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74. 封印されしもの
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「……大体わかった」
ヴィヴィアンヌは眉間に皺を寄せている。
「地図はあるかい?」
「はい」
メルヴィンは地図を持ってくる。
「どのあたりで見つかった?」
テオも詳しい話を聞くのは初めてだったので口を挟まずに聞いている。メルヴィンが示した位置を見てヴィヴィアンウがいう。
「乙女の呪いだね。……今は体はここにあるけど、魂を戻さないと」
ヴィヴィアンヌの説明によればそこは禁忌の土地で、滝と石碑があるはずだ、と。たしかに滝はあった記憶があるとメルヴィンは言う。
「そこで事に及んだんだろうよ。恋人と。あの地で処女の血を流したんだったら生贄としてささげられたも同然だ。あそこに封じられている魔物は血を手がかりに魂を集めるんだ。男でもあそこで血を流すとあの魔物に魂を取られる。……恋人があいつを信仰してる奴らの一味だとエリザは生贄としてささげられたんだと思う。処女の血があれば数刻だけでもあいつは顕現するからね。……もしくは顕現させたあいつにささげられたかもしれない。あいつを顕現させ続けるには毎日処女をささげる事が必要だからね」
そいつは一種の吸精鬼で数代前の宮廷魔術師とメロディという聖女で封印したのだという。その聖女はその時の傷と魔力損傷で一線を退いたとヴィヴィアンヌは話す。領都や近郊で人さらいが起きていないかとヴィヴィアンウが良い、テオが自分の部下に命じ情報収集にかかった。
「……足元にいたとは」
テオが頭を抱える。この吸精鬼エドガーには正確には肉体はない。こいつの顕現の為にはこいつと相性のいい男の肉体がひつようであった。
「最近いなくなった男も探さないと。その体を借りて顕現してる可能性が高い」
ヴィヴィアンヌの言葉にテオもはっとした。
「魔力がそこそこある男だな。……ここいにる貴族に若い奴はあんまりいないし、陛下の弟の所は女だけだし」
ルシアが暫く考えていたが発言した。
「前の副教皇様は?」
「わからん。それも調べてもらおう」
「あの方、魔力量は少なくないし……」
「ふむ」
テオは暫く考えていた。
「まずは王弟殿下に報告、任せる。……テオの本来の力が必要かもしれん」
テオは眉間に皺を寄せる。
「魅了で縛るか」
「ああ。テオには痩せてもらうよ。あいつは男であれ女であれ容姿のいいのを好むからね」
「俺、清童じゃねえぞ?」
「ふむ……。異性を知らない魅了持ちなんてそうそういないだろう」
ルシアが手を上げる。
「はい!私がいるよ」
ヴィヴィアンヌは苦笑した。
「あんたはまだ無理。力を使う訓練が終わってない」
ヴィヴィアンヌの言葉にルシアはぷっとふくれっ面になる。
「今日、今すぐにじゃないんでしょう?封印するときまでに使い方覚えたらいいと思うの」
「ルシア、あんたは公爵令嬢で前線に出る立場じゃない」
「おば様、公爵令嬢としてこれを見過ごすのは」
テオが割って入る。
「俺がやるけど、万が一の為にルシアに力の使い方を教える。術じゃない魅了はさすがのヴィヴでも教えられないだろ?」
「術でなんとかしたいんだけど」
ヴィヴィアンヌは反論する。レイラが発言する。
「じゃ私に術を教えてください」
メルヴィンも志願した。
「俺にもたのんます」
テオが何か思いついた。
「ついでにアルフォンスとクリストフとジークもまきこもう。エミールも使えるんだよな、
その術」
ヴィヴィアンヌは頭を抱えた。
「アルフォンス達まで……なんで」
「アルフォンスが記憶を失った遠因てエドガーだろ。自分の手で片を付けるチャンスを与えた方が良いと思う」
