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60. フィールズ老の資金源
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リリスは目隠しをされてその部屋に転移されてきた。無力部屋は仕掛けがありi一定量の魔力が流れるとそれ以下の魔力を持つものは魔法が使えなくなるのだ。
エミールとヴィヴィアンヌが部屋で待っている。エミール、ヴィヴィアンヌ、テオの三人は魔力量に優劣はなかった。リリスは一番魔力がないうえに魔法が使えないようにする腕輪をつけられている。
テオが目隠しを取った。この部屋は換気兼灯り取りの窓が背の高い壁の丈夫にあるだけで外の様子は全くわからない。湯かも壁も光を吸い取るかのように黒い。
「久しぶりだね」
「前も思ったんだけど、おばさん誰なの?」
リリスは相変わらず礼を失している。
「あんたの伯母でも叔母でもないよ。そう言う相手には『誰?』だけでいい。それとも他人は貶めないといけないと思ってるわけ?」
「……だって事実じゃん。おばさんはテオ様みたいに教皇でもないし、学校に赴任してきた新任教師でしょ?教科も持ってないみたいだから用務員のおばさんなの?」
「この子、強烈に他人を見下す子だな」
エミールがぼそりと呟く。
「ま、躾けは教会に任せてるし。私の知ったこっちゃない。今日はリリス嬢、貴女の生まれてからこれまでの事を聞きたくてね」
黒い椅子に座り黒いレースのマーメードラインのドレスに鳶色の髪のヴィヴィアンウは髪と肌以外は椅子や壁や床に溶け込んで見える。頭部と胸と腕の皮膚の透けた部分だけがぼうっと浮かんで見える。また換気されているとはいえ部屋に炊かれた特殊な香のせいでリリスは少し口が軽くなっていた。この香はエミールが考案した香で調合者以上の魔力を持たないと抵抗できないという香だった。フィールズ老は当初、エミールの発明品を利用しようとエミールを取り込もうと下のだがこの変人の作る長合具や小道具はエミール以上の魔力がないと利用できなかったり意味がなかったりするのでフィールズ老は早々に見切りを着けたようだ。自分たちでは使えない、と。
ただ放逐するには惜しい薬草研究をしていたので学校の薬草園を隠れ蓑に思い付きこの場所にエミールを閉じ込めたのだった。
「あたしの事?」
リリスは少しとろんとしている。
「そうだね」
「おばさんもあたしのこと知りたいんだ。」
「そうだね」
「んふふ、じゃ、教えてあげる」
リリスは自分の事を語り始めた。
「あたしはね、王都の下町の生まれなんだって。副教皇様がいた教会に癒しの力があるからって召し上げられたんだって」
要は親に教会に売られたのだ。癒しの力のある子供は生まれてすぐに発現することが多い。出産時に母親を癒すのだ。そして早い場合はその日に売られる。理由は母親がその子供に愛着を持たないように、だ。
少し前の聖女のメロディやレイラのように貴族の子供だと事情は違う。ただレイラは売られかけた。母親がシルヴィでその知人のテオがその場にいた、そしてシルヴィが伯爵であった、ので父親の意図通りに金にできなかった、のだ。
リリスは特別愛らしかったので副教皇の特別な子として育てられ、幼いころから男を接
待する要員に使われていた、らしい。フィールズ老とはそのあたり、副教皇の母親が海辺の街へ移ってから、つながりが強固になったようだった。
「あたしは可愛いから、女性には嫌われた。おじー様の奥様だけが可愛がってくれたの」
フィールズ老の屋敷ではフィールズ老の妹の扱いは老の奥方となっているようだった。フィールズ老の屋敷の地下では鉢植の植物が沢山育てられてる事、掌より小さい小瓶に入った水薬を内緒で売る事で沢山お金を貰ってる事をリリスは話す。話せば話すほどリリスは気持ちよくなっているようだった。
「だから奥様は大好き」
ここは本当に小さな子供のような邪気も何もない顔でリリスはにっこりと笑った。
「資金源は結局あんたか」
エミールはフィールズ老に先端が紫の薬草を3株分けたがそれを増やしてるとは思わなかった、と言う。
「あのね、緑魔術を使える人はそこそこいる」
緑魔法は庶民に多い。貴族では殆どでない魔法である。
「あれは育む魔法だから……聖魔法からの派生じゃないかと俺は思ってて」
