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第四章
王のスペア
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「王のスペアは読んで字の如く、王のスペアだよ。陛下に何かがあった時に代理人になれる人間の事だ」
前の陛下は続ける。
「はっきり言うと『資格』が無くなると守護者様の事が見えなくなる。というかお互いの意思疎通ができなくなるんだ。そうだな、アルマンの持っているペンダントから守護者様の存在をうっすら感じる事は出来るがそれ以上は無理だ。今現在、アルと陛下以外の人間で守護者様から力を借りれるのは1番は公爵様、その次が俺の父親だ。残念な事に君の弟たちは私よりはまし、程度で守護者様や大精霊様とそこまで相性が良くない。……もしアルマンが己が責務を放棄したり、さっき言った4人になにかあったら次の王位はレアにいくと思う。あの子は……見えてるの認識しないように術、というより暗示がかけられてるからね。エリクと本来なら聖女であったはずの君の母親の二人からね」
アルは大人しく話を聞く。
「それに外に嫁ぐであろう姫にその力があるとわかると問題が増えるしな」
陛下はふっと息を吐いて、マドレーヌとフロランの方を向く。
「ということで、フロラン、マドレーヌ嬢」
話を振られた二人はぴくと顔をあげる。
「アルマンが役目から解放されたら遊んでやってくれ。俺は側近のみんなと改めて遊べて楽しいんだ。学生や子供の頃みたいにな。残念ながらアルマンの側近という立場の人間は誰もいない。そしてこんな普段のアルマンを知ってるのは君たちくらいなんでな。済まんが頼むよ」
マドレーヌはにっこり頷き、フロランは少し安心したように頷いた。アルは少し考え込ん
でいた。
「おじい様は……未だ父上に影響力はありますよね」
「そりゃ、な。一応付きだが親だしな」
「じゃ、父上に対してわがままを言うつもりなのでその時に手伝ってください」
アルは何か考えついたようだった。
「多分エリク神官長やドニ様の力も借りるというか……口突っ込んでくるだろうと思いますが」
「何を考え着いた?」
「魔道具の改良ですね。……俺は父上やエリク様のようにほいほい転移を使う自信はないんで、そのあたりをちょっと」
「そうか。ま、多少のわがままならなんとかなるだろう」
アルはにやって笑いフロランと目を合わせた。
「素直が取柄って年でもないからな」
アルはフロランに向かってそう言いフロランは思ってたよりアルは冒険者なのだなと思ったが口にださない。何を考えているかわからないし、精霊がフロランに何も言わないので危うい事ではないのだろうとフロランは判断した。
「おかえり、ゆっくりだったな」
侯爵邸の冒険者溜まりに戻ると、ウージェーヌが出迎えた。かなりげっそりしている。
「なにかあった?」
マドレーヌが好奇心と心配が混ざった表情で訊ねた。
「あー、エリクとかと侯爵邸で話す。……バスチエの娘は捕まったからな」
ウージェーヌはげっそり疲れた顔で言った。
「あの方、やはりいらっしゃってたの」
マドレーヌの言葉にウージェーヌは頷いた。
「とりあえずは……なに、猪肉手に入ったのか?」
ウージェーヌはアルとマドレーヌに狩りの成果を聞いて嬉し気になった。
「大きい雪猪が2匹。一匹分は侯爵邸に渡すように手配するっておじい様が言ってました」
アルが告げる。ウージェーヌは元気な声でこたえる。
「ふむ。煮込みのレシピが欲しいな」
「あ、お姉様に蝶手紙送ります」
マドレーヌが手紙を送るとすぐに返事が返ってきた。他にもいくつかポットローストだ何
だとレシピが書いてあった。マリアンヌと祖母の手で皆を心配していた事が判る文言が認
めてあった。
「……そういや、俺もフロランもマドレーヌも手紙も何もだしてなかったな」
マドレーヌはそっと目線を逸らす。
「アルは?」
「……そうだな、レアに手紙送ろう」
