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35. 校長と担任の魔法陣検分
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「じゃ、頼んだよ」
「分かった。今日の放課後までには用意する「
エミールはヴィヴィアンヌの依頼を快く受けれた。
「校長、アルフォンスと一緒に来て」
「もう、授業だけど」
「すぐだから。学年主任、アルフォンスの教室にアルフォンス少し遅れるって言っといて」
学年主任は頷いた。そしてアルフォンスと校長はヴィヴィアンヌに連行されていった。
「何も言わずこれを見て欲しい」
「小動物、というか魔物を呼ぶ陣だね」
校長がさらっと答える。
「水棲の魔物、小さいの……これ女子が嫌がるやつだろ、ゲロゲロ鳴いててべったり足とかに張り付いて皮膚舐めてくる奴」
アルフォンスが思い出せない記憶のどこかで大量にたかられた事があるのをヴィヴィアンヌは知っていたのでアルフォンスの声に滲む嫌悪感は理解した。
「あー、アルフォンスが昔所属してた部隊の演習でこれにたかられてたからねぇ」
「げー、この嫌な感じはそういうことか」
アルフォンスと校長は色々検分し、ヴィヴィアンヌは二人を連れて校長室に転移して戻った。
「十中八、九、アルフォンスのクラスのリリスであろう」
ヴィヴィアンヌはそう言った。空き教室の魔法陣もリリスでペールはリリスのお目付け役のようだなのか、とアルフォンスに確認する。
「そう、だな。結構苦労してる。俺がフォローしたらべったりになったんだけど、それで父兄から苦情が来て……」
この学園での父兄からの苦情は高位貴族や有力な市民からの苦情と重なるのだ。
「ああ、あの生徒の事ですか。聖女候補でしたか、リリス嬢。こっちには副教皇からうちうちに優遇するようにとお達しがきてますが、生徒は平等ですからね」
校長はアルフォンスの言葉を受けながらヴィヴィアンヌに告げる。校長はライン公爵派ともフィールズ侯爵派でもない、中立派とでも言うべき派閥の一員であった。
「寮も今いる二人部屋ではなく、ルシア嬢のいる部屋というかあのフロアの部屋を使わせろと言われましたがあそこは公爵、侯爵、王族の為のフロアで現在ルシア嬢と隣国から留学してきているナオミ皇女がいらっしゃいますからね」
校長は淡々と続ける。
「かなり厳密な警備をしてるのですが、時々リリス嬢がフロアに入り込んでるので頭が痛い」
校長が愚痴っぽくなってきたのでヴィヴィアンヌがアルフォンスを見ると、アルフォンスは教科書を手に取った。
「そういえばこれの件は?」
「……あんた、エミールと仲良いんだね」
「あー。世話になってる。花作ってもらってるし」
ヴィヴィアンヌがくすり、と笑う。
「校長はエミールとは?」
「温室の主は現場にいた時と校長就任時に挨拶を」
「そう。近日中にちゃんと紹介するよ」
校長が喜ぶ。
「彼が名高いエミール・マリュスその人だと思わなかったです」
「じゃ。俺は一旦授業に」
アルフォンスはそそくさと教室へ向かった。
「分かった。今日の放課後までには用意する「
エミールはヴィヴィアンヌの依頼を快く受けれた。
「校長、アルフォンスと一緒に来て」
「もう、授業だけど」
「すぐだから。学年主任、アルフォンスの教室にアルフォンス少し遅れるって言っといて」
学年主任は頷いた。そしてアルフォンスと校長はヴィヴィアンヌに連行されていった。
「何も言わずこれを見て欲しい」
「小動物、というか魔物を呼ぶ陣だね」
校長がさらっと答える。
「水棲の魔物、小さいの……これ女子が嫌がるやつだろ、ゲロゲロ鳴いててべったり足とかに張り付いて皮膚舐めてくる奴」
アルフォンスが思い出せない記憶のどこかで大量にたかられた事があるのをヴィヴィアンヌは知っていたのでアルフォンスの声に滲む嫌悪感は理解した。
「あー、アルフォンスが昔所属してた部隊の演習でこれにたかられてたからねぇ」
「げー、この嫌な感じはそういうことか」
アルフォンスと校長は色々検分し、ヴィヴィアンヌは二人を連れて校長室に転移して戻った。
「十中八、九、アルフォンスのクラスのリリスであろう」
ヴィヴィアンヌはそう言った。空き教室の魔法陣もリリスでペールはリリスのお目付け役のようだなのか、とアルフォンスに確認する。
「そう、だな。結構苦労してる。俺がフォローしたらべったりになったんだけど、それで父兄から苦情が来て……」
この学園での父兄からの苦情は高位貴族や有力な市民からの苦情と重なるのだ。
「ああ、あの生徒の事ですか。聖女候補でしたか、リリス嬢。こっちには副教皇からうちうちに優遇するようにとお達しがきてますが、生徒は平等ですからね」
校長はアルフォンスの言葉を受けながらヴィヴィアンヌに告げる。校長はライン公爵派ともフィールズ侯爵派でもない、中立派とでも言うべき派閥の一員であった。
「寮も今いる二人部屋ではなく、ルシア嬢のいる部屋というかあのフロアの部屋を使わせろと言われましたがあそこは公爵、侯爵、王族の為のフロアで現在ルシア嬢と隣国から留学してきているナオミ皇女がいらっしゃいますからね」
校長は淡々と続ける。
「かなり厳密な警備をしてるのですが、時々リリス嬢がフロアに入り込んでるので頭が痛い」
校長が愚痴っぽくなってきたのでヴィヴィアンヌがアルフォンスを見ると、アルフォンスは教科書を手に取った。
「そういえばこれの件は?」
「……あんた、エミールと仲良いんだね」
「あー。世話になってる。花作ってもらってるし」
ヴィヴィアンヌがくすり、と笑う。
「校長はエミールとは?」
「温室の主は現場にいた時と校長就任時に挨拶を」
「そう。近日中にちゃんと紹介するよ」
校長が喜ぶ。
「彼が名高いエミール・マリュスその人だと思わなかったです」
「じゃ。俺は一旦授業に」
アルフォンスはそそくさと教室へ向かった。
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