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第三章
悲劇のヒロイン気分
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「もう何人か森に入ってると思う。早朝から人が出る気配してるから」
ロゼが報告に来たフロランにいう。
「まずいな。とりあえず。食堂には村に備蓄を放出してもらう。俺、ギルドに行っていくるよ」
「私が行くよ。教会の人も来てもらうといいよね」
マドレーヌがフロランを止める。フロランは現場で動いてもらった方が都合がいいと判断したのだ。
「そうだな。とりあえず神官様2,3人呼んでくれ。わかったな?」
「ええ。私はついでに王都に出たらいい?アルノーの館か父上の所かどっちがいい?」
「とりあえずは教会から神職を連れ帰ってくれ、その後は指示する。クロードが父上に繋いでるから動くのはその後。……ちょっと荷馬車で悪いがロゼとエディは一緒に来てくれ。そろそろアルは退屈してるしな。二人がかりで部屋にとじ込めてくれ」
4人は荷馬車で村から屋敷に戻った。そしてすぐにマドレーヌは家の馬に乗り町に向かう。教会に話をしに言ったのだ。エディとロゼはすぐにアルの元へ案内された。
「そろそろ森に出るんだよな?」
部屋に入るとアルは皮の胸当てと半長の手甲をつけて待機していた。
「今日は中止だってさ。なんだか家の人がばたばたしてるから詳しくはきけなくて」
ロゼが肩を竦める。
「そういうことなら……、死後者様が呼んでる」
守護者の声がアルに届く。滞在してる騎士と共に、そしてマリアンヌを連れて守護者の元に来いと言っている。
「守護者?」
ロゼが怪訝な顔をした瞬間、フロランが半泣きのマリアンヌをひったてるように連れて来た。
「うちの馬鹿娘をよろしく。守護者様が呼んでるんだよな?」
フロランは精霊の指示でマリアンヌを連れて来た。既に騎士に指示して守護者の樹の根本に椅子やテントを用意しているようだ。アルは守護者の指示の元、樹の元に向かう。
「この綺麗な樹か」
ロゼは感心して見ほれている。メイドが快適な様にマジックボックスに食べ物や飲み物を用意する。これもフロランが精霊に指示されてメイドに指示したものだった。
『来たな。今はお前達を隠すだけで精いっぱいだ。ここからアルが大股で3歩歩いた当たりに結界をはった。少々窮屈だが耐えてくれ』
そう言うと守護者は忙しいから質問するなといい、アルは守護者が指示した範囲を他の三人に教える。暫く4人で神妙な顔をしていたがアルとエディのお腹が鳴る。
「人間、こんな訳が判らない状況でも腹は減るんだなぁ」
エディは少し情けない顔になり、ロゼは微笑ながらメイドに言われた通りにマジックボックスから食べ物を取り出した。
「おお。携行バーを食べるつもりだったけど、こっちの方がいいや」
用意された軽食のセットにはマリアンヌが作ったパイも入っていた。マリアンヌはほろり、と涙を流した。エディもアルもこういう令嬢の扱い方は判らず二人ともロゼをすがる様に見た。ロゼも別段得意というわけではなかったが、色々な女子をしっているのでマリアンヌに泣いてる理由を訊ね、吐き出させるしかないと腹を決める。
「どうしたの?この軽食出したのはダメだった?」
ロゼは判ってややピントの外れた事を口にした。マリアンヌはわっと泣きふし、大声をあげる。ひとしきり泣いた後にアルに向かって謝りだした。マドレーヌは椅子から降り土の上で跪く、
「私の短慮で殿下を危険な目にあわせました。……この謝意をお受け取り下さい」
マリアンヌが隠し持っていた毒薬を飲もうとしたが毒薬はアルによって蹴り飛ばされる。
「そういう芝居がかった事はいらん」
アルは冷たい声で言った。エディはそれがそれこそ芝居だと理解したがマリアンヌはわかっ
ていない。小さな声でひっと悲鳴を上げた時にフロランが馬で来た。馬はのんびり草をはみながら大人しくしてる。
「この馬鹿っ。一人で浸ってんな。……お前を餌にして呼び出す事にする。どれだけの事をしてどれだけの物を呼び寄せたか。自覚してもらう。申し訳ありません。この阿呆を部屋に蟄居させます。守護者様、この阿呆まで護らなくていいです。これまで辺境の娘としての覚悟もなく生きてきたのだから最後くらい勤めを果たせ」
