悪役令嬢、冒険者になる 【完結】

あくの

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第二章

一家団欒?

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 「あいわかった」

陛下は頷く。そしてジュストに向かいいう。

「今日はお前もここで寝るように。私もここで寝る。双子たちも寝るらしい」

「ええ、なので騎士団に野営の準備を借りにいったのですが」

「あの黒い影はこの結界の中には入れない」

 陛下は守護者に叱られていた。『毎日ここにこいと言っただろう』と。陛下が少し忙しくしていて、側妃宮に来られていない間に陛下付きのメイドの一人と一緒に楽しんム時間があったのだがこの娘が多分黒魔術の媒介者だという。陛下の心臓周りに呪いが十重二十重に巻きついていて、タイミングをみて聖女が心臓を握りつぶすよていだったのだろうと守護者は呪いを陛下からはがし消滅させた時に解析して公爵と陛下の伝えた。性格に言うと呪いにはいたらない呪い以前の『仕掛け』なのだと。

『仕掛けには『呪』はかかっていない。起動させる事で呪いが動き出しあの黒い影、瘴気がでてくるのだ。多分、あの黒い影はエクトルを狙って発動したがエクトルがその場に居ないのであの場で一番王家の血の濃いジュストを狙ったのだろう』

守護者がグランサニュー公爵と陛下にそう説明する。

『だから毎日ここに来たらエクトルの体の中の『仕掛け』を外してたのだよ。エクトル付きのメイドは一度全員神殿で解呪してもらってこい。全部の女に仕掛けをエクトルの中に作るために呪われているだろうと思うぞ』

守護者の危惧は最もだった。

『ただな、あの胡散臭い聖女とやらをなんとかせねばな』

守護者が溜息を着いた。



 「僕、マシュマロ焼きたい」

「本で読んだやつだね」

双子の王子は大はしゃぎだ。銀の樹の根本は夜にも関わらず明るい。焚火台を持ち出して小さな焚火をしているのだ。

「この焚火台というのは便利だな」

ジュストが言うと、従者がそれは輸入品だと教えてくれる。元は冒険者ギルドで売っていたのを騎士団の誰かが買ってきてあっという間に騎士団の備品になったとか。グランサニュー公爵夫人は今日は楽だわ、と考えている。王家の人間が夫も含めてここにいるので夫人から持っていかれる魔力が少ないのだ。守護者は皆の魔力を少しずつ貰っているのだが人数がいるので少しずつもらうことで、この術式を完成させるのに必要な魔力を易々と手に入れられている。

『そうか。癒しの魔石を作ったのは王族か?』

守護者は公爵に訊ねる。公爵は頷く。

『元王族、というべきかな』

『そうか。……我と馴染むのだよ、この魔石は。だから我のもつ王族への癒しの力が強くなった』

『もっとこの石が欲しいか?』

公爵の問いに守護者は即答する。

『欲しい。あと3つ石を増やせればもっと力は強くなる。我に与えられた仕事だからな、王族を癒すのや王族の解呪は』

公爵は浮かんだ疑問を守護者に問うた。

『王族と他の人間の解呪はちがうのか?』

『ん。そうだな、王族だと我の力の馴染み方が他の人間と違うのだよ。我の力は王族の血や魔力に反応するのでな』

『そう言う事か』



子供たちから歓声があがる。一番小さな姫はもうソフィア妃の腕の中で眠っている。乳母が預かろうとするが姫は母親の服を握ったまま離さない。

「私が寝所につれていくわ」

ソフィア妃はにこっと乳母に笑いかけた。


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