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89. 見境のない吸精鬼
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「俺は男だからね。君みたいな気持ちよさは味わえないよ」
テオが本音で苦笑する。
「あら、男の人はそういう行為をする人は後ろを使うし、そうじゃなきゃ教祖様が舐めて精を吸ってくれるわ」
ヴィヴィアンヌとエミールは顔を見合わせる、
「エドガーだね、そりゃ」
ヴィヴィアンヌが言う。
「あいつは男も女も関係ないからね」
エミールが呆れている。
「節操のないやっちゃのー」
「……現界したエドガーは器の中で老の所なのかな」
「かもな。……老が信仰してるのかな」
「それと正妃と愛妾が信仰してるか、も調べないと」
「ヴィヴィアンヌとエミールは低い声で結界の中で話している。
「暫く、夢から冷めないだろうよ」
ドゥエスタンの本邸の本館は代行達に『改修しないと住めません。予算が取れないので。旦那様達は私たち使用人用の東館とは反対側の西館でお過ごしください』そう言ってドゥエ
スタンの代行一家を西館に突っ込んだ。そこは術的に記録の残る場所で、客の出入りや調度品をくすねる代行達が連れて来たメイドが毎日引き入れる若い男たちの記録が残っている。調度品はそのメイドが売りに行こうとすると全て元に戻されている。そういうメイドたちは代行夫人のアクセサリに手を出して、それだけは何も言われないので徐々に盗むものは代行夫人のアクセサリーだけを売るようになっていった。
無くなったアクセサリーの行方は大抵メイに責任をなすりつけられていた。というかエマはメイが無くしたと思ってメイを叱るのだ。
「メイ、エメラルドの指輪はどうしたのよ」
「メイ知らなーい」
メイは本当に知らないからそう答える。大抵頬を2~3回はたき終わる。メイはよいとばっ
ちりだ。
ヴィヴィアンヌは西館のブリスとエマの寝室にエマをおいてきた。着衣のままベッドの上で腰を振り身もだえるエマに睡眠と幻影の魔術をかけて外に出た。扉から出る時に扉の鍵が馬鹿になっている事に気が付いた。
「クリス、西館の主寝室の鍵壊れてるわよ?」
庭仕事をしていたクリスは好々爺そのものの笑顔で答える。
「西館は何度鍵を修理しても壊れましてな」
西館にはプライバシーも何もないらしい。全て監視下に置かれている。
「クリス、エマは何故シルヴィ付のメイドをしていたの?」
「……どうもブリスが引き入れてたらしく。婿入りの時に数人のメイドを実家から連れて来た中にいたようなんです。……メイドの身元はブリスの実家のお墨付きだったようで。エマも職場はフィールズ侯爵家となってまして、問い合わせても『しっかり働く良い子でした』とフィールズ家の執事からの返事でして」
クリスが難しい顔をしている。
「基本ブリス付きのメイドはシルヴィお嬢様に近づけていなかったのに、いつの間にかお嬢様の部屋付きになっておりました。どうも部屋付きメイドがデートとかで抜ける時に入り込んだという話なんです」
ヴィヴィアンヌは渋い顔になった。
「当時はさすがに一族のブリスがああも腐ってるとは思わずに……、私の腹を詰める事で責任をと思ったら貴女様と長老会に止められましたな」
クリスは諦めたように笑う。ヴィヴィアンヌは真面目な顔で返す。
「そうよ、あんたの腹を切ってもブリスは痛くもかゆくもないでしょ。それにレイラを護る盾は一枚でも多い方がいいわ」
テオが本音で苦笑する。
「あら、男の人はそういう行為をする人は後ろを使うし、そうじゃなきゃ教祖様が舐めて精を吸ってくれるわ」
ヴィヴィアンヌとエミールは顔を見合わせる、
「エドガーだね、そりゃ」
ヴィヴィアンヌが言う。
「あいつは男も女も関係ないからね」
エミールが呆れている。
「節操のないやっちゃのー」
「……現界したエドガーは器の中で老の所なのかな」
「かもな。……老が信仰してるのかな」
「それと正妃と愛妾が信仰してるか、も調べないと」
「ヴィヴィアンヌとエミールは低い声で結界の中で話している。
「暫く、夢から冷めないだろうよ」
ドゥエスタンの本邸の本館は代行達に『改修しないと住めません。予算が取れないので。旦那様達は私たち使用人用の東館とは反対側の西館でお過ごしください』そう言ってドゥエ
スタンの代行一家を西館に突っ込んだ。そこは術的に記録の残る場所で、客の出入りや調度品をくすねる代行達が連れて来たメイドが毎日引き入れる若い男たちの記録が残っている。調度品はそのメイドが売りに行こうとすると全て元に戻されている。そういうメイドたちは代行夫人のアクセサリに手を出して、それだけは何も言われないので徐々に盗むものは代行夫人のアクセサリーだけを売るようになっていった。
無くなったアクセサリーの行方は大抵メイに責任をなすりつけられていた。というかエマはメイが無くしたと思ってメイを叱るのだ。
「メイ、エメラルドの指輪はどうしたのよ」
「メイ知らなーい」
メイは本当に知らないからそう答える。大抵頬を2~3回はたき終わる。メイはよいとばっ
ちりだ。
ヴィヴィアンヌは西館のブリスとエマの寝室にエマをおいてきた。着衣のままベッドの上で腰を振り身もだえるエマに睡眠と幻影の魔術をかけて外に出た。扉から出る時に扉の鍵が馬鹿になっている事に気が付いた。
「クリス、西館の主寝室の鍵壊れてるわよ?」
庭仕事をしていたクリスは好々爺そのものの笑顔で答える。
「西館は何度鍵を修理しても壊れましてな」
西館にはプライバシーも何もないらしい。全て監視下に置かれている。
「クリス、エマは何故シルヴィ付のメイドをしていたの?」
「……どうもブリスが引き入れてたらしく。婿入りの時に数人のメイドを実家から連れて来た中にいたようなんです。……メイドの身元はブリスの実家のお墨付きだったようで。エマも職場はフィールズ侯爵家となってまして、問い合わせても『しっかり働く良い子でした』とフィールズ家の執事からの返事でして」
クリスが難しい顔をしている。
「基本ブリス付きのメイドはシルヴィお嬢様に近づけていなかったのに、いつの間にかお嬢様の部屋付きになっておりました。どうも部屋付きメイドがデートとかで抜ける時に入り込んだという話なんです」
ヴィヴィアンヌは渋い顔になった。
「当時はさすがに一族のブリスがああも腐ってるとは思わずに……、私の腹を詰める事で責任をと思ったら貴女様と長老会に止められましたな」
クリスは諦めたように笑う。ヴィヴィアンヌは真面目な顔で返す。
「そうよ、あんたの腹を切ってもブリスは痛くもかゆくもないでしょ。それにレイラを護る盾は一枚でも多い方がいいわ」
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