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第四章
前陛下、公爵にみつかり叱られる
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「ここにおったか」
アルとフロラン、マドレーヌのテーブルに公爵とエマが座った。鉢植を公爵とアルの間に
おく。鉢植は皆の魔力を取り込んでいるがアルと公爵の魔力は遠慮会釈なく取り込んでる
感じだ。
「アル、腹がすくと思うぞ」
「そんな事言われたら……我慢してたのに」
冒険者だまりでは公爵がいる事もあまり気にされていない。公爵とエマが認識阻害の魔法
をかけているからでもあった。
「ふふふふ、いいものを見せてやろう」
公爵は親指と人差し指で作った位の平たい丸い小石を机の上においた。
「なんですか?」
アルもフロランもマドレーヌも不思議そうな顔になる。
「これは会話を他人に聴かれなくする魔法石だ。このテーブル周りくらいまでは効果ある
ようだ。秘密の話をしていても周りには雑談をしているように聞こえるんだ」
フロランが真っ先に
「神官長の発明ですか?」
「いや、冒険者ギルド長から貰った。何でも先日の冒険者ギルドと直通の転移システム開
通の時にもらった土産だそうだ。なんか向こうに凄い技術者がいるらしくてな。ギルドが
使ってる転移システムの開発者らしい。彼の発明の一つだそうだ」
「へぇ」
そこに頼んでいた焼肉がきた。皆でつまむ予定だったが公爵とアルが思いのほかお腹が空
いているようだったしエマは今はかなりお腹すいてるでしょ、とお腹に溜まる芋類や甘い
ものもも頼む。角ウサギの串焼きも頼む。
「じーちゃんは今は昔馴染みと……ってあれ、アルのじーさんじゃないの?」
少し離れたテーブルにマドレーヌたちの祖父と髭塗れで元の人相なぞわからないごつい男
がいた。公爵の顔を見てその髭男がやべぇという顔になったが公爵が顎で呼びつける。
「叔父上、いらっしゃってたんですね」
そういいながら前陛下はごまかそうとしたがテーブルの上の鉢植を見て目を剥いた。
「な、これ……」
「お前、北に常駐だったよな」
前陛下は何も言えなかった。公爵は皮肉な表情を取る。
「何のためにここに常駐させてたか、わかってるよな?……冒険者を始める理由も覚えて
るか」
熊のような冒険者がしゅんとちいさくなっていて、マドレーヌはちょっと可愛いなと思っ
た。
「……屋敷内の調査はメイドにやつした影に頼んでるので」
「メイドからの報告はなかったのか?」
アルは自分の祖父をじっと見る。祖父の知っているアルとは背の高さも顔つきも違うので
前陛下は気が付かない。そして前陛下のお腹もぐーと鳴る。
「酒とくいもの持って」
前陛下にいいつけようとしたがフロランが腰軽く祖父のテーブルに行きマドレーヌの祖父
と共に酒と肉を運んできた。フロランも祖父に注意をしているところだった。
「じーちゃんにはこの酒はきつすぎるって」
「寒い場所ではこの酒が良い、強い酒精が喉を焼くのが御馳走だ」
「おじい様」
マドレーヌが静かに言った。
「おばあさまに言いますよ」
自分の妻とよく似た顔の孫娘の言葉にマドレーヌの祖父はうっと詰まった感じで屁理屈を
こねられなくなっている。
「ジュースの目ってまでは言わんから、火酒は辞めとけ。……今日このあとは風呂に入る
なよ?ぱたーんって倒れてそのままとか困るからな?ばーさんに看取られずに行くの嫌だ
ろ?」
「お、おう。……あの屋敷に入るのがなぁ、気色悪くないか」
マドレーヌの祖父はそんなことを言い始めた。
アルとフロラン、マドレーヌのテーブルに公爵とエマが座った。鉢植を公爵とアルの間に
おく。鉢植は皆の魔力を取り込んでいるがアルと公爵の魔力は遠慮会釈なく取り込んでる
感じだ。
「アル、腹がすくと思うぞ」
「そんな事言われたら……我慢してたのに」
冒険者だまりでは公爵がいる事もあまり気にされていない。公爵とエマが認識阻害の魔法
をかけているからでもあった。
「ふふふふ、いいものを見せてやろう」
公爵は親指と人差し指で作った位の平たい丸い小石を机の上においた。
「なんですか?」
アルもフロランもマドレーヌも不思議そうな顔になる。
「これは会話を他人に聴かれなくする魔法石だ。このテーブル周りくらいまでは効果ある
ようだ。秘密の話をしていても周りには雑談をしているように聞こえるんだ」
フロランが真っ先に
「神官長の発明ですか?」
「いや、冒険者ギルド長から貰った。何でも先日の冒険者ギルドと直通の転移システム開
通の時にもらった土産だそうだ。なんか向こうに凄い技術者がいるらしくてな。ギルドが
使ってる転移システムの開発者らしい。彼の発明の一つだそうだ」
「へぇ」
そこに頼んでいた焼肉がきた。皆でつまむ予定だったが公爵とアルが思いのほかお腹が空
いているようだったしエマは今はかなりお腹すいてるでしょ、とお腹に溜まる芋類や甘い
ものもも頼む。角ウサギの串焼きも頼む。
「じーちゃんは今は昔馴染みと……ってあれ、アルのじーさんじゃないの?」
少し離れたテーブルにマドレーヌたちの祖父と髭塗れで元の人相なぞわからないごつい男
がいた。公爵の顔を見てその髭男がやべぇという顔になったが公爵が顎で呼びつける。
「叔父上、いらっしゃってたんですね」
そういいながら前陛下はごまかそうとしたがテーブルの上の鉢植を見て目を剥いた。
「な、これ……」
「お前、北に常駐だったよな」
前陛下は何も言えなかった。公爵は皮肉な表情を取る。
「何のためにここに常駐させてたか、わかってるよな?……冒険者を始める理由も覚えて
るか」
熊のような冒険者がしゅんとちいさくなっていて、マドレーヌはちょっと可愛いなと思っ
た。
「……屋敷内の調査はメイドにやつした影に頼んでるので」
「メイドからの報告はなかったのか?」
アルは自分の祖父をじっと見る。祖父の知っているアルとは背の高さも顔つきも違うので
前陛下は気が付かない。そして前陛下のお腹もぐーと鳴る。
「酒とくいもの持って」
前陛下にいいつけようとしたがフロランが腰軽く祖父のテーブルに行きマドレーヌの祖父
と共に酒と肉を運んできた。フロランも祖父に注意をしているところだった。
「じーちゃんにはこの酒はきつすぎるって」
「寒い場所ではこの酒が良い、強い酒精が喉を焼くのが御馳走だ」
「おじい様」
マドレーヌが静かに言った。
「おばあさまに言いますよ」
自分の妻とよく似た顔の孫娘の言葉にマドレーヌの祖父はうっと詰まった感じで屁理屈を
こねられなくなっている。
「ジュースの目ってまでは言わんから、火酒は辞めとけ。……今日このあとは風呂に入る
なよ?ぱたーんって倒れてそのままとか困るからな?ばーさんに看取られずに行くの嫌だ
ろ?」
「お、おう。……あの屋敷に入るのがなぁ、気色悪くないか」
マドレーヌの祖父はそんなことを言い始めた。
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