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第二章
ダンジョン掃除 6
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「手伝いで呼ばれちまったよ」
そこにいたのは二人の女性と三人の男性だった。どのメンバーも筋骨隆々である。
「『司祭さんの帽子』……」
エディが呟く。エディが知ってる『司祭さんの帽子』は屋台で売ってる、半円形のパンの中に甘い練乳が詰められたもので、司祭さんのボールというのは帽子より一回り小さなボール状のパンの中に練乳が詰め込まれている、そんな甘い甘いパンの事だった。
エディの呟きを耳にしたのか、そのパーティのリーダーらしき女性がにやりと笑う。蠱惑的だが肉食獣を連想する。
「あたしがあのパン好きでね」
エディが全部を口にしなかった疑問にすらすらとその女性は答えてくれた。そしてその女性はにっと笑う。
「いつも聞かれるんでね」
そうして、左右で進む班を分け、A班は動き始めた。エディは先ほどの司祭さんの帽子のリーダーの班でアルはA班のリーダーの方となった。聖女モイラはアルがいる方に入ると騒いだが司祭さんの帽子のリーダーが怖い顔で言う。
「だめだよ。モイラは好きな男がいると途端に働かなくなるからね。あんたあの黒髪の子、気に入ってるだろう?」
モイラは顔を真っ赤にした。
「クラス聖女のポテンシャルを見せてみな」
司祭さんの帽子のリーダー、ロゼにそう言われてモイラはそれ以上わがままを言わなかった。エディは少しロゼに興味を持った。
「じゃ、そっちが獣の方な」
「わかった」
A班のリーダー、リュカはそう指示した。そしてアルは二足歩行のモンスターに立ち向かうことになった。
「基本はゴブリン、オークだ。偶にミノタウルス。ドロップ品は……いいとは言い難いのでシェルパは向こうに行ってもらう。狼の毛皮とか落ちるからな、向こう」
アル達とエディ達は同時にセーフエリアである階段室を出た。ギルドの伝令の少年は魔力を使い倒していたので、討伐には加わらせずセーフエリアで休憩を取ってもらっている。
「際限ないな」
「ああ」
エディ達はそう言いながらもざくざくと獣達を屠っていく。
「しかし、外と違って血肉の始末も要らないってのだけでダンジョンは楽だわ」
エディの言葉に冒険者が同意する。誰かが言う。
「その上、ドロップがあれば金になるしな」
げらげら笑いながらまた一匹、また一匹と倒していく。
「ち、モイラを向こうにやったのは失敗かも」
「どうした?」
「モンスにアンデッドが混じり始めた」
「あっちゃー」
アルの横の冒険者が溜息をついている。
「聖水、いりますか?」
魔導師がリュカに訊ねる。
「いや、まだいい。ただ、君は死体を片端から焼いてほしい。攻撃よりそっちに気を配って」
「判りました」
リュカがいう。
「聖水持ってるやつはアンデッドと対峙したら武器に振りかけてな。……そうか、ボウガン使ってるやつ」
「はい」
一人の女性が手を上げる。
「ホーリーボルト、持ってるか」
「あります」
「アンデッド見かけたら片端からぶち込んどいて」
女性は頷いた。
「あと基本は麻痺弾でいい?」
女性の問いにリュカは頷いた。
「君の判断に任せる」
そこにいたのは二人の女性と三人の男性だった。どのメンバーも筋骨隆々である。
「『司祭さんの帽子』……」
エディが呟く。エディが知ってる『司祭さんの帽子』は屋台で売ってる、半円形のパンの中に甘い練乳が詰められたもので、司祭さんのボールというのは帽子より一回り小さなボール状のパンの中に練乳が詰め込まれている、そんな甘い甘いパンの事だった。
エディの呟きを耳にしたのか、そのパーティのリーダーらしき女性がにやりと笑う。蠱惑的だが肉食獣を連想する。
「あたしがあのパン好きでね」
エディが全部を口にしなかった疑問にすらすらとその女性は答えてくれた。そしてその女性はにっと笑う。
「いつも聞かれるんでね」
そうして、左右で進む班を分け、A班は動き始めた。エディは先ほどの司祭さんの帽子のリーダーの班でアルはA班のリーダーの方となった。聖女モイラはアルがいる方に入ると騒いだが司祭さんの帽子のリーダーが怖い顔で言う。
「だめだよ。モイラは好きな男がいると途端に働かなくなるからね。あんたあの黒髪の子、気に入ってるだろう?」
モイラは顔を真っ赤にした。
「クラス聖女のポテンシャルを見せてみな」
司祭さんの帽子のリーダー、ロゼにそう言われてモイラはそれ以上わがままを言わなかった。エディは少しロゼに興味を持った。
「じゃ、そっちが獣の方な」
「わかった」
A班のリーダー、リュカはそう指示した。そしてアルは二足歩行のモンスターに立ち向かうことになった。
「基本はゴブリン、オークだ。偶にミノタウルス。ドロップ品は……いいとは言い難いのでシェルパは向こうに行ってもらう。狼の毛皮とか落ちるからな、向こう」
アル達とエディ達は同時にセーフエリアである階段室を出た。ギルドの伝令の少年は魔力を使い倒していたので、討伐には加わらせずセーフエリアで休憩を取ってもらっている。
「際限ないな」
「ああ」
エディ達はそう言いながらもざくざくと獣達を屠っていく。
「しかし、外と違って血肉の始末も要らないってのだけでダンジョンは楽だわ」
エディの言葉に冒険者が同意する。誰かが言う。
「その上、ドロップがあれば金になるしな」
げらげら笑いながらまた一匹、また一匹と倒していく。
「ち、モイラを向こうにやったのは失敗かも」
「どうした?」
「モンスにアンデッドが混じり始めた」
「あっちゃー」
アルの横の冒険者が溜息をついている。
「聖水、いりますか?」
魔導師がリュカに訊ねる。
「いや、まだいい。ただ、君は死体を片端から焼いてほしい。攻撃よりそっちに気を配って」
「判りました」
リュカがいう。
「聖水持ってるやつはアンデッドと対峙したら武器に振りかけてな。……そうか、ボウガン使ってるやつ」
「はい」
一人の女性が手を上げる。
「ホーリーボルト、持ってるか」
「あります」
「アンデッド見かけたら片端からぶち込んどいて」
女性は頷いた。
「あと基本は麻痺弾でいい?」
女性の問いにリュカは頷いた。
「君の判断に任せる」
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