横道にそれそうな話を語り始めたエミールにヴィヴィアンヌは何も言わずエミールの両ほほを持ち左右に思い切り引っ張る。
「で、解毒剤とか作ってあるの?」
エミールとヴィヴィアンヌが部屋で待っている。エミール、ヴィヴィアンヌ、テオの三人は魔力量に優劣はなかった。リリスは一番魔力がないうえに魔法が使えないようにする腕輪をつけられている。
テオが目隠しを取った。この部屋は換気兼灯り取りの窓が背の高い壁の丈夫にあるだけで外の様子は全くわからない。湯かも壁も光を吸い取るかのように黒い。
「久しぶりだね」
「前も思ったんだけど、おばさん誰なの?」
リリスは相変わらず礼を失している。
「あんたの伯母でも叔母でもないよ。そう言う相手には『誰?』だけでいい。それとも他人は貶めないといけないと思ってるわけ?」
「……だって事実じゃん。おばさんはテオ様みたいに教皇でもないし、学校に赴任してきた新任教師でしょ?教科も持ってないみたいだから用務員のおばさんなの?」
「この子、強烈に他人を見下す子だな」
エミールがぼそりと呟く。
「ま、躾けは教会に任せてるし。私の知ったこっちゃない。今日はリリス嬢、貴女の生まれてからこれまでの事を聞きたくてね」
黒い椅子に座り黒いレースのマーメードラインのドレスに鳶色の髪のヴィヴィアンウは髪と肌以外は椅子や壁や床に溶け込んで見える。頭部と胸と腕の皮膚の透けた部分だけがぼうっと浮かんで見える。また換気されているとはいえ部屋に炊かれた特殊な香のせいでリリスは少し口が軽くなっていた。この香はエミールが考案した香で調合者以上の魔力を持たないと抵抗できないという香だった。フィールズ老は当初、エミールの発明品を利用しようとエミールを取り込もうと下のだがこの変人の作る長合具や小道具はエミール以上の魔力がないと利用できなかったり意味がなかったりするのでフィールズ老は早々に見切りを着けたようだ。自分たちでは使えない、と。
ただ放逐するには惜しい薬草研究をしていたので学校の薬草園を隠れ蓑に思い付きこの場所にエミールを閉じ込めたのだった。
「あたしの事?」
リリスは少しとろんとしている。
「そうだね」
「おばさんもあたしのこと知りたいんだ。」
「そうだね」
「んふふ、じゃ、教えてあげる」
リリスは自分の事を語り始めた。
「あたしはね、王都の下町の生まれなんだって。副教皇様がいた教会に癒しの力があるからって召し上げられたんだって」
要は親に教会に売られたのだ。癒しの力のある子供は生まれてすぐに発現することが多い。出産時に母親を癒すのだ。そして早い場合はその日に売られる。理由は母親がその子供に愛着を持たないように、だ。
少し前の聖女のメロディやレイラのように貴族の子供だと事情は違う。ただレイラは売られかけた。母親がシルヴィでその知人のテオがその場にいた、そしてシルヴィが伯爵であった、ので父親の意図通りに金にできなかった、のだ。
リリスは特別愛らしかったので副教皇の特別な子として育てられ、幼いころから男を接
待する要員に使われていた、らしい。フィールズ老とはそのあたり、副教皇の母親が海辺の街へ移ってから、つながりが強固になったようだった。
「あたしは可愛いから、女性には嫌われた。おじー様の奥様だけが可愛がってくれたの」
フィールズ老の屋敷ではフィールズ老の妹の扱いは老の奥方となっているようだった。フィールズ老の屋敷の地下では鉢植の植物が沢山育てられてる事、掌より小さい小瓶に入った水薬を内緒で売る事で沢山お金を貰ってる事をリリスは話す。話せば話すほどリリスは気持ちよくなっているようだった。
「だから奥様は大好き」
ここは本当に小さな子供のような邪気も何もない顔でリリスはにっこりと笑った。
「資金源は結局あんたか」
エミールはフィールズ老に先端が紫の薬草を3株分けたがそれを増やしてるとは思わなかった、と言う。
「あのね、緑魔術を使える人はそこそこいる」
緑魔法は庶民に多い。貴族では殆どでない魔法である。
「あれは育む魔法だから……聖魔法からの派生じゃないかと俺は思ってて」
横道にそれそうな話を語り始めたエミールにヴィヴィアンヌは何も言わずエミールの両ほほを持ち左右に思い切り引っ張る。
「で、解毒剤とか作ってあるの?」
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