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第二章
ゆっくりと過ごす
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宿に戻り、食堂でアル、エディ、エド、マドレーヌは仕事が終わったお疲れさんの宴会をしている。と言ってもマドレーヌは果実水を飲んでいる。
「スライムの色変わりとか驚いたよ。他のスライムより一回り大きいし」
モンスター津波が起こりかけていたおかげで1階層目にいた初級者は全員1段階、ギルド内でクラスが上がっていた。EクラスだったエドはDクラスになった。とにかくスライムと角ウサギがわらわら沸くのだという。
「絶対ギルドの食堂はこれから暫く角ウサギ祭りになると思う」
エドがそれくらいウサギが沸いたという。また、エドたちが1階層目への階段で粘る前にかなりの数のスライムが外に出たらしくギルド職員がスライムの色変わりを告げる前にギルドに様子を見に来いと複数人の冒険者を要請していたのだとか。
「判断の早い人がいてよかった」
エディが言い、皆も頷いた。今回掃除に行ったダンジョンはつい先月モンスター津波が起きた所なので、多めになってる魔物をコントロールするためにギルドが企画したらしい。実際、今回は聖女は要らないだろうという話だったが、万が一もあるからとこの地域の聖女の一人モイラがいくことになってリュカがA班のリーダーと決まったらしい。
お互い聞いた話を突き合わせながらのんびりと夕飯と祝宴を兼ねての会食だった。
翌日はギルドも混んでいるだろうからと4人は完全休養日とし、エディはロゼに連れられてデートに出かけた。エディは女性にぐいぐい来られて困惑気味だった。
その翌日はモイラとロゼとマドレーヌでこの街のスイーツ巡りをしてくるといい、エドはこの街にの書店と図書館を見に行くという。エディは前日の疲れて寝ているのでアルはすることがなかった。最近マドレーヌから教わって使っている生活魔法で洗濯ものを片づけ、することがなくなったのでギルドに行って今回の報酬の清算をしにいった。
「お手紙が届いてます」
グランサニュー公爵からの手紙だった。正妃の母親と思われる死骸を見つけた事、そこで前ベルティエ公爵と一緒だった事、悪魔崇拝と思われていた一党悪魔というより邪神崇拝であったこと。祖国にはその神の資料が殆ど無いので、回る国でその神の資料がないかチェックして欲しいことなどが書いてあった。
「邪神ねぇ……」
そこに書かれていた名前はこちらでは良く聞く名前ではあった。ただし良い事も悪い事もするいたずら好きな神様として有名で、こちらでは『子供の神様』という名前で広く信仰されている神様であった。信仰、というよりは親しまれている、と言った方がいいかもしれない。神殿があるわけでもなく、道端や神殿の片隅に像が置かれていて花やお菓子が供えられている、そんな神様であった。
神様の扱いが国で変わるのは良くある話で、自国と狼人国、蛇人国で同じ神が扱い
が違うのはアルは知っていた。主神のソル神と対になる月の女神ディアナ様、主神はどの国でも太陽神だが、ディアナ様は美の女神だったり夜の女神だったりする。
これもそんな事のひとつだろうとアルは思っていた。が、一応グランサニュー公爵の依頼というかお願いだから明日は本屋だな、とスケジュールを決めた。rドにも手伝って貰うか、アルはそう思いながら少しうたたねをする。何故か自分はグランサニュー公爵家の庭に立っていて守護者と顔を合わせている。
「ほう、夢に干渉できたか」
はっきりと守護者と言葉を交わす。
「本物みたいだ」
「本物だよ。ま、しょっちゅうこんな交流は出来ないがな。そうだ、いつまでこの夢と接触できているか判らないから手短に言うが、民間信仰の事もだが、各国の死霊術を調べてくれ。頼む」
それを聞いた途端夢は雑音が増えグランサニュー公爵邸の庭から神殿の奥深く、行ったこともないのにそこが神殿の奥深くと判っている薄暗い場所に場面が切り替わる。女が必死に手を伸ばしてくる。が、その女に触れられたら終わる、と必死にその場から離れようと焦っていた。
「……アル、うなされてたぞ。外まで聞こえてた」
エディに揺さぶられtえ目を覚ます。アルはがばっと起き上がる。
「エディ」
「そうだ、エディだ。酷い汗だぞ。……マドレーヌがメリルとロゼを連れて夕飯にこの宿に来るらしいぞ、アルは参加するか?」
「ああ。少し汗を流してくる」
アルは上半身裸になり、木剣をもって中庭に出て、ひととき、子供自分に習った鍛錬を一通り終わらせて部屋に戻り、宿の浴室で汗を流す。この宿に決めたのは浴室が広くて清潔だったからだ。マドレーヌの部屋は個室に浴室も着いているこの宿で一番の高価な部屋だった。アルは父親からの援助で旅が多少楽になった事を感謝しつつ、体裁を整えた。
