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第三章
靄の魔物
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守護者の樹は目に見えて小さくなっている。朝日の最初の光が指し、目の前には黒い靄の塊が縛り付けられるように守護者の樹にくっついている。
その靄はアルの方向へ頭部を向ける。
「オ前だ、お前、お前お……ぇぇぇあああぁ」
さすがにアンデッドだ、理不尽な事を言うとアルは思った。
「アル?変に感心した顔になってるが」
エディに突っ込まれてアルは苦笑する。
「いやぁ、……アンデットって理性がないせいか会話になんないなって」
ウージェーヌがたまらず噴き出した。エリクが突っ込む。
「あのな、アンデッドと話をするな。ほら、見てる間にこいつ焼けてくるから。殿下は樹に力を注いで。今ならまだ守護者様を助けられる」
よく見ると細い黒い靄が幹に撒きついている。
「手の届く枝を握って守護者様に声かけて。クロードは土に手を置いてこの土地に力を狩りて。ウージェーヌは結界を貼ってこの黒いのが殿下に近づかないように。エディは無防備になる殿下の護りを」
遠くからロゼが走ってきてまっすぐに黒い靄に声を投げる。風の精霊が調節して靄にだけ音を届かせた。
『動くな』
ロゼは最大の力で魅了の声を使ったせいでみるみる疲れている。が、もうひと頑張りし樹を覆う様にまとわりつく薄い黒い靄を精霊の力を借りて吹き飛ばす。
「ありがとう、ロゼ嬢」
エリクの顔が明るくなる。朝日が完全に昇り切る。エリクの聖句が靄の魔物の動きを縛っている。
「うわぁぁぁ、嘘だ嘘だ嘘だ。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……これにしっぱいしたらおれ、おれ……おれは存在価値がない。……おまえさえ聖女様の物になってたら俺はこんなものに変えられなかったんだ、うわぁぁぁ、マリアンンンンン」
エリクが何かを唱える。そしてウージェーヌがなにか布をかけると、靄が人の形である事
がわかる。
「なんですか、その布」
「うちのカーテン」
ロゼの問いにウージェーヌが答えた。ジェラールは容赦なくエリクに魔力を吸われたようで目の縁が黒ずんでいる。
アルは不思議な空間にいた。枝を握った時には外にいたのになにか細長い場所んいるの
だ。中は随分汚されている。
「ある、なんでここに」
守護者の姿はかなり幼い子供のになっていた。
「魔力を足しに。クロードが土地からも魔力を回してもらえるように頑張ってくれてる」
「そうか。それでこのサイズで止まったのだな。ある、そこに胡坐をかけ」
上も下もない空間でアルは素直に座る。幼い姿の守護者がすとん、とその中へ座る。
「きついぞ、ある」
そういうとアルはぐんぐんなにかが吸われて居るのを感じる。
「な……」
「お、朝日が完全に上った。……この土地に根付けたようだ。グランサニューのに言って
魔石と基幹石を変えてもらおう。かなり疲弊したからな」
いつの間にか膝の上の守護者は少年にまで育っていた。
「アル、ロゼという女性に礼を言ってくれ。風の精霊の力であの男の呪力を祓ってくれたからな。そろそろ外から起こされると思うぞ」
次の瞬間、アルの意識は体に戻った。木の幹に撒きついてた黒いなにかは撒きついていた所は状態がよろしくない感じだが前の2/3の高さになったが残っていた。
『この樹を離れる事はできんな』
アルの手の上には小指程の背の高さの小さな守護者が乗っていた。
その靄はアルの方向へ頭部を向ける。
「オ前だ、お前、お前お……ぇぇぇあああぁ」
さすがにアンデッドだ、理不尽な事を言うとアルは思った。
「アル?変に感心した顔になってるが」
エディに突っ込まれてアルは苦笑する。
「いやぁ、……アンデットって理性がないせいか会話になんないなって」
ウージェーヌがたまらず噴き出した。エリクが突っ込む。
「あのな、アンデッドと話をするな。ほら、見てる間にこいつ焼けてくるから。殿下は樹に力を注いで。今ならまだ守護者様を助けられる」
よく見ると細い黒い靄が幹に撒きついている。
「手の届く枝を握って守護者様に声かけて。クロードは土に手を置いてこの土地に力を狩りて。ウージェーヌは結界を貼ってこの黒いのが殿下に近づかないように。エディは無防備になる殿下の護りを」
遠くからロゼが走ってきてまっすぐに黒い靄に声を投げる。風の精霊が調節して靄にだけ音を届かせた。
『動くな』
ロゼは最大の力で魅了の声を使ったせいでみるみる疲れている。が、もうひと頑張りし樹を覆う様にまとわりつく薄い黒い靄を精霊の力を借りて吹き飛ばす。
「ありがとう、ロゼ嬢」
エリクの顔が明るくなる。朝日が完全に昇り切る。エリクの聖句が靄の魔物の動きを縛っている。
「うわぁぁぁ、嘘だ嘘だ嘘だ。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……これにしっぱいしたらおれ、おれ……おれは存在価値がない。……おまえさえ聖女様の物になってたら俺はこんなものに変えられなかったんだ、うわぁぁぁ、マリアンンンンン」
エリクが何かを唱える。そしてウージェーヌがなにか布をかけると、靄が人の形である事
がわかる。
「なんですか、その布」
「うちのカーテン」
ロゼの問いにウージェーヌが答えた。ジェラールは容赦なくエリクに魔力を吸われたようで目の縁が黒ずんでいる。
アルは不思議な空間にいた。枝を握った時には外にいたのになにか細長い場所んいるの
だ。中は随分汚されている。
「ある、なんでここに」
守護者の姿はかなり幼い子供のになっていた。
「魔力を足しに。クロードが土地からも魔力を回してもらえるように頑張ってくれてる」
「そうか。それでこのサイズで止まったのだな。ある、そこに胡坐をかけ」
上も下もない空間でアルは素直に座る。幼い姿の守護者がすとん、とその中へ座る。
「きついぞ、ある」
そういうとアルはぐんぐんなにかが吸われて居るのを感じる。
「な……」
「お、朝日が完全に上った。……この土地に根付けたようだ。グランサニューのに言って
魔石と基幹石を変えてもらおう。かなり疲弊したからな」
いつの間にか膝の上の守護者は少年にまで育っていた。
「アル、ロゼという女性に礼を言ってくれ。風の精霊の力であの男の呪力を祓ってくれたからな。そろそろ外から起こされると思うぞ」
次の瞬間、アルの意識は体に戻った。木の幹に撒きついてた黒いなにかは撒きついていた所は状態がよろしくない感じだが前の2/3の高さになったが残っていた。
『この樹を離れる事はできんな』
アルの手の上には小指程の背の高さの小さな守護者が乗っていた。
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