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第三章
アルが理解している事
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「あいつ、鞍なしで乗ってたぞ」
エディが驚いていた。ロゼもぼそっと言う。
「マドレーヌも鞍に乗ってなかったんじゃ?」
アルは暫く目を瞑っていたがゆっくりロゼとエディに状況を説明し始めた。
マドレーヌがエディの国に来る元凶となった一家、元婚約者のアルノー伯爵家というのある。その家は現当主の祖父の代からかなり怪しかったが名門の伯爵家なのでおいそれと手を出せない状況であった。それは現王妃の実家、ベルティエ公爵家との繋がりと北の侯爵家の分家筋から嫁してきた現当主夫人なんかの政治的なあれこれがあるらしい。この辺は説明すると長いのとアル自身が今一つわかっていないので割愛して説明していた。
「で、今日行くはずだった魔の森にアンデッド系?みたいな聖職者が居ないと退治できない魔物が出たらしい」
エディもロゼも頷いて聞いている。
「それの対処でこの家は朝からばたばたしてるわけなんだが……。そのアンデッドの核がマリアンヌ嬢に求婚するために足繁くこの領に通っていたらしい。で、……どうもその男にマドレーヌが帰ってくると知らせてはいけないのに知らsていたらしい」
「なんで知らせちゃだめなんだ?」
エディが疑問を口にする。アルは暫く考えていたが答える。
「まず、俺がエディの国に飛んだのは多分偶然……。間違った文字列をいれた魔法陣をつかわれて飛ばされたんだけど、……理由は有体に言えばお家騒動。俺は伯爵家出身の母親を持っているが側妃の子供で、正妃の子供が男児だったので正妃が邪魔になる俺を排除に動いたわけだ」
「うん」
エディもロゼも真剣に聞いている。
「エディの所に行った時、俺は寝間着でな」
「ああ、覚えてるよ。白いやつ着て、いきなり何もないところからそこに出て来たよな」
アルが頷く。
「当時の側近が正妃の側に取り込まれててな。一味の魔法が使える女性が寝室に入ってきて抵抗する間もなく他所の国へ飛ばされたんだよ。そんな状況で……、エディの国とここは国交がないからね。それにギルド利用の通信方法もしらなかったし、で暫くの間は連絡を取れなくて……そのままエディの国に骨をうずめるのか、って思ってた」
アルは一口お茶を飲んだ。マジックボックスから出したお茶はいい感じの温度だった。
「で、ある日、王都のギルドで見知った顔がいた。その子は女性だった。マドレーヌに国の
言葉で話しかけてウジェ殿の子供だって判って」
アルはふーっと息を吐いた。
「やっと国に連絡がとれたけど用心してウジェ殿だけに連絡したんだ。あの人は正妃と対立してるからね」
それが正解だったとアルは思った。当時の側近が正妃に食い散らかされていたのを気が付かなかった。それが幼さ故と言っても言い訳にはならないとも思っている。
「マリアンヌ嬢もあの当時の同じ事をしたわけさ。正妃の息のかかった男に俺がここに帰っている、と教えてしまった、と」
ロゼがふーんと言う。
エディが驚いていた。ロゼもぼそっと言う。
「マドレーヌも鞍に乗ってなかったんじゃ?」
アルは暫く目を瞑っていたがゆっくりロゼとエディに状況を説明し始めた。
マドレーヌがエディの国に来る元凶となった一家、元婚約者のアルノー伯爵家というのある。その家は現当主の祖父の代からかなり怪しかったが名門の伯爵家なのでおいそれと手を出せない状況であった。それは現王妃の実家、ベルティエ公爵家との繋がりと北の侯爵家の分家筋から嫁してきた現当主夫人なんかの政治的なあれこれがあるらしい。この辺は説明すると長いのとアル自身が今一つわかっていないので割愛して説明していた。
「で、今日行くはずだった魔の森にアンデッド系?みたいな聖職者が居ないと退治できない魔物が出たらしい」
エディもロゼも頷いて聞いている。
「それの対処でこの家は朝からばたばたしてるわけなんだが……。そのアンデッドの核がマリアンヌ嬢に求婚するために足繁くこの領に通っていたらしい。で、……どうもその男にマドレーヌが帰ってくると知らせてはいけないのに知らsていたらしい」
「なんで知らせちゃだめなんだ?」
エディが疑問を口にする。アルは暫く考えていたが答える。
「まず、俺がエディの国に飛んだのは多分偶然……。間違った文字列をいれた魔法陣をつかわれて飛ばされたんだけど、……理由は有体に言えばお家騒動。俺は伯爵家出身の母親を持っているが側妃の子供で、正妃の子供が男児だったので正妃が邪魔になる俺を排除に動いたわけだ」
「うん」
エディもロゼも真剣に聞いている。
「エディの所に行った時、俺は寝間着でな」
「ああ、覚えてるよ。白いやつ着て、いきなり何もないところからそこに出て来たよな」
アルが頷く。
「当時の側近が正妃の側に取り込まれててな。一味の魔法が使える女性が寝室に入ってきて抵抗する間もなく他所の国へ飛ばされたんだよ。そんな状況で……、エディの国とここは国交がないからね。それにギルド利用の通信方法もしらなかったし、で暫くの間は連絡を取れなくて……そのままエディの国に骨をうずめるのか、って思ってた」
アルは一口お茶を飲んだ。マジックボックスから出したお茶はいい感じの温度だった。
「で、ある日、王都のギルドで見知った顔がいた。その子は女性だった。マドレーヌに国の
言葉で話しかけてウジェ殿の子供だって判って」
アルはふーっと息を吐いた。
「やっと国に連絡がとれたけど用心してウジェ殿だけに連絡したんだ。あの人は正妃と対立してるからね」
それが正解だったとアルは思った。当時の側近が正妃に食い散らかされていたのを気が付かなかった。それが幼さ故と言っても言い訳にはならないとも思っている。
「マリアンヌ嬢もあの当時の同じ事をしたわけさ。正妃の息のかかった男に俺がここに帰っている、と教えてしまった、と」
ロゼがふーんと言う。
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