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第一章
エド、冒険者になる
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「エドも冒険者登録したの?」
エドは頷いた。
「学生って言ってたよね?」
「ええ。ただ、途中で会った少年と少し話してて、上の学校に弟妹を行かせるための助けをしてるって聞いてね。マドレーヌ嬢をみるにつけ、自分は世界が狭いなって思って。このまま学者を目指しても頭でっかちの世間知らずだと思うと……」
エドは照れくさそうに鼻の頭を掻いた。マドレーヌは暫く考えていたが、口を開く。
「じゃ、冒険者エドに個人依頼をだしていい?」
「もちろん!でもこんな新米になにができるんですか?」
マドレーヌはふふっと笑う。そんな様子はやはり『ご令嬢』でこんな殺伐とした場所にはそぐわないな、とエドは思った。
「じゃ、食堂で待ってて」
エドは頷き、自分の穂無の街とは比べ物にならないくらい充実した食堂でメニューを決めかねて迷っていた。その間、マドレーヌは別の窓口に行って、口座の残金の確認と手紙を受け取る。口座の残金は増えていた。後で手紙を読んでわかるのだが、父親が異国で苦労しないようにと仕送りを振り込んでくれていたのだ。
「あら、増えてる……。あとこれを入金してほしいのですが」
残ってきた金貨と銀貨をギルドに預け、この国の硬貨で金貨50枚、銀貨100枚を引き出してもらう。
「個人に仕事の依頼を」
「はい。何でしょうか」
「今日、登録が済んだエドという冒険者に」
職員はクリスタルの板を捜査する。
「この方ですね。先ほど登録した方」
「そうです。期間は一月、この国の言葉を教えてくれ、と。報酬は金貨5枚で」
「……差し出がましいですが、報酬としては過分ではないかと」
マドレーヌはにっこりと笑う。
「それでお願いします」
「……わかりました」
「食堂にいるので書類が出来たら持ってきてくださる?」
職員は不承不承頷いた。
「なんだ、坊主。なにか迷ってるのか?それとも字が読めない?」
ジンジャーエールとソーセージを持った髪がない巨漢が声をかけてくる。巨漢は全身これ筋肉というタイプだった。
「あ、いや。……メニューが多いなって」
「そうか。あの『カレー』っていう南の料理は旨いぞ。ちょっとスパイシーだけどな」
巨漢は気のいい笑顔で教えてくれる。
「この王都以外では見ない料理だから一度味わうと良い」
「親切にありがとう」
「どういたしまして。なにかあったら俺に訊いてくれ。ギルドにはよく来るからな。俺はエディっていうんだ」
「俺はエドって言います」
二人は顔を見合わせてにやりと笑う。エドはせっかくだからとおすすめの『カレー』という料理を頼んでみる。
「ナン?チャパティ?ライス?」
食堂の人が言うことがわからない。食堂の人は慣れているのか実物を見せてくれたのでエドはナンを選ぶ。カレーは薄いとろみがあって、それをナンにつけて食べるのだという。飲み物は水で薄めた果実酒を選ぶ。銅貨20枚、という値段をエドは初めて食事に使った。
「たっけー」
そう呟きながら、エドはカレーを口にした。
エドは頷いた。
「学生って言ってたよね?」
「ええ。ただ、途中で会った少年と少し話してて、上の学校に弟妹を行かせるための助けをしてるって聞いてね。マドレーヌ嬢をみるにつけ、自分は世界が狭いなって思って。このまま学者を目指しても頭でっかちの世間知らずだと思うと……」
エドは照れくさそうに鼻の頭を掻いた。マドレーヌは暫く考えていたが、口を開く。
「じゃ、冒険者エドに個人依頼をだしていい?」
「もちろん!でもこんな新米になにができるんですか?」
マドレーヌはふふっと笑う。そんな様子はやはり『ご令嬢』でこんな殺伐とした場所にはそぐわないな、とエドは思った。
「じゃ、食堂で待ってて」
エドは頷き、自分の穂無の街とは比べ物にならないくらい充実した食堂でメニューを決めかねて迷っていた。その間、マドレーヌは別の窓口に行って、口座の残金の確認と手紙を受け取る。口座の残金は増えていた。後で手紙を読んでわかるのだが、父親が異国で苦労しないようにと仕送りを振り込んでくれていたのだ。
「あら、増えてる……。あとこれを入金してほしいのですが」
残ってきた金貨と銀貨をギルドに預け、この国の硬貨で金貨50枚、銀貨100枚を引き出してもらう。
「個人に仕事の依頼を」
「はい。何でしょうか」
「今日、登録が済んだエドという冒険者に」
職員はクリスタルの板を捜査する。
「この方ですね。先ほど登録した方」
「そうです。期間は一月、この国の言葉を教えてくれ、と。報酬は金貨5枚で」
「……差し出がましいですが、報酬としては過分ではないかと」
マドレーヌはにっこりと笑う。
「それでお願いします」
「……わかりました」
「食堂にいるので書類が出来たら持ってきてくださる?」
職員は不承不承頷いた。
「なんだ、坊主。なにか迷ってるのか?それとも字が読めない?」
ジンジャーエールとソーセージを持った髪がない巨漢が声をかけてくる。巨漢は全身これ筋肉というタイプだった。
「あ、いや。……メニューが多いなって」
「そうか。あの『カレー』っていう南の料理は旨いぞ。ちょっとスパイシーだけどな」
巨漢は気のいい笑顔で教えてくれる。
「この王都以外では見ない料理だから一度味わうと良い」
「親切にありがとう」
「どういたしまして。なにかあったら俺に訊いてくれ。ギルドにはよく来るからな。俺はエディっていうんだ」
「俺はエドって言います」
二人は顔を見合わせてにやりと笑う。エドはせっかくだからとおすすめの『カレー』という料理を頼んでみる。
「ナン?チャパティ?ライス?」
食堂の人が言うことがわからない。食堂の人は慣れているのか実物を見せてくれたのでエドはナンを選ぶ。カレーは薄いとろみがあって、それをナンにつけて食べるのだという。飲み物は水で薄めた果実酒を選ぶ。銅貨20枚、という値段をエドは初めて食事に使った。
「たっけー」
そう呟きながら、エドはカレーを口にした。
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