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恥ずかしい思いしてるんですから、兄上、殿下結果を出してくださいね
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メリルは嫌がらせかというくらいボディラインを強調し、胸元を深くくったドレスを身に着けている。化粧も濃い目でとても十代の少女にはみえなかった。今日は正妃に婚約解消の挨拶をしに正妃の元に参じたのだ。
庭園に設えられたお茶の席は豪華で用意されたお茶も香り高く素晴らしかった。そこに座る正妃ギネヴィア以外は。正妃は少し動くだけで揺れる胸元をや深い胸の谷間を見てイライラしている。黒髪と対比するように白く滑らかな肌や胸の谷間に吸い込まれかねないシンプルな石のついたペンダントに目線を吸い寄せられている。もちろん護衛の騎士たちもメリルの胸をみて気を散らしている。少し動いたらポロリと乳房がでるのではないか、そんな想像をかきたてる様にメリルの胸は揺れている。
メリルはこれだけ知らない男にサービスしてるんだからランスロット殿下と兄ジョージのギネヴィアの部屋の捜索が上手くいくように祈っている。今日は正妃の嫌味や罵詈雑言も切れ味が鈍い。そこここにメリルに対する妬みと羨望がまじりあっているのががみえるからだ。正妃をイイ人だとはとても思えないが、この人はこの人でコンプレックスに取りつかれてるのよね、そしてその一因は陛下なんだな、と思うがメリルはやっぱりこの人を好きになるのは無理だな、とも考えていた。
その頃、陛下はエリザの取り調べの報告書を読んでいた。
「で、その悪役令嬢って概念はどこから来てるんだ?」
きりっとした騎士、女性ながらもハンサムといいたい風情の騎士だ。
「そうですね。ロマンス小説からのようですね」
「あれか、ギネヴィアが山の様に購入してるやつか」
「正妃様は国内で出版されるロマンス小説はすべて購入されてますから。女官の間でも流行ってますよ」
陛下はふーんと言う。
「私見ですが大抵悪役令嬢の方が高スペックで下位貴族令嬢、もしくは元平民の下位貴族養女が王太子や高位貴族子息に近づき、ライバルの悪役令嬢を追い落とすようですね。そして悪役令嬢は国外追放が娼館に売られる、と。エリザという子爵令嬢はそう言う見立てをして行動していたようですが……」
騎士はくすっと笑う。
「メリル様がアーサー殿下にもエリザ殿下にも全く興味がなかったので……」
「アーサー……、か」
陛下の瞳に炎が宿る。
「あれはどこまで行っても正妃の息子だな」
「まだ一緒に寝ておられますからね」
陛下の顎ががくんと伸びる。
「え?」
「伝わっておりませんでしたか?」
陛下は頷く。
「正妃様とアーサー様は一つのベッドで一緒に寝ておられますよ。性交はないようですが。アーサー様が子を成すのは無理ですね。……イゾルデ様自身は呪いを解いてしまいましたから、イゾルデ様と子を成して、というのも無理です」
この女性騎士は陛下に重用されているので一時は愛人かと言われたがどこからともなく前王妃、陛下の母の縁者だと流れてきて愛人節は消えていった。女性騎士はベスといい陛下の年の離れた異父妹であったが、その話を知る者は陛下とベスのみであった。彼女は陛下の母親から送られてきたお目付け役、かつ相談係でもあった。
ベスの事はモルガナも安心してるようで付き合いの長い侍女と陛下以外で近寄れるかず少ない相手であった。
「母子相姦の心配は殆どないですけど、……あのままだと」
「……二人を同じ離宮にいれようと思ったんだが」
陛下はこつこつとこめかみを叩く。
「ギネヴィア様に取ってはモルガナ様が悪役令嬢、みたいなものです」
ベスは陛下に遠慮をせず話す。
