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幕間 2
エディ、腹を括る
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地上に戻ると、ギルドにはマドレーヌに手紙が溜まっていた。
「ロクサーヌ先輩の元に蝶はとどいたけど手紙が全く読めなかったって」
「やはり距離が遠いのかな」
「魔力がもっと強いなら行けるのだけど」
「オヤジとか、グランサニュー公爵レベルじゃないと無理かな」
アルはマドレーヌの言葉に、どこか心無い返事をかえしている。アルは熱い茶を飲みながらまったりしている。明日には特殊手段で帰宅の途につくとアキラに言われているので少し緊張していたので、無理にゆったりとしているのだ。
「へぇ、ネイサン王子は王宮ではなくて先輩のおうちで過ごしてるんだって」
エディとロゼは無言で変な緊張感を間に漂わせている。マドレーヌもアルも触れなかった。マドレーヌはロゼに『ちょっと空気悪くしちゃうけど、明日までにけりつけちゃう』と言われていた。
『ここでお別れかも。こことディアーヌ王国の西の端の街は直通馬車があるし。王国の王都に落ち着いたらギルド伝いで連絡入れるよ』
ロゼは勝負かけるんだな、と思ってマドレーヌは黙って頷いた。アルはそういう空気を感じてフォローするには恋愛面で幼かった。マドレーヌは国に帰ったら令嬢に良いようにされそうだなと思っていたがこれ以上のプレッシャーを与えても、と思って何も言わなかった。そして、セイラ妃とレア王女がなんとかするだろうと思っている。
「ロゼ、ちょっと散歩に行こうか」
エディはロゼの圧に耐えかねて、外に誘う。ロゼは頷いてエディと共に外にでた。マドレーヌは心の中でロゼを応援している。
「アキラ、来ないね」
気を逸らすようにマドレーヌが言う。アルはどこか一部分が抜けているように返事をする。
「ああ」
そのまま二人は黙りこくる。食堂のその一角は美男美女がまったりと座っているように見周りには見えている。それを見てなにか得した気分にになっていた冒険者はそのふたりを邪魔しないようにそっと静かに自分たちの食事を終わらせた。ギルドの宿舎の食堂とも思えない静かさであった。
「長い事旅してるように思うけど……そこまでたってないんだよな、ロゼと一緒に旅する用意なって」
「そうね」
食堂での圧が嘘のようにロゼは穏やかな態度であった。エディは目を合わさずにこの辺境の外れにある冒険者自治区の風景を見ている。
「その……、あの……」
エディはくるりとロゼの方に体ごと向き直る。そして自分の大きな手両方でロゼの手を包み込む。
「ロゼ、俺でいいなら……一緒に冒険者をやらないか」
エディはつっかえて居た言葉を一気に吐き出した。
「……そうね。貴方は私を冒険のパートナーとして欲しいってこと?」
ロゼの態度にエディは伝え方が良くなかったと悟る。
「いや、その……あの……、ずっと一緒に居て欲しい」
「それは妻としてって事?」
ロゼは容赦をせずエディの言葉を確定させる。
「そ、そう。それです」
エディは緊張のあまり声が裏返っている。
「わかった。あたしはエディの妻、パートナーになる」
ロゼの返答にエディはその場にしゃがみこんだ。
「よかった……、なあ、ロゼ、なんで俺なんだ」
「嘘がつけないから。それとさ、あたしの両手を包み込めるだけ手が大きい男だから」
エディは子犬のような目でしゃがみこんだまま下からロゼを見る。
「アルだって結構大柄だし……あいつの方がいい男だろ」
「あたしはエディがいいの」
ロゼはぽんぽんとエディの頭を撫でた。
「ロクサーヌ先輩の元に蝶はとどいたけど手紙が全く読めなかったって」
「やはり距離が遠いのかな」
「魔力がもっと強いなら行けるのだけど」
「オヤジとか、グランサニュー公爵レベルじゃないと無理かな」
アルはマドレーヌの言葉に、どこか心無い返事をかえしている。アルは熱い茶を飲みながらまったりしている。明日には特殊手段で帰宅の途につくとアキラに言われているので少し緊張していたので、無理にゆったりとしているのだ。
「へぇ、ネイサン王子は王宮ではなくて先輩のおうちで過ごしてるんだって」
エディとロゼは無言で変な緊張感を間に漂わせている。マドレーヌもアルも触れなかった。マドレーヌはロゼに『ちょっと空気悪くしちゃうけど、明日までにけりつけちゃう』と言われていた。
『ここでお別れかも。こことディアーヌ王国の西の端の街は直通馬車があるし。王国の王都に落ち着いたらギルド伝いで連絡入れるよ』
ロゼは勝負かけるんだな、と思ってマドレーヌは黙って頷いた。アルはそういう空気を感じてフォローするには恋愛面で幼かった。マドレーヌは国に帰ったら令嬢に良いようにされそうだなと思っていたがこれ以上のプレッシャーを与えても、と思って何も言わなかった。そして、セイラ妃とレア王女がなんとかするだろうと思っている。
「ロゼ、ちょっと散歩に行こうか」
エディはロゼの圧に耐えかねて、外に誘う。ロゼは頷いてエディと共に外にでた。マドレーヌは心の中でロゼを応援している。
「アキラ、来ないね」
気を逸らすようにマドレーヌが言う。アルはどこか一部分が抜けているように返事をする。
「ああ」
そのまま二人は黙りこくる。食堂のその一角は美男美女がまったりと座っているように見周りには見えている。それを見てなにか得した気分にになっていた冒険者はそのふたりを邪魔しないようにそっと静かに自分たちの食事を終わらせた。ギルドの宿舎の食堂とも思えない静かさであった。
「長い事旅してるように思うけど……そこまでたってないんだよな、ロゼと一緒に旅する用意なって」
「そうね」
食堂での圧が嘘のようにロゼは穏やかな態度であった。エディは目を合わさずにこの辺境の外れにある冒険者自治区の風景を見ている。
「その……、あの……」
エディはくるりとロゼの方に体ごと向き直る。そして自分の大きな手両方でロゼの手を包み込む。
「ロゼ、俺でいいなら……一緒に冒険者をやらないか」
エディはつっかえて居た言葉を一気に吐き出した。
「……そうね。貴方は私を冒険のパートナーとして欲しいってこと?」
ロゼの態度にエディは伝え方が良くなかったと悟る。
「いや、その……あの……、ずっと一緒に居て欲しい」
「それは妻としてって事?」
ロゼは容赦をせずエディの言葉を確定させる。
「そ、そう。それです」
エディは緊張のあまり声が裏返っている。
「わかった。あたしはエディの妻、パートナーになる」
ロゼの返答にエディはその場にしゃがみこんだ。
「よかった……、なあ、ロゼ、なんで俺なんだ」
「嘘がつけないから。それとさ、あたしの両手を包み込めるだけ手が大きい男だから」
エディは子犬のような目でしゃがみこんだまま下からロゼを見る。
「アルだって結構大柄だし……あいつの方がいい男だろ」
「あたしはエディがいいの」
ロゼはぽんぽんとエディの頭を撫でた。
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