聖女は断罪する

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63. 試験期間

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 レイラとルシアを見てるとペールたちは年下の従妹たちを見てるような気持ちになる。中等部に入りたての生徒たちはみな一様に幼い。ルシアにしてもレイラにしても飛び級している事も含めて幼くみえるのだ。


 試験が始まった。レイラとペールはアルフォンスの授業は受けなくてよくなったが、学年主任が受け持つ魔法史学やこの国の国史、また、個人的に魔獣額や薬草学を取っている人間がいるので個々負担が違ってはいるものの軽くはなかった。
 レイラもルシアもこういう形の試験には慣れてはおらずお昼に二人で会うのが気分転換になっていた。

「早く寮でたいなぁ」

「夏季休暇まで待ちなさい」

ヴィヴィアンヌはルシアを宥める。

「そう考えると1学期だけであの部屋って少しもったいない気もする」

商売人の顔も持っているルシアが顔を顰める。

「ま、学園の威信ってやつでしょう」

ヴィヴィアンヌは優雅にお茶を飲む。ヴィヴィアンヌは昼は軽めに済ませる。小さめのパンに野菜と肉を挟んだものが定番だ。今日はレイラもルシアも午後からの試験に供えて軽めに済ませるという事でヴィヴィアンヌと同じものを2個、食べている。

「さて、飲み物は……カモミールミルクティかな。はちみつで少し甘くして」

ルシアは頷いたがレイラは首を横に振る。

「お茶を……、テスト中に眠らなくていいように」

「紅茶でいいですか?」

アナの言葉にヴィヴィアンヌが頷いて許可を与える。

「レイラ良いなぁ」

「ルシアはあと1年待ちなさいね。まだ紅茶は貴方に刺激が強い」

ルシアが口を尖らせて軽く拗ねる。レイラは可愛いなぁとルシアを見る。

「カモミールティもお好きでしょ?」

アナが軽くルシアを窘めて皆で笑って食後のお茶を楽しんだ。



 「昼休み、どこで食べてるの?」

ネージュ子爵令嬢シャルロットが訊ねてくる。

「ああ、師匠と一緒にライン公爵の部屋で」

シャルロットは優しく話しかけてくるようになったものの、レイラは警戒して対応している。

「偶にはクラスの女子と一緒に食べません?」

「……そうですね。試験が終わってからでも」

「あら、試験が終わったら短期ですけどお休みですのに」

「ごめんなさい。昼に師匠か指示を貰ったりしているのでお休み後になるんです」

「なんでぇ?」

シャルロットが妙にねっとりと話す。

「指示を受けられない日を明確にしておかないとあとの作業に影響あるので」

「作業?」

「ええ、師匠のお手伝いをしてるので」

「学外に師匠がいるって大変ね」

レイラはヴィヴィアンヌは学外の師匠なのだろうか、と少し考える。

「なので試験五の休み明けの三日目でいいですか?」

シャルロットは少し不服そうだったがレイラはきっぱりと日付を提示し予定を決めた。隣席のリチャードが感心している。

「君は駆け引きするよりもさくさく予定決めて動くんだな」

「ああ、暇がそんなにないですから予定を固定して動いた方が自分の為なので」

リチャードはにやっと笑う。

「多分だけど、日程変えてってシャルロットは言ってくるぜ」

レイラもにっこり笑う。

「なら、昼食の約束は反故にはりそうです」

レイラはそう言うと次の時間のテストの用意を始めた。
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