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第四章
先行隊の構成は?
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「今更儂が持ってても必要ないしな」
金の蜜の玉の粒は高濃度の魔力の塊で、ほんの爪の先程の一粒で通常の平民の一生分の魔力と同じ量がある。ドニやエリクは何年かに一度。予備の魔力を持つために自分の余剰の魔力を神殿の契約精霊にこういう塊にしてもらっている。そうやってぎりぎりまで魔力を使う事
で人為的に己の魔力量の上限をあげるという意図もあった。
が、精霊には関係ない。この金色の魔力の塊には抗えないのだ。ドニは暫く皆を見ながらマドレーヌに視線を固定する。
「マドレーヌ嬢は蜜が作れるだけの余剰があると思う。近いうちに神殿に出向きなさい」
マドレーヌは正直面倒だと感じたが、フロランがこれで助かるならいいか、と考え直す。
「俺じゃ無理かな?」
フロランとウージェーヌが同時に訊ねる。他の人間には見えていないが、フロランとウージェーヌの目に映る精霊はものすごく愛らしく、金の蜜の玉、魔力の塊をぺろぺろと幸せそうに舐めている。その様子を見て自分の魔力でも、とちょっと考えたのだ。
「んー、5年、いや十年に一回くらいかな。フロランは無理。そんな余剰があれば精霊が美味しく頂いてるよ」
フロランは少し考え込んだ。
「ま、いっか。俺の魔力は日々のご飯ってところだな。魔力の玉はたまの御馳走、と」
精霊は同意をフロランに伝えたようだった。
エリクが精霊との視点共有を一端解いた。
「先行隊、大体30人規模ですが、魔法使いが複数人含まれていて、何度も雪崩を起こしてるようです」
フロランは全員と精霊の視点を共有できるのかと思っていたのだがエリク曰く受け手側にもある程度の魔力は必要なので、取り急ぎエリクだけがフロランの見る精霊の視点を共有している。
「……そうか、雪が邪魔なんだな」
北の侯爵がが難しい顔をする。
「多分、向こうの大型獣を送り込んでくると思う」
侯爵が過去の実例から結果を導き出す。
「こっちに来たらモンスターが溢れてる。なんでそれに紛れて……ってところだな」
マドレーヌが不思議そうな顔になる。
「この時期のモンスターは冬毛で白くなってるから他所からのモンスターだと一発でわかるのに」
侯爵も頷く・が、グランサニュー公爵が答えをくれる。
「それを知らない冒険者やなんやが大騒ぎして、機能の麻痺でも狙ってるんだろう。上手く街まで行ってくれたら恩の字だしな」
「ってことは侯爵がここに来るって事を想定してる?」
フロランの疑問に侯爵は首を傾げる。
「それはどうかな?見つかってると思ってるみたいか?」
「それは想定してなさそうですね」
エリクは自分が見たものを思い出して答える。廃神殿の手前の庭で先行隊は焚火をして笑って酒を飲んでいるという。アルが訊ねる。
「正規の訓練を受けた騎士のようですか?」
フロランは暫く先行隊を観察していた。
「……んー、どうかな。体は動くやつらっぽいけど。数人の指示役の騎士と残り冒険者、かな。ともかく全員が騎士ではなさそう」
エリクは溜息をつく。
「面倒といえば面倒ですね。全員が騎士ならセオリー通りに動くけど。冒険者相手はあまり経験積んでませんからね。神殿の騎士は」
前陛下がにやりと笑う。
「そっちは俺達に任せろ。餅は餅屋、冒険者は冒険者ってな」
金の蜜の玉の粒は高濃度の魔力の塊で、ほんの爪の先程の一粒で通常の平民の一生分の魔力と同じ量がある。ドニやエリクは何年かに一度。予備の魔力を持つために自分の余剰の魔力を神殿の契約精霊にこういう塊にしてもらっている。そうやってぎりぎりまで魔力を使う事
で人為的に己の魔力量の上限をあげるという意図もあった。
が、精霊には関係ない。この金色の魔力の塊には抗えないのだ。ドニは暫く皆を見ながらマドレーヌに視線を固定する。
「マドレーヌ嬢は蜜が作れるだけの余剰があると思う。近いうちに神殿に出向きなさい」
マドレーヌは正直面倒だと感じたが、フロランがこれで助かるならいいか、と考え直す。
「俺じゃ無理かな?」
フロランとウージェーヌが同時に訊ねる。他の人間には見えていないが、フロランとウージェーヌの目に映る精霊はものすごく愛らしく、金の蜜の玉、魔力の塊をぺろぺろと幸せそうに舐めている。その様子を見て自分の魔力でも、とちょっと考えたのだ。
「んー、5年、いや十年に一回くらいかな。フロランは無理。そんな余剰があれば精霊が美味しく頂いてるよ」
フロランは少し考え込んだ。
「ま、いっか。俺の魔力は日々のご飯ってところだな。魔力の玉はたまの御馳走、と」
精霊は同意をフロランに伝えたようだった。
エリクが精霊との視点共有を一端解いた。
「先行隊、大体30人規模ですが、魔法使いが複数人含まれていて、何度も雪崩を起こしてるようです」
フロランは全員と精霊の視点を共有できるのかと思っていたのだがエリク曰く受け手側にもある程度の魔力は必要なので、取り急ぎエリクだけがフロランの見る精霊の視点を共有している。
「……そうか、雪が邪魔なんだな」
北の侯爵がが難しい顔をする。
「多分、向こうの大型獣を送り込んでくると思う」
侯爵が過去の実例から結果を導き出す。
「こっちに来たらモンスターが溢れてる。なんでそれに紛れて……ってところだな」
マドレーヌが不思議そうな顔になる。
「この時期のモンスターは冬毛で白くなってるから他所からのモンスターだと一発でわかるのに」
侯爵も頷く・が、グランサニュー公爵が答えをくれる。
「それを知らない冒険者やなんやが大騒ぎして、機能の麻痺でも狙ってるんだろう。上手く街まで行ってくれたら恩の字だしな」
「ってことは侯爵がここに来るって事を想定してる?」
フロランの疑問に侯爵は首を傾げる。
「それはどうかな?見つかってると思ってるみたいか?」
「それは想定してなさそうですね」
エリクは自分が見たものを思い出して答える。廃神殿の手前の庭で先行隊は焚火をして笑って酒を飲んでいるという。アルが訊ねる。
「正規の訓練を受けた騎士のようですか?」
フロランは暫く先行隊を観察していた。
「……んー、どうかな。体は動くやつらっぽいけど。数人の指示役の騎士と残り冒険者、かな。ともかく全員が騎士ではなさそう」
エリクは溜息をつく。
「面倒といえば面倒ですね。全員が騎士ならセオリー通りに動くけど。冒険者相手はあまり経験積んでませんからね。神殿の騎士は」
前陛下がにやりと笑う。
「そっちは俺達に任せろ。餅は餅屋、冒険者は冒険者ってな」
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