「正妃様は幼いままこちらに嫁して来ました。あの時16でしたっけ。年上の陛下に憧れてやってきたら陛下には寵愛する第一夫人がいた。その時に陛下のフォローが旨く行っていれば正妃様に関してはもう少しうまく行っていたはずです。それなのに他の女との情交を見せつけた。女なら壊れます」
ベスは肩を竦めた。
庭園に設えられたお茶の席は豪華で用意されたお茶も香り高く素晴らしかった。そこに座る正妃ギネヴィア以外は。正妃は少し動くだけで揺れる胸元をや深い胸の谷間を見てイライラしている。黒髪と対比するように白く滑らかな肌や胸の谷間に吸い込まれかねないシンプルな石のついたペンダントに目線を吸い寄せられている。もちろん護衛の騎士たちもメリルの胸をみて気を散らしている。少し動いたらポロリと乳房がでるのではないか、そんな想像をかきたてる様にメリルの胸は揺れている。
メリルはこれだけ知らない男にサービスしてるんだからランスロット殿下と兄ジョージのギネヴィアの部屋の捜索が上手くいくように祈っている。今日は正妃の嫌味や罵詈雑言も切れ味が鈍い。そこここにメリルに対する妬みと羨望がまじりあっているのががみえるからだ。正妃をイイ人だとはとても思えないが、この人はこの人でコンプレックスに取りつかれてるのよね、そしてその一因は陛下なんだな、と思うがメリルはやっぱりこの人を好きになるのは無理だな、とも考えていた。
その頃、陛下はエリザの取り調べの報告書を読んでいた。
「で、その悪役令嬢って概念はどこから来てるんだ?」
きりっとした騎士、女性ながらもハンサムといいたい風情の騎士だ。
「そうですね。ロマンス小説からのようですね」
「あれか、ギネヴィアが山の様に購入してるやつか」
「正妃様は国内で出版されるロマンス小説はすべて購入されてますから。女官の間でも流行ってますよ」
陛下はふーんと言う。
「私見ですが大抵悪役令嬢の方が高スペックで下位貴族令嬢、もしくは元平民の下位貴族養女が王太子や高位貴族子息に近づき、ライバルの悪役令嬢を追い落とすようですね。そして悪役令嬢は国外追放が娼館に売られる、と。エリザという子爵令嬢はそう言う見立てをして行動していたようですが……」
騎士はくすっと笑う。
「メリル様がアーサー殿下にもエリザ殿下にも全く興味がなかったので……」
「アーサー……、か」
陛下の瞳に炎が宿る。
「あれはどこまで行っても正妃の息子だな」
「まだ一緒に寝ておられますからね」
陛下の顎ががくんと伸びる。
「え?」
「伝わっておりませんでしたか?」
陛下は頷く。
「正妃様とアーサー様は一つのベッドで一緒に寝ておられますよ。性交はないようですが。アーサー様が子を成すのは無理ですね。……イゾルデ様自身は呪いを解いてしまいましたから、イゾルデ様と子を成して、というのも無理です」
この女性騎士は陛下に重用されているので一時は愛人かと言われたがどこからともなく前王妃、陛下の母の縁者だと流れてきて愛人節は消えていった。女性騎士はベスといい陛下の年の離れた異父妹であったが、その話を知る者は陛下とベスのみであった。彼女は陛下の母親から送られてきたお目付け役、かつ相談係でもあった。
ベスの事はモルガナも安心してるようで付き合いの長い侍女と陛下以外で近寄れるかず少ない相手であった。
「母子相姦の心配は殆どないですけど、……あのままだと」
「……二人を同じ離宮にいれようと思ったんだが」
陛下はこつこつとこめかみを叩く。
「ギネヴィア様に取ってはモルガナ様が悪役令嬢、みたいなものです」
ベスは陛下に遠慮をせず話す。
「正妃様は幼いままこちらに嫁して来ました。あの時16でしたっけ。年上の陛下に憧れてやってきたら陛下には寵愛する第一夫人がいた。その時に陛下のフォローが旨く行っていれば正妃様に関してはもう少しうまく行っていたはずです。それなのに他の女との情交を見せつけた。女なら壊れます」
ベスは肩を竦めた。
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