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第二章
生温かく見守る子供たち
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その日からフロランは狩りが終わった後にグランサニュー公爵夫人の元を訪ねるようになった。フロランが説得してマリアンヌもエマの元を訪れるようになった。
マリアンヌが何故社交界に出ないかなどの理由もエマは微笑ながら話を聞いてくれてマリアンヌは一気にエマのファンになった。
午前中のお茶の時間にはマドレーヌが焼きたてのお菓子とともにやってきて、夕食前の時間にはフロランが森で見つけた木の実やベリー類を持ってくる。
フロランの持ってくる甘い果実などは守護者のお気に入りのようだった。
グランサニュー公爵夫人の儀式が終わった頃には銀の葉の樹は木と呼んでいい大きさになり、守護者も手首からひじ位の大きさになった。その頃、公爵はギルドの転移システムを使ってウージェーヌと共に西の辺境にいた。ウージェーヌはジョアンにしっかり叱られていた。
「家を開けてる間は伝言なりしてください」
「ごめん」
という様なやり取りを子供たち、クロード、フロラン、マリアンヌは生あったかく見ている。ウージェーヌが家の事を忘れて飛び回ってられるのはジョアンあってこそだと子供たちは知っていたし、なにかあってもジョアンが居れば大丈夫だと思っていた。
「そういえばお前の父親はどうした?」
グランサニュー公爵がウージェーヌに訊ねるとウージェーヌは不思議そうな顔になった。
「貴方の甥っ子、前の陛下に呼ばれて行きましたよ。狩人が欲しいから手伝えとか言われて」
「あいついつ帰ってた?」
「一月半くらい前かな?北の侯爵が知ってるはず。あそこの山脈に籠ってるんじゃないかなぁ」
ユキヒョウが出たとか言ってたから、とウージェーヌは続ける。
「孫の顔でも見て行きゃいいのに」
「あの人には無理だろう。本質は冒険者だもの」
ウージェーヌが判ったように言うので公爵はむかっ腹が立ってウージェーヌの鼻をつまんだ。
公爵が銀の葉の樹の元に立つとふわっと小さな守護者が目の前に降りて来た。
「えらく可愛い大きさだな」
『この距離だと今の所この大きさが限界だな』
「そうか。居心地はどうだ?」
『そうだな、樹も馴染んだし、アルが戻って来る頃にはもう少し話せるようになってるかな。そうだ、ここの次男多分妖精眼だぞ。本人に話を聞いてから、前の神官長の所つれてけ。いや、今の神官長でもいいが神殿にバレると面倒だ』
「そうだな、この家の人間を政治の場面に晒すのはちょっとな」
公爵の言葉に小さな守護者は同意した。
「ウージェーヌを政界に突っ込んでみたくはあるが……」
『それはいやがらせのためか?』
守護者が公爵をからかうが公爵は真面目な顔で返す。
「それ以外になにがある?」
「さてと、フロランよ。いつから見えてる?」
公爵の問いかけをフロランはごまかそうと思ったようだが暫く逡巡してから素直に答えた。
「ずっと昔から。俺とマリアンヌが見えてる。兄とマドレーヌは見えない。俺が一番見えてるかな」
「みえるのは精霊だけか?」
公爵の問いにフロランは首を傾げる。
「んー、あれがなんなのかは判らないけど。呪いの中の特定のもの。多分出自が黒魔術のものの靄がみえたりする」
フロランは顎を上げて小さく声を出して表現を変える。
「明確にみえるっていうと違うかな。匂うって感じ」
「ウージェーヌは知ってたのか」
それまで黙ってたフロランの父親、ウージェーヌが答える。
「知ってたさ、父親だもの。マリアンヌとフロランは幼いころはみえないお友達と遊んでたしな。……フロランは精霊と契約してたよな?」
フロランは頷いた。
マリアンヌが何故社交界に出ないかなどの理由もエマは微笑ながら話を聞いてくれてマリアンヌは一気にエマのファンになった。
午前中のお茶の時間にはマドレーヌが焼きたてのお菓子とともにやってきて、夕食前の時間にはフロランが森で見つけた木の実やベリー類を持ってくる。
フロランの持ってくる甘い果実などは守護者のお気に入りのようだった。
グランサニュー公爵夫人の儀式が終わった頃には銀の葉の樹は木と呼んでいい大きさになり、守護者も手首からひじ位の大きさになった。その頃、公爵はギルドの転移システムを使ってウージェーヌと共に西の辺境にいた。ウージェーヌはジョアンにしっかり叱られていた。
「家を開けてる間は伝言なりしてください」
「ごめん」
という様なやり取りを子供たち、クロード、フロラン、マリアンヌは生あったかく見ている。ウージェーヌが家の事を忘れて飛び回ってられるのはジョアンあってこそだと子供たちは知っていたし、なにかあってもジョアンが居れば大丈夫だと思っていた。
「そういえばお前の父親はどうした?」
グランサニュー公爵がウージェーヌに訊ねるとウージェーヌは不思議そうな顔になった。
「貴方の甥っ子、前の陛下に呼ばれて行きましたよ。狩人が欲しいから手伝えとか言われて」
「あいついつ帰ってた?」
「一月半くらい前かな?北の侯爵が知ってるはず。あそこの山脈に籠ってるんじゃないかなぁ」
ユキヒョウが出たとか言ってたから、とウージェーヌは続ける。
「孫の顔でも見て行きゃいいのに」
「あの人には無理だろう。本質は冒険者だもの」
ウージェーヌが判ったように言うので公爵はむかっ腹が立ってウージェーヌの鼻をつまんだ。
公爵が銀の葉の樹の元に立つとふわっと小さな守護者が目の前に降りて来た。
「えらく可愛い大きさだな」
『この距離だと今の所この大きさが限界だな』
「そうか。居心地はどうだ?」
『そうだな、樹も馴染んだし、アルが戻って来る頃にはもう少し話せるようになってるかな。そうだ、ここの次男多分妖精眼だぞ。本人に話を聞いてから、前の神官長の所つれてけ。いや、今の神官長でもいいが神殿にバレると面倒だ』
「そうだな、この家の人間を政治の場面に晒すのはちょっとな」
公爵の言葉に小さな守護者は同意した。
「ウージェーヌを政界に突っ込んでみたくはあるが……」
『それはいやがらせのためか?』
守護者が公爵をからかうが公爵は真面目な顔で返す。
「それ以外になにがある?」
「さてと、フロランよ。いつから見えてる?」
公爵の問いかけをフロランはごまかそうと思ったようだが暫く逡巡してから素直に答えた。
「ずっと昔から。俺とマリアンヌが見えてる。兄とマドレーヌは見えない。俺が一番見えてるかな」
「みえるのは精霊だけか?」
公爵の問いにフロランは首を傾げる。
「んー、あれがなんなのかは判らないけど。呪いの中の特定のもの。多分出自が黒魔術のものの靄がみえたりする」
フロランは顎を上げて小さく声を出して表現を変える。
「明確にみえるっていうと違うかな。匂うって感じ」
「ウージェーヌは知ってたのか」
それまで黙ってたフロランの父親、ウージェーヌが答える。
「知ってたさ、父親だもの。マリアンヌとフロランは幼いころはみえないお友達と遊んでたしな。……フロランは精霊と契約してたよな?」
フロランは頷いた。
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