フロランはそう言うと荷物の様にマリアンヌを抱き、馬の上に乗せる、自分も馬にのりマリアンヌを抑えながら帰っていった。
ロゼが報告に来たフロランにいう。
「まずいな。とりあえず。食堂には村に備蓄を放出してもらう。俺、ギルドに行っていくるよ」
「私が行くよ。教会の人も来てもらうといいよね」
マドレーヌがフロランを止める。フロランは現場で動いてもらった方が都合がいいと判断したのだ。
「そうだな。とりあえず神官様2,3人呼んでくれ。わかったな?」
「ええ。私はついでに王都に出たらいい?アルノーの館か父上の所かどっちがいい?」
「とりあえずは教会から神職を連れ帰ってくれ、その後は指示する。クロードが父上に繋いでるから動くのはその後。……ちょっと荷馬車で悪いがロゼとエディは一緒に来てくれ。そろそろアルは退屈してるしな。二人がかりで部屋にとじ込めてくれ」
4人は荷馬車で村から屋敷に戻った。そしてすぐにマドレーヌは家の馬に乗り町に向かう。教会に話をしに言ったのだ。エディとロゼはすぐにアルの元へ案内された。
「そろそろ森に出るんだよな?」
部屋に入るとアルは皮の胸当てと半長の手甲をつけて待機していた。
「今日は中止だってさ。なんだか家の人がばたばたしてるから詳しくはきけなくて」
ロゼが肩を竦める。
「そういうことなら……、死後者様が呼んでる」
守護者の声がアルに届く。滞在してる騎士と共に、そしてマリアンヌを連れて守護者の元に来いと言っている。
「守護者?」
ロゼが怪訝な顔をした瞬間、フロランが半泣きのマリアンヌをひったてるように連れて来た。
「うちの馬鹿娘をよろしく。守護者様が呼んでるんだよな?」
フロランは精霊の指示でマリアンヌを連れて来た。既に騎士に指示して守護者の樹の根本に椅子やテントを用意しているようだ。アルは守護者の指示の元、樹の元に向かう。
「この綺麗な樹か」
ロゼは感心して見ほれている。メイドが快適な様にマジックボックスに食べ物や飲み物を用意する。これもフロランが精霊に指示されてメイドに指示したものだった。
『来たな。今はお前達を隠すだけで精いっぱいだ。ここからアルが大股で3歩歩いた当たりに結界をはった。少々窮屈だが耐えてくれ』
そう言うと守護者は忙しいから質問するなといい、アルは守護者が指示した範囲を他の三人に教える。暫く4人で神妙な顔をしていたがアルとエディのお腹が鳴る。
「人間、こんな訳が判らない状況でも腹は減るんだなぁ」
エディは少し情けない顔になり、ロゼは微笑ながらメイドに言われた通りにマジックボックスから食べ物を取り出した。
「おお。携行バーを食べるつもりだったけど、こっちの方がいいや」
用意された軽食のセットにはマリアンヌが作ったパイも入っていた。マリアンヌはほろり、と涙を流した。エディもアルもこういう令嬢の扱い方は判らず二人ともロゼをすがる様に見た。ロゼも別段得意というわけではなかったが、色々な女子をしっているのでマリアンヌに泣いてる理由を訊ね、吐き出させるしかないと腹を決める。
「どうしたの?この軽食出したのはダメだった?」
ロゼは判ってややピントの外れた事を口にした。マリアンヌはわっと泣きふし、大声をあげる。ひとしきり泣いた後にアルに向かって謝りだした。マドレーヌは椅子から降り土の上で跪く、
「私の短慮で殿下を危険な目にあわせました。……この謝意をお受け取り下さい」
マリアンヌが隠し持っていた毒薬を飲もうとしたが毒薬はアルによって蹴り飛ばされる。
「そういう芝居がかった事はいらん」
アルは冷たい声で言った。エディはそれがそれこそ芝居だと理解したがマリアンヌはわかっ
ていない。小さな声でひっと悲鳴を上げた時にフロランが馬で来た。馬はのんびり草をはみながら大人しくしてる。
「この馬鹿っ。一人で浸ってんな。……お前を餌にして呼び出す事にする。どれだけの事をしてどれだけの物を呼び寄せたか。自覚してもらう。申し訳ありません。この阿呆を部屋に蟄居させます。守護者様、この阿呆まで護らなくていいです。これまで辺境の娘としての覚悟もなく生きてきたのだから最後くらい勤めを果たせ」
フロランはそう言うと荷物の様にマリアンヌを抱き、馬の上に乗せる、自分も馬にのりマリアンヌを抑えながら帰っていった。
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