聖女は断罪する

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123. 婚約のお茶会 2

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 「……初めての相手、洗濯場の女の子覚えてるかい?」

陛下は正直だった。

「……最初はリネン室だったな。それから四阿で密会してた。体は覚えてるけど……顔は正直覚えてない」

「あんたは……」

ヴィヴィアンヌは憮然とする。陛下とヴィヴィアンヌの内緒話は時々あるので周りはみんな気にしていなかった。

「その時にあんたは媚薬をつかわれててね。その媚薬が同じ魔草から出来た香水や香を体に染みやすくしてたんだってさ。詳細は近いうちに魔導師団から報告書が上がるから」

「判りました」

「あとね、ドゥエスタンの愛人、知ってるかい?」

「何度かお忍びで行った夜会で見たことはある。……というか数回誘われてる。テオの姿変え魔法つかってるから私だとはバレてないと思う」

ヴィヴィアンヌは嘆息した。

「あれがあんたの初めての相手だよ」

陛下は本気で驚いたあと。あっと言った。

「そうか、あの胸のサイズはそうか……」

陛下は自分の手をじっと見た。陛下の手に納まる程度の大きすぎないサイズの胸はたしかにあのリネン室の少女であった。

 ヴィヴィアンヌはもう一度溜息をついた。

「あの女はシルヴィに対するねたみそねみでおかしくなってるから近づかない事、いいね」

「わかってる。今はエルシー以外に手をだしてないから」

「6人目出来てるね。エルシー以外のあんたそっくりの魔力がエルシーから漏れてる」

「あ、やっぱりか。一昨日くらいからなんかごにょごにょ話しかけてくる赤ん坊の声がしてたんだよ」

陛下の顔は喜色満面であった。

「色々陛下と似た赤ん坊だなぁ。陛下もお腹にいる間中父親と母親に話しかけてたよ」

「そうなんだ」

自分が胎児の頃の話を陛下は初めて聞いた。

「クリストフの時もこんな感じだった。ジュリオとエドワードはなかったな」

「そりゃ、母方の血のせいだね。エルシーは王族の血も引いてるからね」

ヴィヴィアンヌは陛下に子供の話はエルシノアと二人だけの時にする事、と釘を刺し遮音結界を解
いた。




 「じゃ呼び出すね」

王城の中庭に少年少女で移って、リリスが召喚獣を呼ぶのを待っていた。リリスは無詠唱で淡い金色の小型獣を呼び出した。

『なんだよ、呼び出して』

その獣は偉そうな口調でリリスに言うがどこか甘えたにおいがする。

『あたしの知り合いとお友達、聖女仲間だよ』

召喚獣はは皆に念話を転送していた。

『そうか。おれはカーバンクル。名前はカーくんだと。リリスのセンスの無さがなー『

というがなんとなく嬉しそうに自分の名を名乗った。

『ね、カーくん、あれ、あげられる?』

カーバンクルは皆を見渡して、言った。

『婚約した二人と聖女様達の4人分な』

そういうとカーバンクルの上に金色の透明な石が浮かび、ジュリオ、ルシア、レイラ、メルヴィンの掌にその石は移動した。
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