リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

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 「結局、目的は果たしてない、と?」

ニコルは呆れたようにエドアールとリリゼットに言う。

「ああ、………女の子たちが可愛すぎて」

とリリゼットの頭をなでる。リリゼットはエドアールの行動にびっくりして固まっている。王太子の話はしないのだな、とリリゼットは考えてる最中だった。

「リリゼットに気軽に触らないでください」

ニコルはエドアールをじっと見る。

「いやぁ、今日一緒だったリーゼ嬢もイネス嬢も学園とはまた違った趣きで可愛かったぞ」

「エド先輩………、教師としてどうかと」

「大丈夫。母校の二の舞は踏まない。あ、先に言っとくね。リリゼットちゃん、俺、今月の末で講師やめるから」

とエドアールはいきなり言う。ニコルはハッとした。

「あ、もう…秋ですからね」

「そう」

エドアールの説明だと秋から冬にかけて、北方伯の領土に魔獣が出る。魔獣は最後の止めは魔法でしか打てないので国中の魔法剣士や魔法使いが北方領にあつまるのだ。
 この季節のうちにできるだけ魔獣を狩って鎧用の皮や様々な素材を集めまくるのだ。もちろん、エドアールにも招集がかかっている。

「ま、気になったらクリストフ殿下の視察に付き合って北方まで来るといい。話は通しておくよ」

「エド先輩はうちの妹に何をお望みですか?」

溜息とともにニコルはエドアールに尋ねる。

「色々あるけどなー、聖魔法の攻撃力の有無とか」

「俺じゃだめですかね」

「お前は出力が足りない」

エドとニコルはそんなことを言う。

「それと、クレマンに先を越されたけどな、おいおいでいいから、俺もリリゼットちゃんの婿候補にいれといて。もうリストアップはしてあるだろう?リリゼットちゃんも前向きに検討しといて」

そういうとエドアールはひらひらと手を振り二人の元を離れた。

「お兄様?」

リリゼットは今一つよくわからずに兄に問いかける。

「お前の婚約者候補をリストアップしてるところだ、今。デュ・ベレ侯爵のところからも正式なお話が来てる。というか、俺がお前を合わせたのが侯爵のご子息だけだからな」

 ニコルは珈琲で喉を潤すとつづけた。

「あとは………ウジェ男爵がいけるならってことだろうが男爵の次男、三男からの本人からの申し込みが5件あったが、全部調査して愛人がいたり借金があったりと問題があって断った。親戚の子爵達からは3件、みんな誰かわかるだろうけど。従兄が2人、どういうつながりかわからないくらい遠いところから1人」

この三人は年も近いので新年の親戚一同が集まるときに会った記憶がある。
 修道院にいる間も年末~新年は自宅に帰れていた。それはジュスティーヌもリリゼットも「預かり子」で、修道院のシスターになるために来た子供ではなかったからだ。

 「他に伯爵家のうち3件から問い合わせがあって、縁談の1つは『己の後添いにくれ』というどうしようもない話なので断った。残り2件は調査中。まだまだ問い合わせは来るだろうから考えなくていいぞ、それに好きな人ができたなら相談してもらえると嬉しいな。俺に相談しにくいならジュリエットに相談するといい」

 兄は目を伏せながら言った。

「俺はジュリエットと結婚して、なんとかお互いに愛情を持てたからよかったが…。ジュスティーヌもアラン君を好きにはなれたようだが…、最初から好き同士、ではなかったからね。もしリリゼットにそんな相手ができたならできるだけ尊重したいと思ってる」
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