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第二章
無属性の精霊
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「無属性の精霊と契約した」
フロランの言葉に公爵は驚いた。
「無属性の精霊なんているのか」
「この土地には。グランジエの人間の魔力が無属性なのと関係あるらしい、です」
フロランはグランサニュー公爵が公爵だと思い出したようだった。
「王都にもいるんだけど色んな属性の精霊と一緒にいて目立たなくしてるって。……一番精霊がいるのは側妃宮だって。あそこは『悪意』が入ってこないから気持ちいんだってさ。俺が契約してるのは小精霊だけど、側妃宮には守護者様と仲のいい大精霊様、各属性と無属性の5大精霊の拠点にもなってるって」
フロランの話は公爵も知らない話だった。
「そんなことになってるのか」
「セイラ妃がそもそも精霊に愛されてる人だから。愛し子とまではいかないけど、って」
フロランは自分が契約してる精霊と話ながら話しているようだった。
「さて、と。家にかえらねばな」
「その前に、王都の神殿でしょ。……俺も行かなきゃならんな。よし、フロランお前も来い」
ウージェーヌはさらっと大事な事を決める。
「……先に母上に許可とってくれよ」
フロランが警告する。
「今回も『ちょっと行ってくる』ってどこにとも言わないで言ったでしょう。それで母上怒ってるんだから」
「わかったよ。じゃちょっとジョアンの件片してくるわ」
ウージェーヌはそう言ってジョアンの元へ向かった。
「ウジェは……その、夫婦仲大丈夫なのか」
公爵が心配そうにフロランに訊ねるとフロランは笑って答える。
「ああ、今頃部屋で二人でいちゃいちゃしてますよ。……王都に行くときは母上が服を選んで着飾らせますからね。あの夫婦のコミュニケーションです」
フロランは悟っているようだった。
「今回の母上が拗ねてるちょっと放置だったから拗ねてただけだし」
あとはマリアンヌの結婚問題でいらついてるんだよな、とフロランは心の中で付け足す。どちらにしてもマドレーヌの帰国待ちだよな、フロランはクロードと話し合った事を思い出す。当事者であるマドレーヌがアルノー家を許すかどうか、だと黒0℃は言ったがフロランはマドレーヌはこだわらないと思っていた。マドレーヌもだが、ベルティエ公爵家に預けられたアランが全くと言って『反省』していないらしいのがアルノー家の問題だった。ネイサンは日に日に『おまぬけな気の良い王子様』という印象になっているらしいがアランは……とアルノー家に刺繍をした布を納入に行っているマリアンヌから聞いている。マリアンヌはギルドの装置を一人で使えるほど魔力はないので10日に一度、クロードが王都に連れて行っている。クロードは長男として王都での仕事ができるし、その間マリアンヌはアルノー家に預かってもらえるので一安心だった。
なぜならマドレーヌたちが通っている学園では悪役令嬢マドレーヌがアランを仲のいいロクサーヌにあることない事告げ口して監禁して罰してもらっている、という事になっているらしい。
なぜそこにいないマドレーヌにそんな事が出来るのかなどは関係なく噂は面白い方に流れる。マドレーヌは一見地味なのだがマドレーヌの顔を知っていればマドレーヌと姉妹だと判る位には似ている。なのでクロードにしたら街中にマリアンヌを置くのは嫌だったのだ。クロードにそういう話を教えてくれるのは文官の一人で現在子爵家を継いだ学生時代の友人で会った。友人の妹が学園に通っていてそう言う話をしてくれるのだとか。
「居なくても騒動起こすのか、うちの妹……」
クロードは小さくため息をついた。
フロランの言葉に公爵は驚いた。
「無属性の精霊なんているのか」
「この土地には。グランジエの人間の魔力が無属性なのと関係あるらしい、です」
フロランはグランサニュー公爵が公爵だと思い出したようだった。
「王都にもいるんだけど色んな属性の精霊と一緒にいて目立たなくしてるって。……一番精霊がいるのは側妃宮だって。あそこは『悪意』が入ってこないから気持ちいんだってさ。俺が契約してるのは小精霊だけど、側妃宮には守護者様と仲のいい大精霊様、各属性と無属性の5大精霊の拠点にもなってるって」
フロランの話は公爵も知らない話だった。
「そんなことになってるのか」
「セイラ妃がそもそも精霊に愛されてる人だから。愛し子とまではいかないけど、って」
フロランは自分が契約してる精霊と話ながら話しているようだった。
「さて、と。家にかえらねばな」
「その前に、王都の神殿でしょ。……俺も行かなきゃならんな。よし、フロランお前も来い」
ウージェーヌはさらっと大事な事を決める。
「……先に母上に許可とってくれよ」
フロランが警告する。
「今回も『ちょっと行ってくる』ってどこにとも言わないで言ったでしょう。それで母上怒ってるんだから」
「わかったよ。じゃちょっとジョアンの件片してくるわ」
ウージェーヌはそう言ってジョアンの元へ向かった。
「ウジェは……その、夫婦仲大丈夫なのか」
公爵が心配そうにフロランに訊ねるとフロランは笑って答える。
「ああ、今頃部屋で二人でいちゃいちゃしてますよ。……王都に行くときは母上が服を選んで着飾らせますからね。あの夫婦のコミュニケーションです」
フロランは悟っているようだった。
「今回の母上が拗ねてるちょっと放置だったから拗ねてただけだし」
あとはマリアンヌの結婚問題でいらついてるんだよな、とフロランは心の中で付け足す。どちらにしてもマドレーヌの帰国待ちだよな、フロランはクロードと話し合った事を思い出す。当事者であるマドレーヌがアルノー家を許すかどうか、だと黒0℃は言ったがフロランはマドレーヌはこだわらないと思っていた。マドレーヌもだが、ベルティエ公爵家に預けられたアランが全くと言って『反省』していないらしいのがアルノー家の問題だった。ネイサンは日に日に『おまぬけな気の良い王子様』という印象になっているらしいがアランは……とアルノー家に刺繍をした布を納入に行っているマリアンヌから聞いている。マリアンヌはギルドの装置を一人で使えるほど魔力はないので10日に一度、クロードが王都に連れて行っている。クロードは長男として王都での仕事ができるし、その間マリアンヌはアルノー家に預かってもらえるので一安心だった。
なぜならマドレーヌたちが通っている学園では悪役令嬢マドレーヌがアランを仲のいいロクサーヌにあることない事告げ口して監禁して罰してもらっている、という事になっているらしい。
なぜそこにいないマドレーヌにそんな事が出来るのかなどは関係なく噂は面白い方に流れる。マドレーヌは一見地味なのだがマドレーヌの顔を知っていればマドレーヌと姉妹だと判る位には似ている。なのでクロードにしたら街中にマリアンヌを置くのは嫌だったのだ。クロードにそういう話を教えてくれるのは文官の一人で現在子爵家を継いだ学生時代の友人で会った。友人の妹が学園に通っていてそう言う話をしてくれるのだとか。
「居なくても騒動起こすのか、うちの妹……」
クロードは小さくため息をついた。
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