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第四章
ヒイラギのおまもり
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翌朝、神殿の伝手というか神殿の転送装置で移動した神官が沢山のヒイラギと月桂樹、セージと今ある精霊と契約した農園のジャム用のベリーの実を持って帰ってきてくれた。
「そうね、マドレーヌちゃんとフロラン、手伝って。殿下は旦那様の買い物に付き合ってあげて。それと……侯爵、今ある毛皮のストック出してください。出来る限りの防寒具を作ります。それはうちのメイドがやりますね。……侯爵家のメイドは夫人の影響が強いかもしれないので。エリク、ドニ様達を連れてくる前に細工物とか裁縫が得意な神官をこっちによこして。あ、侯爵様、聖別された月桂樹を使ってポトフを大量に作ってもらって。うちの厨房と冒険者溜まりで。貴方の息のかかった冒険者複数人にポトフを嫌がった冒険者の特徴や名前をチェックしてもらっておいて」
エマはてきぱきと指示をする。前陛下達とマドレーヌの祖父は冒険者溜まりでポトフを嫌がる様子の冒険者に知り合いがいないかをチェックしてくれと指示される。エリクは感心していた。
「それを使って班を作りましょう。信頼のおける人間に信頼のおけない人間をみててもらうの。というか信頼のおけない人同士を組ませない感じの班分けね。……ま、ギルドの責任者が信用に値するか、判らないけども」
エリクは少し考えていたがそこに瑠璃色の蝶手紙が届いた。
「ああ……。一晩で薄く靄を纏った冒険者が増えたってルカが……、グランジエのおじさん、ルカと合流してくれる?」
エリクがマドレーヌの祖父に子供の時の様に呼びかける
「なんだ?」
「ルカと組んで薄い靄を纏ったやつらにポトフか聖水を飲ませる手伝いをしてもらえますか?」
「わかった」
エリクが忙しく立ち働く。マドレーヌとフロランと二人の神官はエマが集めたヒイラギと雪の中のベリーの実をつかいおまもりをつくるがマドレーヌが基本的に使い物にならないことが判った。
「マドレーヌちゃんは手仕事苦手なのね」
「ええ……」
マドレーヌは少しだけ恥ずかしそうだ。フロランは器用にこなしていく。結局マドレーヌはそこにあるヒイラギを二枚一組にして神官とフロランとエマの前に置いていく役目になった。これは意外と反射神経と観察眼が必要だったがマドレーヌは卒なくこなした。
「マドレーヌちゃんはこの騒動が終わったら私に付き合ってね。……刺繍をどうにかごまかせるようにしてあげる。……騎士科のカリキュラムに貴族女子は必須でしょ、刺繍。他の手芸が出来れば問題ないんだけど」
「……ロクサーヌ先輩と一緒にやってもらえますか?先輩もいまいちで」
エマはベルティエ公爵夫人の名誉の為に、公爵夫人も刺繍で苦労した、とはマドレーヌに言わなかった。
「お母様に基礎を習ったんですけど、競って言っても難しくて全然駄目だったんですよ」
マドレーヌは肩を竦めた。そしてエマの前にヒイラギを2枚置く。
「しかし大量のヒイラギですね」
「えっと、神殿の中のヒイラギの半分くらいを取ってきました」
フロランが心配そうに訊ね神官がにっと笑う。
「時間、かかったんでは?」
「そこは神殿ならでは、人海戦術ですよ」
確かに王都の神殿は広いし人もかなり多いのだ。
「ほー」
エマ達はかなりの数のおまもりを作った。
「ギルド職員と、屋敷で清浄な人に持ってもらって。余ったら冒険者にも配る感じですね」
公爵夫妻についてきた使用人の一人がワゴンにポトフを大きな鍋に入れて運んできた。ワゴンの下の段は銀器が収まっている。扉があるのだが装飾にしか見えない。公爵が外の領地に泊まる時使用人が持ち歩いているものだった。
