悪役令嬢、冒険者になる 【完結】

あくの

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第二章

出発するよ

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 翌日はアルはエドに手伝ってもらってこの国の死霊関連の魔術の事を調べた。

「あと1週間はこの国にいる」

アルが宣言する。

「本屋に本の取り寄せ頼んだからな。それが届くまでだ」

「はーい」

マドレーヌは今日もロゼと出かけるらしい。

「モイラにプレゼント買いに行くの」

エドは早々に宿を引き払ってリュカとモイラの家に入った。下宿、という形らしい。

「リュカはエドを気に入ってモイラと一緒になって欲しいってさ」

エドの引っ越しを手伝ったエディが言う。エディとアルは引っ越しの手伝いにいったようだった。マドレーヌは

「そう」

とだけ呟いている。マドレーヌは自分が抱えてる感情はなんだろうと思っていた。恋愛感情というものではなさそうで、言い方は良くないがお気に入りの玩具を年下の子供にあげた時の感情が経験した中で一番近いな、と思った。
 次の国行くまでの間、ロゼは神殿でアルにくっついていた「悪意」のような靄は今回のダンジョンコアとは関係なさそうだと返事をもらった。ただ、アルが死霊使いについて調べているのを見て神殿に死霊使いや死体使いも調べて置いたらいいのではと進言しておいた。神殿は彼らを下に見ていて『取るに足りない存在』と思った居るようだった。ロゼは一応その話を兄達にしておいた。グランが自分の方でも調査しておくと請け負ってくれた。またこの兄弟は御ルド利用の連絡システムの事は知っていたのでロゼはエディに着いて行っても他国に着いてすぐと国を出る前には連絡しろ、と約束させられていた。



 出立の日、エドはモイラ、リュカと共に見送りに来た。

「エドはどうするの?」

「この国の大学に行くよ。学生をやりながら冒険者も週末にして、モイラを守れるようにする」

モイラはうれしそうに照れ笑いする。マドレーヌはエドに別れを告げる。

「あの国からお世話になったわ。ありがとう」

じっとマドレーヌの紫ががった青い目で見つめられてエドは少しどぎまぎする。いくらモイラを好いていてもマドレーヌの美貌はその程度の破壊力はあった。モイラはちょっと妬けたけれど自分が見つめられてもドキドキするものんなと考え直す。

「ロゼ姉、言っちゃうんだ」

「エディを口説くからね」

「帰ってくる?」

モイラが目に涙を貯めている。

「わからん。確実な薬草はできないな」

ロゼは正直に返す。

「でも、手紙は書くよ。それは約束する」

「わかった。私も書くから。グランさんに一緒にだしてもらうね」

ロゼは頷いた。

「ちゃんと神殿の仕事もするんだよ」

ロゼはモイラの頭を撫でた。


 アル、エディ、マドレーヌ、ロゼの4人は次の国へと東の国の商会のネットワークを利用して旅立った。
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