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幕間
グランサニュー公爵邸の集まり 3
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「俺達も用意するんだよ。一応正式な晩餐なんだから」
ウージェーヌはへらへら笑ってる。
「公爵は気にしないよ」
「陛下もいらっしゃるし形式は大事なんだぞ」
これはジェラールとウージェーヌの幼い頃からのやり取りだった。ジェラールは昔から見知ったウージェーヌの従者にウージェーヌを引き渡す。
「晩餐会の為にとびっきりに仕上げておてくれ。奥方が惚れなおすぐらいに」
従者はジェラールに頭を下げる。
「わかりました。……奥方様がこれ以上旦那様に惚れることはないですが」
ジェラールは不穏な話かと思ったら従者が続ける。
「お互い惚れあってこれ以上は無理でしょうね」
「こら、ばらすな」
ウージェーヌはおどけた。ジェラールは溜息一つついて従者に言う。
「とりあえずちゃんとさせてやってくれ」
晩餐の席には陛下も参加し、和気藹々と話をしている。が、グランサニュー公爵は機嫌が悪い。ウージェーヌはじっと観察していると陛下と話すのを避けたいようだった。陛下は大叔父の機嫌の悪さに戸惑っている。
「グランサーニューのおっさん、なんでそんなに陛下につんつんしてるさ」
ウージェーヌが訊ねる。
「……そうさな、エクトルの部下に細作が入っとる。黒魔術の匂いがして臭くてかなわん。……そろそろベルティエの馬鹿娘が来るだろう。玄関にも入れんつもりだったが」
グランサニュー公爵は近衛を二人フルネームで呼びつける。
「お前らは門の外だ。理由を知りたいか?知りたくば教えるが……覚悟は出来てるな?」
近衛は真っ青になっている。
「エクトルよ」
グランサニュー公爵は又甥にはっきりと言う。
「お前、正妃や聖女と日常的に触れ合ってるせいで黒魔術に鈍感になってるぞ。おまえがそんなんならさっさと譲位して暫くの間ならわしや兄上が何とかするぞ?お前に譲位せねばならなかった頃とまた国の情勢は変わっておるしな。……前ベルティエ公爵も領地で腑抜けになっとるようだしな」
グランサニュー公爵はじろりとジェラールを見た。
「ジェラールよ、前公爵を放置し過ぎだ。あれは禁薬に手をだしとるぞ。……妹の母親の現状と前公爵を調べなおせ。今ならまだ薬と手を切れば寿命くらいまでは生きるだろう」
グランサニュー公爵は各辺境伯にアドバイスをして行く。
「ウージェーヌよ、……お前はなんだ……まぁ……うん、そっくりな子供二人、フロランとマドレーヌに振り回されるといいわ。俺やお前のオヤジの苦労を思い知れ」
これにはみな苦笑いをしつつ納得している。問題の真ん中に突っ込んでいくのはマドレーヌだけではないのだ。フロランもそしてウージェーヌ自身もだ。
「あ……、はい」
ウージェーヌは溜息をつく。
「む、ウージェーヌは出てくるなよ。ジェラール来い。が、お前は黙っとれ。俺の後ろに立ってる事。顔色は変えるなよ」
正妃は今まさに馬車から玄関に降り立った。
「招かれざる客は帰れ」
「あら、王妃の訪問よ。断れる訳がないでしょう」
「いや。この家の主人であるわしが招いてない客は入れんよ。門で止めおけというたのに」
「私が魅力的だからだわ」
聖女を連れた妹のまとう禍々しさにジェラールは内心驚いていた。
「魅了の魔術は国内での使用は禁止されておる」
ウージェーヌはへらへら笑ってる。
「公爵は気にしないよ」
「陛下もいらっしゃるし形式は大事なんだぞ」
これはジェラールとウージェーヌの幼い頃からのやり取りだった。ジェラールは昔から見知ったウージェーヌの従者にウージェーヌを引き渡す。
「晩餐会の為にとびっきりに仕上げておてくれ。奥方が惚れなおすぐらいに」
従者はジェラールに頭を下げる。
「わかりました。……奥方様がこれ以上旦那様に惚れることはないですが」
ジェラールは不穏な話かと思ったら従者が続ける。
「お互い惚れあってこれ以上は無理でしょうね」
「こら、ばらすな」
ウージェーヌはおどけた。ジェラールは溜息一つついて従者に言う。
「とりあえずちゃんとさせてやってくれ」
晩餐の席には陛下も参加し、和気藹々と話をしている。が、グランサニュー公爵は機嫌が悪い。ウージェーヌはじっと観察していると陛下と話すのを避けたいようだった。陛下は大叔父の機嫌の悪さに戸惑っている。
「グランサーニューのおっさん、なんでそんなに陛下につんつんしてるさ」
ウージェーヌが訊ねる。
「……そうさな、エクトルの部下に細作が入っとる。黒魔術の匂いがして臭くてかなわん。……そろそろベルティエの馬鹿娘が来るだろう。玄関にも入れんつもりだったが」
グランサニュー公爵は近衛を二人フルネームで呼びつける。
「お前らは門の外だ。理由を知りたいか?知りたくば教えるが……覚悟は出来てるな?」
近衛は真っ青になっている。
「エクトルよ」
グランサニュー公爵は又甥にはっきりと言う。
「お前、正妃や聖女と日常的に触れ合ってるせいで黒魔術に鈍感になってるぞ。おまえがそんなんならさっさと譲位して暫くの間ならわしや兄上が何とかするぞ?お前に譲位せねばならなかった頃とまた国の情勢は変わっておるしな。……前ベルティエ公爵も領地で腑抜けになっとるようだしな」
グランサニュー公爵はじろりとジェラールを見た。
「ジェラールよ、前公爵を放置し過ぎだ。あれは禁薬に手をだしとるぞ。……妹の母親の現状と前公爵を調べなおせ。今ならまだ薬と手を切れば寿命くらいまでは生きるだろう」
グランサニュー公爵は各辺境伯にアドバイスをして行く。
「ウージェーヌよ、……お前はなんだ……まぁ……うん、そっくりな子供二人、フロランとマドレーヌに振り回されるといいわ。俺やお前のオヤジの苦労を思い知れ」
これにはみな苦笑いをしつつ納得している。問題の真ん中に突っ込んでいくのはマドレーヌだけではないのだ。フロランもそしてウージェーヌ自身もだ。
「あ……、はい」
ウージェーヌは溜息をつく。
「む、ウージェーヌは出てくるなよ。ジェラール来い。が、お前は黙っとれ。俺の後ろに立ってる事。顔色は変えるなよ」
正妃は今まさに馬車から玄関に降り立った。
「招かれざる客は帰れ」
「あら、王妃の訪問よ。断れる訳がないでしょう」
「いや。この家の主人であるわしが招いてない客は入れんよ。門で止めおけというたのに」
「私が魅力的だからだわ」
聖女を連れた妹のまとう禍々しさにジェラールは内心驚いていた。
「魅了の魔術は国内での使用は禁止されておる」
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