リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

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閑話 ルイのお茶会

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 女の子って面倒だ…。僕は僕の為のお茶会で何度もそう思った。なんだかミランダやレティの遊び相手って言った方がいいような年齢の子もいる。こんな中で婚約者を決めろって言われてもね。 
 そもそも僕は女の子にあんまり興味がない。ちょっといいなって思ってるのはリリゼットちゃんだけど、叔母と甥は結婚できないってお父様に言われた。5つほど上なだけだから対象年齢ではあると思うんだけど。

 僕より二つ上だと紹介された令嬢、ダンテス公爵家の縁のメロディ男爵家のリリー嬢は一人退屈そうだった。10歳前後の女の子とはさすがに話は合わないんだろうな。彼女の髪の色は赤味を帯びた茶色で瞳も濃い茶色だった。

「退屈されてますか?」

僕が声をかけると彼女は一瞬驚いたみたいだけど

「正直、退屈ですわ。ちょっと付き添いの婦人になった気持ち」

と明るく笑った。


 お茶会が終わった後、父上に呼ばれた。

「誰か、気に入った人はいたかな?」

「………お父様が期待する『気に入った』かどうかはわからないけど、メロディ家のリリー嬢はお話しやすかったです」

「…やはりミランダと同じ年くらいの子は」

「あー、興味ないです」

僕は正直に話す。嘘をついても仕方ないからだ。

「わかった。君の意見として考慮する」

「お願いします」

 父上がじっと僕の顔を見る。

「たまにはジュリエットの部屋に行ってやってくれないか?」

正直面倒くさいと思った。そしてそれが顔に出た。

「…そうか、思春期だもんな。でもな、母親がいつまでもそこにいると思うのは間違いだよ。僕もいつまでいるかわからない。だから義務感でいいから、週に1度くらいは顔をだしてやってくれ」

僕は少しだけ考えた。父上の僕と自分の事を呼んでるっていうことは本音だという事。

「それは…命令?」

「まさか。お願いだよ」

そういうと父は椅子から立ち上がり机を回って僕の前に来るとそっと頭に手を置いてゆっくり撫でている。くすぐったいけど…嫌ではないんだよな。
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