「スライムの色変わりとか驚いたよ。他のスライムより一回り大きいし」
モンスター津波が起こりかけていたおかげで1階層目にいた初級者は全員1段階、ギルド内でクラスが上がっていた。EクラスだったエドはDクラスになった。とにかくスライムと角ウサギがわらわら沸くのだという。
「絶対ギルドの食堂はこれから暫く角ウサギ祭りになると思う」
エドがそれくらいウサギが沸いたという。また、エドたちが1階層目への階段で粘る前にかなりの数のスライムが外に出たらしくギルド職員がスライムの色変わりを告げる前にギルドに様子を見に来いと複数人の冒険者を要請していたのだとか。
「判断の早い人がいてよかった」
エディが言い、皆も頷いた。今回掃除に行ったダンジョンはつい先月モンスター津波が起きた所なので、多めになってる魔物をコントロールするためにギルドが企画したらしい。実際、今回は聖女は要らないだろうという話だったが、万が一もあるからとこの地域の聖女の一人モイラがいくことになってリュカがA班のリーダーと決まったらしい。
お互い聞いた話を突き合わせながらのんびりと夕飯と祝宴を兼ねての会食だった。
翌日はギルドも混んでいるだろうからと4人は完全休養日とし、エディはロゼに連れられてデートに出かけた。エディは女性にぐいぐい来られて困惑気味だった。
その翌日はモイラとロゼとマドレーヌでこの街のスイーツ巡りをしてくるといい、エドはこの街にの書店と図書館を見に行くという。エディは前日の疲れて寝ているのでアルはすることがなかった。最近マドレーヌから教わって使っている生活魔法で洗濯ものを片づけ、することがなくなったのでギルドに行って今回の報酬の清算をしにいった。
「お手紙が届いてます」
グランサニュー公爵からの手紙だった。正妃の母親と思われる死骸を見つけた事、そこで前ベルティエ公爵と一緒だった事、悪魔崇拝と思われていた一党悪魔というより邪神崇拝であったこと。祖国にはその神の資料が殆ど無いので、回る国でその神の資料がないかチェックして欲しいことなどが書いてあった。
「邪神ねぇ……」
そこに書かれていた名前はこちらでは良く聞く名前ではあった。ただし良い事も悪い事もするいたずら好きな神様として有名で、こちらでは『子供の神様』という名前で広く信仰されている神様であった。信仰、というよりは親しまれている、と言った方がいいかもしれない。神殿があるわけでもなく、道端や神殿の片隅に像が置かれていて花やお菓子が供えられている、そんな神様であった。
神様の扱いが国で変わるのは良くある話で、自国と狼人国、蛇人国で同じ神が扱い
が違うのはアルは知っていた。主神のソル神と対になる月の女神ディアナ様、主神はどの国でも太陽神だが、ディアナ様は美の女神だったり夜の女神だったりする。
これもそんな事のひとつだろうとアルは思っていた。が、一応グランサニュー公爵の依頼というかお願いだから明日は本屋だな、とスケジュールを決めた。rドにも手伝って貰うか、アルはそう思いながら少しうたたねをする。何故か自分はグランサニュー公爵家の庭に立っていて守護者と顔を合わせている。
「ほう、夢に干渉できたか」
はっきりと守護者と言葉を交わす。
「本物みたいだ」
「本物だよ。ま、しょっちゅうこんな交流は出来ないがな。そうだ、いつまでこの夢と接触できているか判らないから手短に言うが、民間信仰の事もだが、各国の死霊術を調べてくれ。頼む」
それを聞いた途端夢は雑音が増えグランサニュー公爵邸の庭から神殿の奥深く、行ったこともないのにそこが神殿の奥深くと判っている薄暗い場所に場面が切り替わる。女が必死に手を伸ばしてくる。が、その女に触れられたら終わる、と必死にその場から離れようと焦っていた。
「……アル、うなされてたぞ。外まで聞こえてた」
エディに揺さぶられtえ目を覚ます。アルはがばっと起き上がる。
「エディ」
「そうだ、エディだ。酷い汗だぞ。……マドレーヌがメリルとロゼを連れて夕飯にこの宿に来るらしいぞ、アルは参加するか?」
「ああ。少し汗を流してくる」
アルは上半身裸になり、木剣をもって中庭に出て、ひととき、子供自分に習った鍛錬を一通り終わらせて部屋に戻り、宿の浴室で汗を流す。この宿に決めたのは浴室が広くて清潔だったからだ。マドレーヌの部屋は個室に浴室も着いているこの宿で一番の高価な部屋だった。アルは父親からの援助で旅が多少楽になった事を感謝しつつ、体裁を整えた。
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