ごまかすようにマドレーヌに訊ねられて自分も忘れてたなと思ったアルはその場で手紙を
書き始めた。
前の陛下は続ける。
「はっきり言うと『資格』が無くなると守護者様の事が見えなくなる。というかお互いの意思疎通ができなくなるんだ。そうだな、アルマンの持っているペンダントから守護者様の存在をうっすら感じる事は出来るがそれ以上は無理だ。今現在、アルと陛下以外の人間で守護者様から力を借りれるのは1番は公爵様、その次が俺の父親だ。残念な事に君の弟たちは私よりはまし、程度で守護者様や大精霊様とそこまで相性が良くない。……もしアルマンが己が責務を放棄したり、さっき言った4人になにかあったら次の王位はレアにいくと思う。あの子は……見えてるの認識しないように術、というより暗示がかけられてるからね。エリクと本来なら聖女であったはずの君の母親の二人からね」
アルは大人しく話を聞く。
「それに外に嫁ぐであろう姫にその力があるとわかると問題が増えるしな」
陛下はふっと息を吐いて、マドレーヌとフロランの方を向く。
「ということで、フロラン、マドレーヌ嬢」
話を振られた二人はぴくと顔をあげる。
「アルマンが役目から解放されたら遊んでやってくれ。俺は側近のみんなと改めて遊べて楽しいんだ。学生や子供の頃みたいにな。残念ながらアルマンの側近という立場の人間は誰もいない。そしてこんな普段のアルマンを知ってるのは君たちくらいなんでな。済まんが頼むよ」
マドレーヌはにっこり頷き、フロランは少し安心したように頷いた。アルは少し考え込ん
でいた。
「おじい様は……未だ父上に影響力はありますよね」
「そりゃ、な。一応付きだが親だしな」
「じゃ、父上に対してわがままを言うつもりなのでその時に手伝ってください」
アルは何か考えついたようだった。
「多分エリク神官長やドニ様の力も借りるというか……口突っ込んでくるだろうと思いますが」
「何を考え着いた?」
「魔道具の改良ですね。……俺は父上やエリク様のようにほいほい転移を使う自信はないんで、そのあたりをちょっと」
「そうか。ま、多少のわがままならなんとかなるだろう」
アルはにやって笑いフロランと目を合わせた。
「素直が取柄って年でもないからな」
アルはフロランに向かってそう言いフロランは思ってたよりアルは冒険者なのだなと思ったが口にださない。何を考えているかわからないし、精霊がフロランに何も言わないので危うい事ではないのだろうとフロランは判断した。
「おかえり、ゆっくりだったな」
侯爵邸の冒険者溜まりに戻ると、ウージェーヌが出迎えた。かなりげっそりしている。
「なにかあった?」
マドレーヌが好奇心と心配が混ざった表情で訊ねた。
「あー、エリクとかと侯爵邸で話す。……バスチエの娘は捕まったからな」
ウージェーヌはげっそり疲れた顔で言った。
「あの方、やはりいらっしゃってたの」
マドレーヌの言葉にウージェーヌは頷いた。
「とりあえずは……なに、猪肉手に入ったのか?」
ウージェーヌはアルとマドレーヌに狩りの成果を聞いて嬉し気になった。
「大きい雪猪が2匹。一匹分は侯爵邸に渡すように手配するっておじい様が言ってました」
アルが告げる。ウージェーヌは元気な声でこたえる。
「ふむ。煮込みのレシピが欲しいな」
「あ、お姉様に蝶手紙送ります」
マドレーヌが手紙を送るとすぐに返事が返ってきた。他にもいくつかポットローストだ何
だとレシピが書いてあった。マリアンヌと祖母の手で皆を心配していた事が判る文言が認
めてあった。
「……そういや、俺もフロランもマドレーヌも手紙も何もだしてなかったな」
マドレーヌはそっと目線を逸らす。
「アルは?」
「……そうだな、レアに手紙送ろう」
ごまかすようにマドレーヌに訊ねられて自分も忘れてたなと思ったアルはその場で手紙を
書き始めた。
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