「さて、あったかいポトフで体を温めてから午後からもおまもりつくりはあるわよ」
エマが声をかけて昼食となった。
「そうね、マドレーヌちゃんとフロラン、手伝って。殿下は旦那様の買い物に付き合ってあげて。それと……侯爵、今ある毛皮のストック出してください。出来る限りの防寒具を作ります。それはうちのメイドがやりますね。……侯爵家のメイドは夫人の影響が強いかもしれないので。エリク、ドニ様達を連れてくる前に細工物とか裁縫が得意な神官をこっちによこして。あ、侯爵様、聖別された月桂樹を使ってポトフを大量に作ってもらって。うちの厨房と冒険者溜まりで。貴方の息のかかった冒険者複数人にポトフを嫌がった冒険者の特徴や名前をチェックしてもらっておいて」
エマはてきぱきと指示をする。前陛下達とマドレーヌの祖父は冒険者溜まりでポトフを嫌がる様子の冒険者に知り合いがいないかをチェックしてくれと指示される。エリクは感心していた。
「それを使って班を作りましょう。信頼のおける人間に信頼のおけない人間をみててもらうの。というか信頼のおけない人同士を組ませない感じの班分けね。……ま、ギルドの責任者が信用に値するか、判らないけども」
エリクは少し考えていたがそこに瑠璃色の蝶手紙が届いた。
「ああ……。一晩で薄く靄を纏った冒険者が増えたってルカが……、グランジエのおじさん、ルカと合流してくれる?」
エリクがマドレーヌの祖父に子供の時の様に呼びかける
「なんだ?」
「ルカと組んで薄い靄を纏ったやつらにポトフか聖水を飲ませる手伝いをしてもらえますか?」
「わかった」
エリクが忙しく立ち働く。マドレーヌとフロランと二人の神官はエマが集めたヒイラギと雪の中のベリーの実をつかいおまもりをつくるがマドレーヌが基本的に使い物にならないことが判った。
「マドレーヌちゃんは手仕事苦手なのね」
「ええ……」
マドレーヌは少しだけ恥ずかしそうだ。フロランは器用にこなしていく。結局マドレーヌはそこにあるヒイラギを二枚一組にして神官とフロランとエマの前に置いていく役目になった。これは意外と反射神経と観察眼が必要だったがマドレーヌは卒なくこなした。
「マドレーヌちゃんはこの騒動が終わったら私に付き合ってね。……刺繍をどうにかごまかせるようにしてあげる。……騎士科のカリキュラムに貴族女子は必須でしょ、刺繍。他の手芸が出来れば問題ないんだけど」
「……ロクサーヌ先輩と一緒にやってもらえますか?先輩もいまいちで」
エマはベルティエ公爵夫人の名誉の為に、公爵夫人も刺繍で苦労した、とはマドレーヌに言わなかった。
「お母様に基礎を習ったんですけど、競って言っても難しくて全然駄目だったんですよ」
マドレーヌは肩を竦めた。そしてエマの前にヒイラギを2枚置く。
「しかし大量のヒイラギですね」
「えっと、神殿の中のヒイラギの半分くらいを取ってきました」
フロランが心配そうに訊ね神官がにっと笑う。
「時間、かかったんでは?」
「そこは神殿ならでは、人海戦術ですよ」
確かに王都の神殿は広いし人もかなり多いのだ。
「ほー」
エマ達はかなりの数のおまもりを作った。
「ギルド職員と、屋敷で清浄な人に持ってもらって。余ったら冒険者にも配る感じですね」
公爵夫妻についてきた使用人の一人がワゴンにポトフを大きな鍋に入れて運んできた。ワゴンの下の段は銀器が収まっている。扉があるのだが装飾にしか見えない。公爵が外の領地に泊まる時使用人が持ち歩いているものだった。
「さて、あったかいポトフで体を温めてから午後からもおまもりつくりはあるわよ」
エマが声をかけて昼食となった。
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