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第二章
ダンジョン掃除の後始末
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「あとな、下から上は石の効果がない」
グランの説明が続く。
「このダンジョンはどうしても下から上は歩かせたいらしい。まぁ、ドロップもいいしな、不思議と、下から上だと」
荷物運搬人は自分のボディバッグをぱん、と叩く。
「ギルドが特大のを二個、荷物用に用意してくれましたから大丈夫です」
運搬の少年は誇らしげであった。
「さて、皆起きたな?ゆっくり殲滅しつつ、間の奴らを拾っていくぞ」
5階層目から4階層目に上がる。そこにいたメンバーは結構疲れていた。話を聞くと3階層目の狼がちょくちょく来るのでそちらの対応もしていたらしい。4階層目のモンスターが減っていない感じだった、と話す。
4階層目を掃除しつつアルは灰色狼が多いな、と思っていた。また大型の亜種もかなりの数がいる。リュカの表情も司祭さんの帽子のメンバーの表情も厳しいものになっている。
「状況が悪そうだな?」
アルの側でエディも呟く。
「モンスター津波状態のままか、このフロア」
「そうだな。多少は間引かれているようだが」
そして3階層目と4階層目の間のセーフティエリアの入口に伝令の少年が困った顔で立っていた。
「どうした?」
リーダーのリュカが声をかける。
「ここから先にいけませんでした。……階段を上がったらわかります」
階段を上がった先には焼け焦げた狼の死骸が壁になっていた。肉が癒着して出来上がったようだった。
「ここを護ってたやつら……は?」
荷物だけがばらけている。骨は残っていない。
「これは焼かれた奴が逃げて来てこうなったか」
「2階層目と3階層目の間、魔法使いいたっけ?」
「魔法使える奴……居たっけか?」
「骨も残ってないって事は食われてるな。ここの奴らがやられて津波状態の狼は上に上がっていったんだろう。で、焼かれて逃げ込んだ奴らが肉壁を作ってしまって上がれなかった奴らが結局津波の状態のまま4階層目であふれてた、と。さっきの数から察するにそういうことだろうよ」
グランは解説し皆は納得した。
数人で鉈を使い死骸を削っていく。削った死骸を4階層目に置くと死骸は消えていく。
「ふむ、セーフエリアで死んでるとダンジョンには吸い込まれないのだな」
「そうらしいな」
リュカが頷く。
「一度、やった事がある。セーフエリアにモンスを連れ込んで集団でやったらいつもだったら死骸がドロップ品に変わったりせずに死骸は死骸のままだったよ。二階層目のトレントの幼生で試したんだ。冒険者始めた頃」
「なんでそんなことを」
だれかか質問の声が上がった。
「いや、気になってな」
「好奇心猫を殺すっていうだろ」
呆れた声がその冒険者からあがっている。
「だから弱いレベルの所でやるんじゃん」
「リーダーは強くなってからの花しか?」
「多少はな」
「違うよ。兄さんが冒険者初めて最初にダンジョン潜った時だったでしょ」
モイラが暴露する。周りはげらげら笑い出す。ロゼがエディとアルに説明してくれる。
「リュカは好奇心強くてすぐに色んな所に首突っ込んでね。……初めて見る植物は鑑定待たずに食べてお腹壊したりね」
モイラも笑いながら付け加える。
「そうよ。私がヒーラーの適性ありって出た時は絶対冒険者になって兄さんを守らなきゃって思ったもの。……何するかわかんないしね、兄さん」
ロゼも同意して頷いている。
「良い子なんだけど……、リュカ」
リーダーは耳まで赤くなっている。
「早くこの肉の壁掃除するぞ」
照れ隠しに乱暴にそう言うとリュカはがしがしと肉の壁を折り、削りだした。
グランの説明が続く。
「このダンジョンはどうしても下から上は歩かせたいらしい。まぁ、ドロップもいいしな、不思議と、下から上だと」
荷物運搬人は自分のボディバッグをぱん、と叩く。
「ギルドが特大のを二個、荷物用に用意してくれましたから大丈夫です」
運搬の少年は誇らしげであった。
「さて、皆起きたな?ゆっくり殲滅しつつ、間の奴らを拾っていくぞ」
5階層目から4階層目に上がる。そこにいたメンバーは結構疲れていた。話を聞くと3階層目の狼がちょくちょく来るのでそちらの対応もしていたらしい。4階層目のモンスターが減っていない感じだった、と話す。
4階層目を掃除しつつアルは灰色狼が多いな、と思っていた。また大型の亜種もかなりの数がいる。リュカの表情も司祭さんの帽子のメンバーの表情も厳しいものになっている。
「状況が悪そうだな?」
アルの側でエディも呟く。
「モンスター津波状態のままか、このフロア」
「そうだな。多少は間引かれているようだが」
そして3階層目と4階層目の間のセーフティエリアの入口に伝令の少年が困った顔で立っていた。
「どうした?」
リーダーのリュカが声をかける。
「ここから先にいけませんでした。……階段を上がったらわかります」
階段を上がった先には焼け焦げた狼の死骸が壁になっていた。肉が癒着して出来上がったようだった。
「ここを護ってたやつら……は?」
荷物だけがばらけている。骨は残っていない。
「これは焼かれた奴が逃げて来てこうなったか」
「2階層目と3階層目の間、魔法使いいたっけ?」
「魔法使える奴……居たっけか?」
「骨も残ってないって事は食われてるな。ここの奴らがやられて津波状態の狼は上に上がっていったんだろう。で、焼かれて逃げ込んだ奴らが肉壁を作ってしまって上がれなかった奴らが結局津波の状態のまま4階層目であふれてた、と。さっきの数から察するにそういうことだろうよ」
グランは解説し皆は納得した。
数人で鉈を使い死骸を削っていく。削った死骸を4階層目に置くと死骸は消えていく。
「ふむ、セーフエリアで死んでるとダンジョンには吸い込まれないのだな」
「そうらしいな」
リュカが頷く。
「一度、やった事がある。セーフエリアにモンスを連れ込んで集団でやったらいつもだったら死骸がドロップ品に変わったりせずに死骸は死骸のままだったよ。二階層目のトレントの幼生で試したんだ。冒険者始めた頃」
「なんでそんなことを」
だれかか質問の声が上がった。
「いや、気になってな」
「好奇心猫を殺すっていうだろ」
呆れた声がその冒険者からあがっている。
「だから弱いレベルの所でやるんじゃん」
「リーダーは強くなってからの花しか?」
「多少はな」
「違うよ。兄さんが冒険者初めて最初にダンジョン潜った時だったでしょ」
モイラが暴露する。周りはげらげら笑い出す。ロゼがエディとアルに説明してくれる。
「リュカは好奇心強くてすぐに色んな所に首突っ込んでね。……初めて見る植物は鑑定待たずに食べてお腹壊したりね」
モイラも笑いながら付け加える。
「そうよ。私がヒーラーの適性ありって出た時は絶対冒険者になって兄さんを守らなきゃって思ったもの。……何するかわかんないしね、兄さん」
ロゼも同意して頷いている。
「良い子なんだけど……、リュカ」
リーダーは耳まで赤くなっている。
「早くこの肉の壁掃除するぞ」
照れ隠しに乱暴にそう言うとリュカはがしがしと肉の壁を折り、削りだした。
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