テオはまっすぐ主張し、ヴィヴィアンウは溜息と共に受け入れた。
ヴィヴィアンヌは眉間に皺を寄せている。
「地図はあるかい?」
「はい」
メルヴィンは地図を持ってくる。
「どのあたりで見つかった?」
テオも詳しい話を聞くのは初めてだったので口を挟まずに聞いている。メルヴィンが示した位置を見てヴィヴィアンウがいう。
「乙女の呪いだね。……今は体はここにあるけど、魂を戻さないと」
ヴィヴィアンヌの説明によればそこは禁忌の土地で、滝と石碑があるはずだ、と。たしかに滝はあった記憶があるとメルヴィンは言う。
「そこで事に及んだんだろうよ。恋人と。あの地で処女の血を流したんだったら生贄としてささげられたも同然だ。あそこに封じられている魔物は血を手がかりに魂を集めるんだ。男でもあそこで血を流すとあの魔物に魂を取られる。……恋人があいつを信仰してる奴らの一味だとエリザは生贄としてささげられたんだと思う。処女の血があれば数刻だけでもあいつは顕現するからね。……もしくは顕現させたあいつにささげられたかもしれない。あいつを顕現させ続けるには毎日処女をささげる事が必要だからね」
そいつは一種の吸精鬼で数代前の宮廷魔術師とメロディという聖女で封印したのだという。その聖女はその時の傷と魔力損傷で一線を退いたとヴィヴィアンヌは話す。領都や近郊で人さらいが起きていないかとヴィヴィアンウが良い、テオが自分の部下に命じ情報収集にかかった。
「……足元にいたとは」
テオが頭を抱える。この吸精鬼エドガーには正確には肉体はない。こいつの顕現の為にはこいつと相性のいい男の肉体がひつようであった。
「最近いなくなった男も探さないと。その体を借りて顕現してる可能性が高い」
ヴィヴィアンヌの言葉にテオもはっとした。
「魔力がそこそこある男だな。……ここいにる貴族に若い奴はあんまりいないし、陛下の弟の所は女だけだし」
ルシアが暫く考えていたが発言した。
「前の副教皇様は?」
「わからん。それも調べてもらおう」
「あの方、魔力量は少なくないし……」
「ふむ」
テオは暫く考えていた。
「まずは王弟殿下に報告、任せる。……テオの本来の力が必要かもしれん」
テオは眉間に皺を寄せる。
「魅了で縛るか」
「ああ。テオには痩せてもらうよ。あいつは男であれ女であれ容姿のいいのを好むからね」
「俺、清童じゃねえぞ?」
「ふむ……。異性を知らない魅了持ちなんてそうそういないだろう」
ルシアが手を上げる。
「はい!私がいるよ」
ヴィヴィアンヌは苦笑した。
「あんたはまだ無理。力を使う訓練が終わってない」
ヴィヴィアンヌの言葉にルシアはぷっとふくれっ面になる。
「今日、今すぐにじゃないんでしょう?封印するときまでに使い方覚えたらいいと思うの」
「ルシア、あんたは公爵令嬢で前線に出る立場じゃない」
「おば様、公爵令嬢としてこれを見過ごすのは」
テオが割って入る。
「俺がやるけど、万が一の為にルシアに力の使い方を教える。術じゃない魅了はさすがのヴィヴでも教えられないだろ?」
「術でなんとかしたいんだけど」
ヴィヴィアンヌは反論する。レイラが発言する。
「じゃ私に術を教えてください」
メルヴィンも志願した。
「俺にもたのんます」
テオが何か思いついた。
「ついでにアルフォンスとクリストフとジークもまきこもう。エミールも使えるんだよな、
その術」
ヴィヴィアンヌは頭を抱えた。
「アルフォンス達まで……なんで」
「アルフォンスが記憶を失った遠因てエドガーだろ。自分の手で片を付けるチャンスを与えた方が良いと思う」
テオはまっすぐ主張し、ヴィヴィアンウは溜息と共に受け入れた。
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