悪役令嬢、冒険者になる 【完結】

あくの

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第二章

一人去って一人入る

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 「あの……席外しましょうか」

マドレーヌが恐る恐る口を挟むとエディとロゼがはっとなった。

「エディ、あんたの部屋で話そう」

エディは唸っていたが最終的に頷いた。

「ごめんな。ちょっと失礼するね」

エディはそう言ってすたすたと歩き出しロゼはそれに着いて行った。



 「エディ、この国に残るのかな」

マドレーヌがぽつんと呟いた。

「それも奴の選択だよ。俺達はどうにもできない」

「そうだよね」

 その夜はエドもエディも部屋に戻らずアルは部屋で一人で寝た。翌日の昼エドが戻ってきた。

「あれ?エディ出かけてるんだ」

「そうだな。エドはどこ行ってたんだ」

「神殿で話してたんだ」

アルは誰と、とも聞かない。エドはなにか言いたげであったが暫くして

「風呂に行ってくる」

と部屋から出て行った。



 エディがロゼと戻って来たのはその翌日だった。

「……話がある」

エディの言葉でアルはマドレーヌを部屋に呼んだ。アル達の部屋にはアル、エディ、エド、ロゼ、マドレーヌがいる。

「エディ借りてて済まなかったね」

ロゼがニコニコ顔で言う。マドレーヌはエディはロゼとこの国に残るのか、と思った。

「まず、俺はアルが国に着くまで一緒に行く」

マドレーヌの目が丸くなる。

「あたしはエディが自分と一緒になってくれるように口説きたい。……のでこのパーティ
に加入したい」

ロゼがはっきりと言う。

「……俺はいいけど、マドレーヌは?」

「良いと思うけど……、泊まる時は私と一緒?エディと一緒?」

ロゼが返事をするよりも早くエディが返事を口にした。

「マドレーヌと一緒だ。けじめはつけたい」

ロゼが少し残念そうな顔になる。

「エドはどう思う?」

マドレーヌの言葉にエドは弾かれたように立ち上がる。

「あ、ああ……いいんじゃないかな。……俺も話があるんだ」

エドの言葉が衝撃的であった。

「俺、ここで降りる。……モイラと付き合う事になったから……モイラの側にいたい」

マドレーヌはこちらに送られて手助けしてくれた彼とはここでお別れなんだな、と思った。

「……わかった。俺は理解したがマドレーヌは」

「私が止めるのは違うと思う。エド、……お別れは寂しいけど、モイラはいい子だから。幸せになってね」

エドは軽く首を傾げた。

「んー、結婚できるかは判んないけど。この国は図書館も充実してるし、勉強しやすそうなのも気に入ったし」

「ここからだと国にも帰りやすいしな。この国から直行の馬車も出てる」

エディが言う。

「万が一帰ったらギルドに顔だしといてくれ」

エドは穏やかに笑う。

「気が早いな」
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