌの補助が必要だが。ベルティエの血には王族の血が結構入ってるからな。あの子とネイサンの二人でならなんとかなる。ただ、アランと一緒に居た頃のネイサンに対してはロクサーヌの心が寄り添ってなかったから無理だったんだがな』
アルはその言葉を聞いて訊ねた。
『ネイサンに任せるって言えるって事?』
『そう。ただ、ロクサーヌはマドレーヌを己の補佐にするからマドレーヌは王都詰めになるしそうすればアルも王都にいる、のでアルの希望するような生活は無理だな』
『ううむ』
アルは出来る限りグランジエの領地に居たいと思っていた。アルのわがまま、神殿方式でも冒険者ギルド方式でもいいので王宮と各辺境を繋ぐ転送ゲートを王宮につくって欲しいと願ったのだ。この話は前陛下を味方に北の侯爵の領地で話し合われ、受け入れられた。陛下はなにか考えがあるらしく冒険者ギルドとディアーヌ王国に問い合わせをすると確約した。
『若い時にディアーヌ王国で使ったやつがあってな。それに対する情報収集をしてからはっきり返事をする』
陛下はそういった。ディアーヌ王国のどこかのクランが使っていたものでゲートと簡易的な装置をつかい転送位置を決めるものらしい。ドワーフの技術で作られているのと全属性の魔術師、という有名人がかかわっているという噂だったが確証はないらしい。
えらく「らしい」が多い話ではある、とアルは考えていた。ただ、前陛下もその噂というかそのゲートを使ったことがあるという。
『東の国の商会が使ってるやつですかね?』
アルの言葉に前陛下と陛下が驚く。
『東の……商会?あんな小さなところが?』
『我が国では小さいですがあの商会は数多の国に支店展開してるようです。その上で冒険者ギルドとも懇意な国もあるようですよ。ディアーヌ王国とその周辺、ギルド自治区あたりだとかなり懇意で協力体制を敷いているようです』
アルの報告を聞くまで陛下も前陛下も知らなかったらしい。二人で顔を見合わせている。アルはウージェーヌの紹介で知ったとは言わなかったが、陛下が
『同級生の子爵の三男かな、この国の支店長だったはず』
と言い出した。側妃宮の為に東の国の香木や香油を頼むことがあり覚えていたようだ。アルは自分はあくまで利用者だった顔で過ごしたが近々ウージェーヌも巻き込まれるだろうなと予想している。
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