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第二章
イキの良い死体
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動く死骸は前神官長の聖句と聖水で動けなくなり、ルカと前神官長の二人で銀の鎖で縛り上げる。この鎖は聖銀で作られたもので、アンデッドならこの鎖を外す事ができない。
「これを神殿に持って行く」
銀の鎖が触れている蝋化した肌がずぶずぶと焦げていた。ルカがマジックバッグから大きな布を持ち出し、死骸を包む。死骸が抵抗しているのを見て改めtグランサニュー公爵はぞっとした表情になった。
「その布なんだ?」
「聖布。これは最上級の綿を紡ぐところから神の娘たちがやって、最期は付与の力を持つ聖女に織ってもらって『神の祝福』の付与をしてもらった布だ。汚れた遺体を包むものだな。普通の聖布はこの神の祝福の付与がないんだよ。こういう輩にけがされた死骸ならそっちの方で十分なんだけどな」
前神官長がウージェーヌの疑問に答える。
「魔獣退治にはアンデッドあんまりいないもんな」
ルカは肩を竦める。
「正確に言うと俺達みたいな聖属性の使える冒険者が対処できる程度のアンデッドしかでない。ゾンビ化した狼とか程度だね。大抵俺達が動けなくしてる間に首落して焼く」
「へぇ」
ウージェーヌは感心している。
「ウジェんところの魔獣は森の瘴気の吹き出し口が原因だろ?防いだりしないの?」
4人は外に出る。結界の外の眷属たち、活性化した死骸は命令する主が封印されたと同時に頽れたという。結界付きの馬車に死骸を入れようとしてかなりの力で抵抗されて騎士達もぶつぶつ言っている。
「死んでるんだから自覚してくれよ」
「今日のはイキのいい死体だな」
慣れた騎士達は冗談を言う余裕があるようだ。
「死体にイキがいい、かぁ」
「ウジェ、気に入ったな?」
「へへ」
「俺は騎士団と一緒に神殿に行く。ルカも一応着いてきてくれ」
前神官長の要請にルカは頷いた。
「エチエンヌは前ベルティエ公爵の事をたのむ。エリクだけでどうにかなるからな」
「わかった。聖騎士二人借り受けるぞ」
「ああ」
前神官長とグランサニュー公爵がやり取りしている間。ウージェーヌは封印の馬車をあれこれと見ている。
「ウジェ、触るなよ。お前は何するか判らん」
「判ってるって。ちょっと魔力流したりもしないから」
「ウージェ、そういう実験は中に何もいない、すぐ修理できる王都に馬車がある時にしてくれ」
前神官長の声が飛ぶ。
「神官のおっちゃんは『するな』とは言わないね」
「……興味があるのは判らなくはないからな。平穏な時になら実験には付き合うから」
神殿付きの騎士の長が呆れた顔になっている。彼は前神官長の色々を見知っているのでこの言葉が本気だと知っているからだ。
「属性付の魔法だと影響はないのは判ってるから今度ウジェの魔力で実験しよう」
どちらかというと前神官長の方が乗り気だった。
一方、グランサニュー公爵夫人はゆったりと馬車で西の辺境、ウージェーヌの領地へ向かっている。これは一種の経済活動も兼ねていて間の領地のいくつかで商談をまとめながらの旅であった。
「これを神殿に持って行く」
銀の鎖が触れている蝋化した肌がずぶずぶと焦げていた。ルカがマジックバッグから大きな布を持ち出し、死骸を包む。死骸が抵抗しているのを見て改めtグランサニュー公爵はぞっとした表情になった。
「その布なんだ?」
「聖布。これは最上級の綿を紡ぐところから神の娘たちがやって、最期は付与の力を持つ聖女に織ってもらって『神の祝福』の付与をしてもらった布だ。汚れた遺体を包むものだな。普通の聖布はこの神の祝福の付与がないんだよ。こういう輩にけがされた死骸ならそっちの方で十分なんだけどな」
前神官長がウージェーヌの疑問に答える。
「魔獣退治にはアンデッドあんまりいないもんな」
ルカは肩を竦める。
「正確に言うと俺達みたいな聖属性の使える冒険者が対処できる程度のアンデッドしかでない。ゾンビ化した狼とか程度だね。大抵俺達が動けなくしてる間に首落して焼く」
「へぇ」
ウージェーヌは感心している。
「ウジェんところの魔獣は森の瘴気の吹き出し口が原因だろ?防いだりしないの?」
4人は外に出る。結界の外の眷属たち、活性化した死骸は命令する主が封印されたと同時に頽れたという。結界付きの馬車に死骸を入れようとしてかなりの力で抵抗されて騎士達もぶつぶつ言っている。
「死んでるんだから自覚してくれよ」
「今日のはイキのいい死体だな」
慣れた騎士達は冗談を言う余裕があるようだ。
「死体にイキがいい、かぁ」
「ウジェ、気に入ったな?」
「へへ」
「俺は騎士団と一緒に神殿に行く。ルカも一応着いてきてくれ」
前神官長の要請にルカは頷いた。
「エチエンヌは前ベルティエ公爵の事をたのむ。エリクだけでどうにかなるからな」
「わかった。聖騎士二人借り受けるぞ」
「ああ」
前神官長とグランサニュー公爵がやり取りしている間。ウージェーヌは封印の馬車をあれこれと見ている。
「ウジェ、触るなよ。お前は何するか判らん」
「判ってるって。ちょっと魔力流したりもしないから」
「ウージェ、そういう実験は中に何もいない、すぐ修理できる王都に馬車がある時にしてくれ」
前神官長の声が飛ぶ。
「神官のおっちゃんは『するな』とは言わないね」
「……興味があるのは判らなくはないからな。平穏な時になら実験には付き合うから」
神殿付きの騎士の長が呆れた顔になっている。彼は前神官長の色々を見知っているのでこの言葉が本気だと知っているからだ。
「属性付の魔法だと影響はないのは判ってるから今度ウジェの魔力で実験しよう」
どちらかというと前神官長の方が乗り気だった。
一方、グランサニュー公爵夫人はゆったりと馬車で西の辺境、ウージェーヌの領地へ向かっている。これは一種の経済活動も兼ねていて間の領地のいくつかで商談をまとめながらの旅であった。
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