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第三章
エリクは少し偉そう
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エマが少し離れた焚火から丸い何かを布に包んで持ってくる。アルはそれを手渡された。
「これは?」
「焼いたお芋。腰かお腹に入れておくと儀式の間、多少は寒さをしのげるわ」
「おばさま、ありがとう」
エマはニコッと笑う。
「では始めますね」
エマが守護者の樹に向かって何かを宣言し北を意味する石の場所に移動する。石は無かった。力を失って土にかえったらしい。エマは厳しい顔でそのあたりの土をえぐる。
「土自身がダメになってる」
『それは多分そこから侵入して我を殺そうとしていたのだな』
守護者が呟く。
「ここから先の土は私でも浄化できるのだけど……、これはダメ。このままにしていたらこの領地全部が魔の森の中心みたいになるわ」
「浄化は無理だが、これ以上浸食できないようにしようか」
陛下がいいグランサニュー公爵は蝶々の手紙を神殿に飛ばした。陛下は土魔法で汚染された土の下を堅くし、そこに聖魔法を纏わせ汚染土が岩を浸食しないようにした。
「すごいわね……、陛下」
「守護者の指示だよ。俺のできる事でどうすればいいか教えてくれた」
陛下は離し続ける。
「多分、北の地に本拠地があるな、って。侯爵がとりこまれてなきゃいいけど」
「少し前までは奥様は怪しいところなかったけど」
エマが首を傾げる。
「あの時はアルノー伯爵も普通に存在してただろ。王宮の仕事もちゃんとしてたか?」
「これと言って不備は上がってきてなかったですね」
陛下が公爵に告げる。
「あの……次の時は俺も手伝わせてください」
アルが公爵に直談判の構えだ。
「いいぞ。今のお前の顔を誰も知らないはずだからな」
侯爵がにやりとあくどい笑みを浮かべた瞬間エリクが数人の神官と転移してきた。
「陛下、お付きが神殿まで来てましたよ。『うちの陛下来てませんか』って」
陛下は舌を出してそっぽを向く。
「とりあえず、帰ってやってください。残りは俺達でやりますから」
エリクはしっしっと追い払う手つきをした。一緒に来た神官たちはぎょっとした顔になる。
「魔法師団の転移できるやつが来たら面倒でしょう。師団長ならともかく副のアレとか」
陛下もうげっという表情になった。ミーカに側妃にしてくれと迫られているのだ。ミーカの考えでは側妃になって陛下の権力をつかって師団長を追い落とし自分が魔法師団を牛耳るつもりだった。
「よし、大叔父さま、エマ叔母様、近いうちに」
そう言って陛下は自ら転移していった。
「じゃこの部分の土と土の板持って行くね。すぐ戻って来るから待ってて」
エリクはそういて本当にすぐ転移で戻って来る。
「さすがに立て続けに往復はちょっと疲れます」
そう言ってテーブルのそばの椅子に座って
「さすがに往復は……」
「疲れたでしょ。少し離れた焚火でお湯を沸かして居た公爵家の仕様院が人数分の熱い珈琲をいれる。舌を焼きそうな熱さの珈琲はエマの好みだった。
「これは?」
「焼いたお芋。腰かお腹に入れておくと儀式の間、多少は寒さをしのげるわ」
「おばさま、ありがとう」
エマはニコッと笑う。
「では始めますね」
エマが守護者の樹に向かって何かを宣言し北を意味する石の場所に移動する。石は無かった。力を失って土にかえったらしい。エマは厳しい顔でそのあたりの土をえぐる。
「土自身がダメになってる」
『それは多分そこから侵入して我を殺そうとしていたのだな』
守護者が呟く。
「ここから先の土は私でも浄化できるのだけど……、これはダメ。このままにしていたらこの領地全部が魔の森の中心みたいになるわ」
「浄化は無理だが、これ以上浸食できないようにしようか」
陛下がいいグランサニュー公爵は蝶々の手紙を神殿に飛ばした。陛下は土魔法で汚染された土の下を堅くし、そこに聖魔法を纏わせ汚染土が岩を浸食しないようにした。
「すごいわね……、陛下」
「守護者の指示だよ。俺のできる事でどうすればいいか教えてくれた」
陛下は離し続ける。
「多分、北の地に本拠地があるな、って。侯爵がとりこまれてなきゃいいけど」
「少し前までは奥様は怪しいところなかったけど」
エマが首を傾げる。
「あの時はアルノー伯爵も普通に存在してただろ。王宮の仕事もちゃんとしてたか?」
「これと言って不備は上がってきてなかったですね」
陛下が公爵に告げる。
「あの……次の時は俺も手伝わせてください」
アルが公爵に直談判の構えだ。
「いいぞ。今のお前の顔を誰も知らないはずだからな」
侯爵がにやりとあくどい笑みを浮かべた瞬間エリクが数人の神官と転移してきた。
「陛下、お付きが神殿まで来てましたよ。『うちの陛下来てませんか』って」
陛下は舌を出してそっぽを向く。
「とりあえず、帰ってやってください。残りは俺達でやりますから」
エリクはしっしっと追い払う手つきをした。一緒に来た神官たちはぎょっとした顔になる。
「魔法師団の転移できるやつが来たら面倒でしょう。師団長ならともかく副のアレとか」
陛下もうげっという表情になった。ミーカに側妃にしてくれと迫られているのだ。ミーカの考えでは側妃になって陛下の権力をつかって師団長を追い落とし自分が魔法師団を牛耳るつもりだった。
「よし、大叔父さま、エマ叔母様、近いうちに」
そう言って陛下は自ら転移していった。
「じゃこの部分の土と土の板持って行くね。すぐ戻って来るから待ってて」
エリクはそういて本当にすぐ転移で戻って来る。
「さすがに立て続けに往復はちょっと疲れます」
そう言ってテーブルのそばの椅子に座って
「さすがに往復は……」
「疲れたでしょ。少し離れた焚火でお湯を沸かして居た公爵家の仕様院が人数分の熱い珈琲をいれる。舌を焼きそうな熱さの珈琲はエマの好みだった。
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